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研究員ヤマノの重賞回顧
2007/11/27(火)
11月23日(金)、京都競馬場で行われた京阪杯(3歳上、G3・芝1200m)は、好位からレースを進めた1番人気のサンアディユ(牝5、栗東・音無秀孝厩舎)が、早め先頭に抜け出し、最後の直線で襲いかかってくる後続の猛襲を凌ぎ切り、人気に応え快勝した。
これで、今夏、芝に路線変更して以来、3重賞で優勝、G1で2着と、その勢いは留まるところを知らない。
折り合いを欠いた北九州記念以外は底を見せていない素晴らしい充実ぶりだ。
ところで、この馬、強さも一流だが、気の悪さもなかなかのものである。
気性難だが強い牝馬といえば先日引退したスイープトウショウが思い出されるところだが、この馬も負けてはいないだろう。
今回の調教も、日曜こそ栗東坂路で猛時計をマークしていたが、出来上がっていたにしても、直前の追い切りが時計的にも64.9-44.9-28.6-13.6とあまりに軽すぎて、予想する立場としてはクビをひねってしまうものだった。
おまけに、5歳にしてここ3戦どんどん増え続ける驚くべき馬体重。
ついには514kgの牡馬顔負けの巨体となってしまった。
この馬体でこの調教、それでいて先行勢総崩れのレースで勝ち残るくらい強いのだから、困ってしまう。
とどのつまりは、ある意味“規格外”の馬ということなのだろうか。
今後もこの“規格外”の巨漢牝馬には素直に敬意を払い、調教、条件関係なく、常にマークさせていただくつもりだ。
翌24日(土)、東京競馬場で行われたジャパンCダート(3歳上、G1・ダート2100m)は、中団後方からレースを進めた1番人気ヴァーミリアン(牡5、栗東・石坂正厩舎)が、最後の直線で先頭に踊り出るとそのまま鋭く伸びて、念願の中央G1をレコードタイムで優勝した。
これでヴァーミリアンのダートでの強さは、誰しもが認めることだろう。
確かに今回の勝利は、それくらい強い勝ち方だったと言えよう。
そんな強いダート王ヴァーミリアンだが、思い起こせば、芝のG3ラジオたんぱ杯の勝者でもあるのだ。
つまり路線変更して、一気に才能が開花したわけなのである。
この頃、この路線変更で才能を開花させる馬が意外と多いのに気が付く。
このレースで4着に健闘したメイショウトウコンや、京阪杯を優勝したサンアディユもそのクチだ。
それを考えると、まだ才能が開花せず埋もれている意外な馬が、他にいても全くおかしくはない。
若駒の新星誕生はもちろん楽しみなことではあるが、意外な馬が路線変更によって花開くのを目の当たりにするのも、また痛快である。
次に発掘される“意外な才能”は、はたしてどの馬なのだろうか。
翌々25日(日)、東京競馬場で行われたジャパンC(3歳上、G1・芝2400m)は、先団の後ろにつけレースを進めた5番人気アドマイヤムーン(牡4、栗東・松田博資厩舎)が、最後の直線でインから早め先頭に立ち、そのまま後続を振り切って快勝。見事引退に花を添えた。
ところでJCは今年で27回を数えるが、1着~6着まで日本馬が独占したのは初めての事だった。
振り返ってみると、JCが創設された当初は、外国勢に蹂躙されていた苦難の時代だった。
第1回から第10回までで優勝した日本馬は、カツラギエースとシンボリルドルフの僅か2頭だけ。
オグリキャップ、タマモクロス、スーパークリークといったスターホースでさえ勝つことが出来なかったのだから、当時は今よりまだ海外と日本のレベルの差があったのかもしれない。
20世紀の日本馬の海外での活躍は、エルコンドルパサー、シーキングザパール、タイキシャトル、アグネスワールドなど僅かな馬に限られていた。
しかし今世紀に入り、日本馬の海外での活躍は目覚しい。
今年は外国勢の大将格である凱旋門賞馬ディラントーマスが、件の馬ウイルス性動脈炎で出走できなかったことも日本勢に味方しただろうが、それを差し引いてもやはり日本馬は強くなったと言えるのではなかろうか。
先日、美浦では新しくニューポリトラックがオープンした。
これで、また一段と日本馬のレベルが強化されることだろう。
多くの日本馬が海外を席捲する日が訪れるのも、もうそう遠い将来のことではないのかも知れない。
これで、今夏、芝に路線変更して以来、3重賞で優勝、G1で2着と、その勢いは留まるところを知らない。
折り合いを欠いた北九州記念以外は底を見せていない素晴らしい充実ぶりだ。
ところで、この馬、強さも一流だが、気の悪さもなかなかのものである。
気性難だが強い牝馬といえば先日引退したスイープトウショウが思い出されるところだが、この馬も負けてはいないだろう。
今回の調教も、日曜こそ栗東坂路で猛時計をマークしていたが、出来上がっていたにしても、直前の追い切りが時計的にも64.9-44.9-28.6-13.6とあまりに軽すぎて、予想する立場としてはクビをひねってしまうものだった。
おまけに、5歳にしてここ3戦どんどん増え続ける驚くべき馬体重。
ついには514kgの牡馬顔負けの巨体となってしまった。
この馬体でこの調教、それでいて先行勢総崩れのレースで勝ち残るくらい強いのだから、困ってしまう。
とどのつまりは、ある意味“規格外”の馬ということなのだろうか。
今後もこの“規格外”の巨漢牝馬には素直に敬意を払い、調教、条件関係なく、常にマークさせていただくつもりだ。
翌24日(土)、東京競馬場で行われたジャパンCダート(3歳上、G1・ダート2100m)は、中団後方からレースを進めた1番人気ヴァーミリアン(牡5、栗東・石坂正厩舎)が、最後の直線で先頭に踊り出るとそのまま鋭く伸びて、念願の中央G1をレコードタイムで優勝した。
これでヴァーミリアンのダートでの強さは、誰しもが認めることだろう。
確かに今回の勝利は、それくらい強い勝ち方だったと言えよう。
そんな強いダート王ヴァーミリアンだが、思い起こせば、芝のG3ラジオたんぱ杯の勝者でもあるのだ。
つまり路線変更して、一気に才能が開花したわけなのである。
この頃、この路線変更で才能を開花させる馬が意外と多いのに気が付く。
このレースで4着に健闘したメイショウトウコンや、京阪杯を優勝したサンアディユもそのクチだ。
それを考えると、まだ才能が開花せず埋もれている意外な馬が、他にいても全くおかしくはない。
若駒の新星誕生はもちろん楽しみなことではあるが、意外な馬が路線変更によって花開くのを目の当たりにするのも、また痛快である。
次に発掘される“意外な才能”は、はたしてどの馬なのだろうか。
翌々25日(日)、東京競馬場で行われたジャパンC(3歳上、G1・芝2400m)は、先団の後ろにつけレースを進めた5番人気アドマイヤムーン(牡4、栗東・松田博資厩舎)が、最後の直線でインから早め先頭に立ち、そのまま後続を振り切って快勝。見事引退に花を添えた。
ところでJCは今年で27回を数えるが、1着~6着まで日本馬が独占したのは初めての事だった。
振り返ってみると、JCが創設された当初は、外国勢に蹂躙されていた苦難の時代だった。
第1回から第10回までで優勝した日本馬は、カツラギエースとシンボリルドルフの僅か2頭だけ。
オグリキャップ、タマモクロス、スーパークリークといったスターホースでさえ勝つことが出来なかったのだから、当時は今よりまだ海外と日本のレベルの差があったのかもしれない。
20世紀の日本馬の海外での活躍は、エルコンドルパサー、シーキングザパール、タイキシャトル、アグネスワールドなど僅かな馬に限られていた。
しかし今世紀に入り、日本馬の海外での活躍は目覚しい。
今年は外国勢の大将格である凱旋門賞馬ディラントーマスが、件の馬ウイルス性動脈炎で出走できなかったことも日本勢に味方しただろうが、それを差し引いてもやはり日本馬は強くなったと言えるのではなかろうか。
先日、美浦では新しくニューポリトラックがオープンした。
これで、また一段と日本馬のレベルが強化されることだろう。
多くの日本馬が海外を席捲する日が訪れるのも、もうそう遠い将来のことではないのかも知れない。
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