ダームドゥラック、今年の一番星に輝く!《平林雅芳 2歳観戦記》

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トピックス

土曜阪神5R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム 1.09.6

コスモルーシー(牝2、父マイネルラヴ・栗東・高野厩舎)

CWでの追い切りで好タイムを2週連続で出していたカシノラピスが、注目の馬と思えた。そのカシノラピスの逃げで始まった今年の関西新馬戦。4コーナーを回る時も楽で、そのまま逃げ切りかと思えたのだが、直線残り1ハロンで2番手追走のコスモルーシーにかわわされる。バテたのかと思ったが、そのまま粘りきり、結局は2番手コスモルーシーが、前を行くカシノラピスをかわしたもの。何と、市場価格157万の馬がいきなりのデビュー勝ちを収めた。

ゲートを真っ先に切ったのはコスモルーシー。カシノラピスも悪くないスタートだった。押して押して先頭に出ていくカシノラピス。2番手にコスモルーシー。シゲルスダチエーシンブランシュがその後に続き、その後にシルクティソナ。こんな感じでゲートを開いて2、3完歩めぐらいのあたりである。少し行ったところで、内からシルクディソナが3番手に押し上げて行く。2番手コスモルーシーの内から前へ出ようかぐらいの行きっぷりだ。
ボーイフレンドユキノベアハートの⑧枠2頭が追い上げて来て、エーシンブランシェの前まで来る。その直後にブランベルジェといった隊列だ。

3ハロンを過ぎて4コーナーへと入るあたりでは、先頭のカシノラピスのすぐ直後にコスモルーシーが迫り、内のシルクディソナも差がないところ。逃げるカシノラピスはまだ追い出しに入っていないが、2番手コスモルーシーは終始追いどおしの感じとなってきている。
残り300のオレンジ棒を過ぎるあたりから一番内へシルクティソナ、真ん中にカシノラピス、そして外にコスモルーシーと3頭が並び加減となり、壮絶な追い合いとなり出す。

残り1ハロンを過ぎたあたりから、コスモルーシーが和田Jのステッキに呼応して伸び出す。2着争いも内のシルクティソナの伸びが止まりだし、何とかカシノラピスが粘りそうだ。
2着カシノラピスが確認された後の3着争いが、後ろから来ていたエーシンブランシュとシゲルスダチの猛追があって賑わう。ブランベルジェはその後に入線であった。

勝ったコスモルーシーの最終追い切りも、ポリトラックで好タイムでまとめており、追い切る度に好時計が出ているのが判る。
逃げたカシノラピスは、前半3ハロンが34.9。その後も11.1で行き、直線2ハロンめも11.3とペースを持続している。最後の1ハロンだけが12.3だが、後ろには抜かせていないのだから、勝ったコスモルーシーの切れがなかなかだったという事だろう。
1000メートル通過が57.3は決して遅くない流れでもある。牡馬のシルクティソナが、3着エーシンブランシュとハナ差の4着。シゲルスダチ5着にブランベルジェが6着と、牝馬勢の上位独占であった。


土曜函館5R
2歳新馬
芝1000m
勝ちタイム 58.0

ダームドゥラック(牝2、父シンボリクリスエス・栗東・領家厩舎)

水曜の芝コースでの追い切りで絶好の動きを見せたダームドゥラックが、圧倒的な1番人気の支持に応えてデビュー戦を飾った。とは言うものの、仕上がり度合や調教内容からもっと楽に勝つのだろうと思っていただけに、やはりケイコと実戦ではこうも違うのかと思えたもの。終始外へ逃げ加減に映るパトロール・ビデオでのレースぶりであった。一応1馬身半の差があったのだから危なげないのだが・・ちょっと辛口な見方をしてしまうのだろうか・・・。

何せ、函館の芝コースの追い切りを見ていて、併せた相手をまったく問題にしない水曜の動き。トレーニング・セールで買ってきた馬で、もう十分に仕上がっている感じでもあった。おそらく並ぶのはゲートの中だけで、開いたら猛ダッシュで逃げ切り、そんなイメージを勝手に抱いていた。
確かにゲートが開いた瞬間には、一番早く出ていたが、その後の二の脚がナイスゴールドシンハヤブサが速かった。
2、3完歩も行かないうちにダームドゥラックは少し位置が後ろになる。代ってサルバートルピサブラッキーエリナが上がってくる。

1ハロンの半分もまだ行かないうちにシンハヤブサに異変がおきた様子で、ズルズルと後退する。そして競走を中止した。ちょっと場内がどよめく。
2ハロンぐらい行ったあたりで、ダームトゥラックが先頭のナイスゴールドに行き脚がつきだしたのか、並びかけて行く。その後は、前を2頭が馬体を併せての先行となる。ナイスゴールドの逃げは、前半3ハロンを34.7で通過して行く。
直線入り口では、そのナイスゴールドを振り切る感じでダームドゥラックが先頭に立つ恰好だ。しかしまだ先頭はナイスゴールドが粘っている。残り1ハロンを過ぎてもまだ半馬身前にいる。しかし鞍上のムチにやっと反応したのか、ダームドゥラックが前へ出てゴールを目指す。

ダームドゥラックが先頭に立って1馬身と差を広げて行く。2着には何とかナイスゴールドが粘ろうかというところを、プラッキーエリーナがゴール寸前で頭差かわして入っていた。
パトロール・ビデオを見る。勝ったダームドゥラックは馬が恋しいのだろうか、終始そばの馬から離れない様な感じの行きっぷりである。やっと直線に入って追われてから闘争心に火が点いたのか、最後の1ハロンで反応しだしてのデビュー勝ちとなった。

火曜朝に栗東で領家師に聞くと、《ピタッと馬体を併せてなんて古馬みたいな感じは若駒だから無理なもの。決して外へ逃げ気味でもなかったよ~。放牧に出して2歳Sへ》であった。
単勝170円。これがこの馬の評価であろう。他馬との出来具合の差を感じたもの。やはりトレーニングセールでしっかりしたタイムを出していたのを直結しての新馬勝ちでありました。
ただ下馬評どおりの結果ではあったが、思惑とはだいぶ違った競馬内容であったのは事実であろう。
まずは今年の2歳戦の先陣を切っての勝ち名乗りに値打ちがあろうと言うもの・・だ。


日曜阪神5R
2歳新馬
芝1600m
勝ちタイム 1.37.1

ダローネガ(牡2、父ダイワメジャー・栗東・佐々木晶厩舎)

3コーナー過ぎから逃げたのはサクラアクティブだが、この時期の新馬戦のマイルで本当にジワッとした行きっぷりであった。1000メートルを1.02.1と本当にユッタリとした流れ。その2番手を進んでいたダローネガとエピセアロームの2頭の追い合いとなった。新種牡馬のダイワメジャー産駒2頭の追い合いとなったが、前々でレースを進めていたダローネガがクビ差こらえてデビュー戦を飾った。注目のディアデラバンデラは、直線半ばまででそこからは伸びあぐねていた・・。

ゲート自体は総体的に皆が出た方。ヒミノオオワシが少しアオリ気味で出て行ったのと、ディアデラパンデラが行き脚がつかないのか、ブービーの位置取りとなったスタート直後の瞬間であった。外からスッと出て行くのがトップキックス。やはりマイル戦という事で、ジワっとした行きっぷりとなる。内を見ながらトップキックスが出て行った感じだった。

1ハロンぐらい行ってから、外からダローネガとサクラアクティブが前へと上がってきた。その後でダローネガは抑えて3番手。トップキックスをかわしてサクラアクティブが前へと出て行ったのが、大体3ハロンを経過したあたり。サクラアクティブが単独の逃げとなったが、2番手トップキックスの外にダローネガが並ぶ。4番手の内めにセトブリッジ、外にエピセアロームが並んで位置する。スペリオビーンがその直後で外めをディアデラバンデラが上がって行く。
まだペースは上がってこない。4コーナーまでの中間点あたりで、先頭のサクラアクティブが急にブレーキをかけた様な格好をする。物見でもしたのだろうか。まだ緩い流れで進んでいるから後ろも影響はなし。
そのまま4コーナーへと入ってくる。2番手にダローネガが並び加減に出てきて、カーヴへと入って来た。
その後ろへ上がってきているエピセアロームは、逆手前で入ってきたのか顔は進行方向へ向けて右を向き、体は左へと流れ気味な感じに見受けた。

生垣の切れ目から内回りの4コーナーあたりを過ぎるところでは、ダローネガとエピセアロームの馬体が並び加減まで来ている。終始外へ逃げ気味となっている様子のエピセアロームは、左ステッキで矯正しながら、なおかつ叱咤激励され、半馬身先に出ているダローネガを追いかけ追い抜こうとしている。

直線に入り、最初は外から追い上げて来ていたディアデラバンデラも伸びそうであった。しかし最終的にはあまり反応しなくなってきて、伸びが出ない。むしろその内めを、スペリオビーンが伸び鋭くなって前を追う態勢となる。
しかし前2頭は完全に追い合いとなっていて、後続を離してゴールを目指す。逃げるダローネガに追いかけるエピセアロームの2頭の戦いとなったが、最後の2ハロンが11.1~11.7の切れ味勝負。クビ差残したダローネガの勝ちとなったが、2着エピセアロームの伸び具合もなかなかのもの。そこから4馬身離れてスペリオビーンが3着。4着にトップキックスでセトブリッジが5着。ディアデラバンデラは7着のデビュー戦であった。

ダローネガは坂路で53秒台の仕上げ。だが実戦に行っての勝負根性はなかなかのもの。2着エピセアロームは直前の坂路で51秒5を出していたが、それをそのまま直結。いかに勝負で能力を発揮できるのか否かで決まる新馬戦。下馬評はあくまでも人の見方である。まだまだ長い新馬戦の道のりが、これからもずーっと続くの・・・だ。


日曜函館5R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.09.7

コスモメガトロン(牡2、父サクラバクシンオー・美浦・清水英厩舎)

函館の芝コースでの追い切りで好タイムで追い切ったハッピーシャワーは、実戦では行きっぷりが実に悪い。芝では時計を出していなかったコスモメガトロンが、実にいい反応を見せてのフィニッシュ。ケイコはケイコなのかも知れないが、その通りに進まないのが競馬の難しいところでもあり、新馬戦のやってみないと判らない部分なのかも知れない。
しかし、負けたパチャママ武豊Jがレース後に《勝ったあの馬は強いよ》と言っていた。
ゴール前はもうオーロラビジョンを見て後続の動きを確認して流し気味のゴールとなっていた丹内J。記念の100勝目を新馬デビュー勝ちと、嬉しさも倍だったのではと思われる。

この時期の新馬には珍しく512キロの馬体を誇るコスモメガトロンは、パドックでも堂々たる馬体をしていた。仕上がり具合はハッピーシャワーも悪くなかったのだが・・。
ダッシュを利かせて出て行ったのは最内のパチャママ。終始絡まれずに楽にトップを走って行く。2番手にも内からナムラプラトーンが出て行くが、3コーナーを回るあたりで、その外へコスモメガトロンが前をうかがう様に並び加減で行く。
4コーナー手前では、ハッピーシャワーは少し下がり気味となり、ゼロスと馬体を並ぶ4番手グループへ。カーウを回るまではパチャママの手応えも楽であったが、回りきってすぐに外からコスモメガトロンが並び、そして前へと出て行った。
1ハロンを過ぎて、完全に先頭はコスモメガトロン。ステッキを使わずにして手綱もプランとしたままで、ゴールへと向かう。
2着もそのままパチャママが残る体勢。3着には後ろからヴァップが上がって来たが、2着からはまだ2馬身も後ろ。ゼロスがその後で、ハッピーシャワーはまだまだ後ろであった。

パチャママの逃げは、前半3ハロンが34.4とそんなに速いものでもない。それを追走しながら、ハッピーシャワーはむしろ手応えが悪くなっていく。あまり行きっぷりが良くなかったゼロスの方が、4コーナーではむしろ前へと出て行く行きっぷり。あれだけの好タイムを出していながら、実戦ではそれが直結しない。
逆に勝ったコスモメガトロンは、ウッド・チップでの仕上げで、芝では時計も出していない。それでいて、最後はもう馬なりでのゴール。大型馬だけに仕上がり早とかの印象でもない。素質で勝ち上がったもの。
そしてパチャママ。水曜の芝コースでの動きが悪くないから使ったけれども、まだまだの仕上がり度合。でも実戦へ行っての結果は上々。次走は当然2歳未勝利戦だが、すぐにでも勝ち上がるものだろう。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。