専門紙・勝馬の看板TMとして一時代を築き「美浦の地獄耳」という異名が付く程の聞き屋が
築き上げた人脈を駆使し、五感とツボを刺激する自信の一頭をズバッとお届けする。
ラストに向けてもうひと花
2015/2/19(木)
2月で定年引退となる各調教師だが、この時期になると厩舎の管理馬が激走するケースをよく見かける。厩舎スタッフが一丸となって「調教師の最後にひと花咲かせたい」という思いで仕上げているのだろうと感じる。
以前には引退する鈴木康弘師についてお伝えしたが、今回は大久保洋吉師。競馬ファンにも“坂路調教”でお馴染みだが、調整から仕上げまで坂路のみで行う調教方法はこれまでになく、独自のスタイルで800勝以上を積み上げた名調教師である。性格はとても真面目で、それは仕事だけでなく、以前に一緒に回ったゴルフにも現れており“石橋を叩いて渡る”タイプ。

2月末で定年引退となる大久保洋吉調教師
また大久保洋厩舎がここまで活躍できた要因の一つは、厩舎解散まで所属し続けた吉田豊ジョッキーによるものが大きい。デビューするジョッキーは必ず厩舎に所属するが、しばらくするとフリーになる事が大半。そんな中、20年以上に渡って大久保洋厩舎に籍を置く吉田豊と大久保洋師の師弟関係の深さが窺い知れる。
調教師としての現役生活は今月28日の土曜までとなるが、勝負になりそうな馬をお送り込んできた際は「穴ズバッ」で取り上げる予定。どうぞお楽しみに。
プロフィール
古川 幸弘 - Yukihiro Furukawa
昭和41年、競馬専門紙「勝馬」に入社。35年もの間、看板トラックマンとして名を馳せた。かねてから、ラジオ日本競馬実況中継で「オッズが落ちるパドック解説」を幾度となく演出。相馬眼は独創性に溢れており、現役トラックマンの追随を許さない。専門紙を引退した後もブレーンを広げており、美浦トレセンでは地獄耳とさえ謳われる。家族同然の付き合いをしている現役関係者は数知れず、内外ともに認める美浦競馬サークルの顔である。