過去10年攻略データ

1996年に「シーサイドS」の名称で創設。第1回は函館競馬場で施行されたが、2回から札幌競馬場に場所を移し、名称も「エルムS」に改められた。レース名の「エルム」はニレ科ニレ属の植物の総称で、日本ではその中でも特にハルニレを英名(Japanese Elm)からエルムと呼んでいる。花言葉は「信頼」「高貴」。先行馬が非常に強いことで知られ、どの馬が先手を取るかの読みが重要なレースだ。
09年は新潟、13年は函館で施行

前走のレベルに注目!

[前走レース]好走馬のローテーションはバラエティに富んでいて、勝ち馬は重賞から臨む馬より特別戦から臨む馬の多く出ていて、福島の準オープン・安達太良Sから連勝を果たした馬も2頭いる。もっとも、重賞からの参戦が悪いわけではなく、馬券圏内には数多く来ており、マーキュリーCから参戦した馬は勝ち馬こそいないが、(0.1.3.3)と複勝率は50%を超えるなど、レベルの高いレースで揉まれてきた経験を発揮している。

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳0-0-0-1前走1着5-2-4-16
4歳5-1-4-11前走2着1-2-3-8
5歳4-3-4-20前走3着1-1-0-8
6歳1-3-1-34前走4着0-2-2-8
7歳0-3-0-21前走5着0-1-0-8
8歳以上0-0-1-13前走6~9着1-2-0-29
前走10着~2-0-1-22

過去10年注目データ

[年齢]過去10年、勝ち馬は4~6歳の3世代からしか出ておらず、4歳馬が、5歳馬が4勝と、この2世代が圧倒的な強さを見せている。6歳馬は1勝、2着3回、7歳馬は未勝利ながら2着が3回あるが、アベレージはガクンと下がる。また、息の長い活躍を見せる馬も多いダート路線だが、8歳以上の馬券絡みは15年に9歳で3着に粘り込んだエーシンモアオバー1頭しかいない。

[前走着順]過去10年で前走から連勝を果たした馬が5頭。前走3着以内の馬がその勢いでこのレースも多く好走している。一方、前走で掲示板を外した馬も3勝を挙げているのだが、3頭はいずれも4番人気以内。前走がレベルの高い重賞、もしくは人気を背負っていた実力馬で、年齢の若い実績馬は前走を度外視する必要もある。

[枠順]枠番別では、4枠が4勝、5枠が2勝。2着もそれぞれ2回ずつあって、中枠がアベレージが高く出ている。また、単枠となることが多い2枠も連対率、複勝率は高い。
馬番別では「4」「5」「8」が2勝。「5」「6」は2着が2回。2勝を挙げている「8」は3着も2回ある。馬券絡みがない馬番は「13」「15」の2つ。「15」は新潟で行われた09年のみ。

[脚質]先行馬が非常に強いレースとして知られ、4コーナーを先頭で回って馬券圏内を外したのは12年のエーシンモアオバーの4着ただ1度だけ。勝ち馬は全て4コーナーを5番手以内で回ってきていて、2着9頭、3着7頭と、とにかく前にいないと勝負にならない。昨年は1番人気だったミツバが後方からの競馬を強いられて3着までだった。

1番人気よりも…

過去10年間で1番人気は(2.1.4.3)と7頭が馬券絡みを果たしているが、何とも微妙な数字。連対という意味では2番人気の(4.1.0.5)の方が信頼を置ける数字を残している。6番人気以下で勝ったのは16年に7番人気で勝ったリッカルドのみ。人気薄の馬はかなり苦戦していて、敢えて狙うのならば、ハナを切れるくらいの先行力を持った5歳以下の馬。ダートの実力馬は先行力を持った馬が多く、そうした馬が結果を残しやすいレースだけに、無理な穴狙いは避けた方が無難だろう。

プラスαデータ

関東馬のアタマに魅力!?

過去10年、出走頭数が関西馬75頭に対して関東馬は48頭と関西馬の方が多く出走しているのだが、勝利数は関東馬が6勝。2~3着は関西馬の方が多く出ているが、連対率、複勝率はほぼ互角。関東馬のアタマを積極的に狙っていくのも十分アリだろう。
ジョッキーも美浦所属が6勝とリードするが、こちらは騎乗機会が美浦所属の方が多く、2着が8回ある栗東所属のジョッキーの方が連対率、複勝率で大きくリード。騎乗機会は少ないが、地方所属、短期免許の外国人ジョッキーの馬券絡みはない。

[キャリア]好走馬のキャリアは幅広く、層の厚いダートの古馬重賞でありながら、キャリア10戦以下の馬も2勝。勝ち馬の8頭が20戦以下とフレッシュな馬が勝利を挙げている。ところが、2着となると8頭がキャリア20戦以上。全体の傾向として勝ち馬はフレッシュな馬、2~3着は豊富なキャリアを持った馬が多い。

[乗り替わり]過去10年、前走と同じコンビが7勝、2着7回。出走機会は乗り替わりのコンビとほぼ同じだが、結果は同じコンビの方が良く、勝率、連対率、複勝率いずれも大きくリード。乗り替わりはマイナスと見ていいだろう。

[当該コースの騎手成績]2014年以降、札幌ダート1700mで最も多く勝っているのはC.ルメール騎手の24勝。次いでJ.モレイラ騎手の21勝。J.モレイラ騎手は勝率40%超えという圧巻の成績を残している。以下、福永騎手16勝、岩田康騎手13勝、勝浦、三浦騎手が11勝で、ここまでが2ケタ勝利。騎乗機会は少ないが、大野騎手は(2.2.1.3)と好相性を見せている。

[馬体重]勝ち馬の最少体重は18年ハイランドピークの458キロ、最高体重は15年ジュベルムーサの562キロ。パワーに勝る大型馬が活躍する傾向にあるダート戦でもあり、このレースも大型馬が多く好走している。

[種牡馬]過去10年で、複数の勝鞍がある種牡馬は12年、14年と2勝を挙げているローマンレジェンドの父・スペシャルウィークと09年マチカネニホンバレ、11年ランフォルセを送り出しているシンボリクリスエスの2頭。ただし、近年のシンボリクリスエス産駒は人気以下が続いている。その他ではワイルドラッシュ、カネヒキリ、ゴールドアリュール、マンハッタンカフェ、アドマイヤボス、Giant's Causewayが複数回の馬券絡みを果たしている。リピーターが多いレースではあるが、これらの産駒には注意を払いたい。

データの決断

先行馬、特に逃げ馬が非常に強いレースで、初ダートのマルターズアポジー、オープン特別を連勝中リアンヴェリテの先手争いが見ものだが、今年に関しては乱ペースとなる不安も…。そこで、それらを好位で見て運べそうなテーオーエナジーをプッシュしたい。年齢、キャリアも過去の好走ゾーンに位置し、人気の盲点となりやすい若い実績馬でもある。近2走を度外視して狙ってみる価値は十分ある!