1950年に創設。創設当初は2500mで行われていたが、1959年から2300mに、1962年から2000mに変更され、1984年より秋の天皇賞が2000mに短縮されたことに伴い現在の1800mに変更されている。勝ち馬には時代を彩った名馬が並び、オグリキャップとイナリワンが死闘を演じた1989年やサイレンススズカがエルコンドルパサー、グラスワンダーをまるで問題にしなかった1998年は今なお名勝負として語り継がれている。秋の天皇賞、マイルCSを占う重要な一戦をデータから占いたい。

秋初戦の馬を狙い撃て！

［前走レース］まず目立つのが3勝を挙げているエプソムC組。一見、格下と思われそうだが、15年エイシンヒカリ、16年ルージュバックが連勝。11年ダークシャドウを含め勝った3頭は全てエプソムCからの連勝で1番人気に支持されていた。
傾向としてハッキリと見えるのは、夏場使い込んできた馬よりも、夏場を休養に充てた馬が圧倒的に強いということ。3歳馬がダービー、NHKマイルCのあと、ここから始動というパターンは要注意。

過去10年注目データ

［年齢］秋の天皇賞を前にした重要な前哨戦。過去10年では4歳馬が4勝、3歳、5歳馬がそれぞれ2勝、6歳馬と8歳馬が1勝と5世代から勝ち馬が出ている。アベレージでは3歳と4歳が優秀。中でも3歳馬は17頭と決して多くない出走頭数で6頭が連対圏突入を果たしている。

［前走着順］前走から連勝を果たした馬は4頭で、うち3頭はエプソムCからの連勝。アベレージからも前走勝っているというのは大きなアドバンテージになる。
前走6着以下から馬券圏内に入った馬が10頭いて、度々波乱を演出している。その多くの馬は1800mで好走実績を持っていた。

［枠順］勝ち馬が出ていない枠は1枠、3枠、5枠。連対がないのは1枠と5枠だが、1枠は3着が2回、5枠も3着は2回ある。
馬番別では、馬券絡みなしが「11」と「14」から「16」。少頭数になる年も多く、複勝率では「6」～「8」が高くなっている。

［脚質］4角先頭から逃げ切ったのは15年のエイシンヒカリと18年アエロリットの2頭。さらに2着が2頭、3着が1頭と逃げ馬が健闘。開幕週という事もあるのか、比較的前のポジションにいた馬が好走している。速い上がりが求められるレースで、脚質を問わず瞬発力のある馬はマークしておきたい。

イメージほど堅くはない！

1番人気は(5.1.0.4)で、信頼度はマズマズといったところ。名勝負も多い伝統のG2戦だが、イメージほど堅くなく、2～3番人気がやや不振で波乱も多い。
2ケタ人気は勝ちこそないが、2着2回、3着2回とたびたび上位に食い込み、穴党も思い切って一発を狙っていける。

アベレージは関西の人馬がリード！

過去10年、関西馬が6勝、関東馬が4勝。2着は関西馬が7回、3着は関東馬が6回と踏ん張っているが、勝率、連対率、複勝率いずれも関西馬がリードしている。
ジョッキーの方も栗東所属が7勝を挙げ、騎乗回数が少ない分、アベレージは大きくリード。関東馬＆栗東所属のジョッキーで好走のパターンも多い。

［キャリア］3歳馬の活躍もあって、浅いキャリアのアベレージが高い。実に過去10年のうち5頭がキャリア10戦以内で、近年はフレッシュな馬が活躍している。
とはいえ、歴戦の猛者も健在を示しており、出走頭数が多い分、アベレージは目立たなくなっているが、30戦以内であればキャリアはあまり気にしなくていいだろう。

［乗り替わり］過去10年、乗り替わりとなった馬が1～3着それぞれ6回、前走と同じコンビが1～3着それぞれ4回。秋のG1路線を占う一戦で、ここから新コンビという馬も多いが、乗り替わりでも、かつて騎乗したことがあるジョッキーで好走というパターンも多く、乗り替わりはあまり気にしなくて良さそうだ。

［当該コースの騎手成績］2014年以降、この東京芝1800mで最も多くの勝鞍を挙げているのは、戸崎騎手の43勝。騎乗機会が2倍あるとはいえ、C.ルメール騎手の27勝を大きく上回っている。もちろんアベレージではC.ルメール騎手が圧倒。勝鞍では北村宏騎手が21勝、横山典騎手が18勝、M.デムーロ騎手が16勝、蛯名騎手が15勝、田辺、大野騎手が12勝、柴田大、内田博、武豊騎手が10勝と続き、M.デムーロ騎手の勝率、連対率はC.ルメール騎手を凌ぐ。

［馬体重］勝ち馬の最高体重は10年アリゼオの520キロ。最少体重は17年ルージュバックの454キロ。ここ2年は500キロを超える大型馬が2頭ずつ馬券絡みを果たしている。やや大柄な馬が活躍している傾向にあるが、20キロ刻みで着別度数を見ていくと、複勝率のアベレージはほぼ均等。馬格は気にしなくて良さそうだ。

［種牡馬］過去10年で複数の勝ち馬を出している種牡馬は、ディープインパクトのみで、17年は1～3着を独占。人気薄もたびたび上位に食い込んでいる。ただし、出走頭数も多く、エイシンヒカリが勝った15年は出走13頭のうち、実に10頭がディープインパクト産駒で、掴みどころが難しい。
その他で複数回馬券に絡んだ種牡馬はダンスインザダーク、ハーツクライの2頭しかおらず、好走種牡馬はバラエティに富んでいる。