毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【秋華賞】アーモンドアイ3冠に暗雲!?
2018/10/8(月)
1996年にエリザベス女王杯が古馬に解放されたことに伴い創設された3歳牝馬限定のG1競走で、3歳牝馬3冠の最終戦。スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナが牝馬3冠を達成し、他にもファレノプシス、テイエムオーシャン、ダイワスカーレットが桜花賞と、メジロドーベル、カワカミプリンセス、メイショウマンボ、ミッキークイーンがオークスとの2冠を達成している。時代を彩った名牝が勝ち馬に名を連ねているが、内回りでゴチャつきやすい淀の2000mで2008年には3連単の払戻が1000万円を超える大波乱も起きている。今年はオークス以来のぶっつけとなるアーモンドアイが牝馬3冠に挑む注目の一戦をデータで紐解きたい。
春からのぶっつけは大苦戦!
[前走レース]数の上では過去10年で6勝、2着8回、3着5回のローズS組だが、それを超える勢いがあるのが、重賞に格上げされた紫苑S組。オープン特別時代は好タイムで勝った馬も本番ではまるで歯が立たなかったが、16年より重賞に格上げされメンバーレベルがグンとアップ。いきなりヴィブロスとパールコードがワン・ツー・フィニッシュを決め、昨年はディアドラが連勝でG1ホースへ上り詰めた。ただ、今年は1着のノームコア、2着のマウレアがともに出走せず、どういった成績を残すか注目される。
オークスからのぶっつけは10頭いて最高が6着。重賞好走馬であっても、ものの見事に着外に敗れている。かつてファビラスラフイン、カワカミプリンセスがぶっつけでこのレースを制しているが、ともに関西馬。桜花賞ではジンクスを破ったアーモンドアイだが3冠最終関門は果たして…。
過去10年注目データ
[前走着順]前走着順はかなり重要で、勝ち馬は9頭が4着以内。できれば連対を果たしておきたいところ。前走で掲示板を外した馬はかなりハードルが高くなる。前走2ケタ着順から馬券に絡んだ3頭はいずれも重賞で連対もしくはオープン特別を勝っていた。また、前走4着で巻き返した10年アパパネ、13年メイショウマンボはどちらもオークスを勝っていた。
[枠順]枠番別では1、5、6枠から勝ち馬が出ていないが、1枠は2着馬が4頭。2枠と8枠がアベレージでやや苦戦している。
馬番別では「1」の(0.4.0.6)と「4」の(2.1.2.5)が目立つ数字。馬券絡みがないのは「8」「11」「17」の3つ。強いて挙げれば中枠の複勝率がやや低めに出ている。
[脚質]内回りの小回りコースで直線が短いため、先行有利のイメージもあるだろうが、この大一番では先行勢が速い流れに巻き込まれて差し馬の餌食になっている。4角先頭で馬券圏内に残ったのは08年3着のプロヴィナージュのみ。好位から中団で瞬発力を生かした競馬ができる馬をチェックしたい。
前が苦しくなって差しが利くレースではあるのだが、直線一気で差し切るのは至難の業で、4角10番手以下で勝った馬はゼロ。人気馬の取りこぼしも見られる。
実績馬の軽視は禁物
近況好調な馬が強いレースとあって、1番人気3勝、2番人気2勝、3番人気が4勝と9頭が3番人気以内。それ以下の人気で勝ったのは大波乱となった08年のブラックエンブレムのみ。単系の軸に極端な人気薄を据えるのは得策ではない。
穴のキモは重賞やオープン特別で好走歴があるのに人気の盲点となっている馬で、ローズSで権利を獲りながら本番も人気薄で好走というパターンも見られる。実績馬を軽視するのは危険。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-1-2-4 | 30.0% | 40.0% | 60.0% |
2番人気 | 2-2-1-5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
3番人気 | 4-1-0-5 | 40.0% | 50.0% | 50.0% |
4番人気 | 0-2-1-7 | 0.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 0-1-1-8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
6~9番人気 | 0-3-3-34 | 0.0% | 7.5% | 15.0% |
10番人気~ | 1-0-2-86 | 1.1% | 1.1% | 3.4% |
東から3冠馬も出ているが…
東西の比較では関西馬が8勝、2着8回、3着7回と完全に西高東低。10年にアパパネが3冠馬となり1~3着を関東馬が独占した年もあったが、アパパネを除くと4度の1番人気で3、2、10、7着と勝ち切れておらず、地元の分厚い壁に阻まれている。アーモンドアイを出走させる国枝厩舎は3冠馬アパパネを輩出しているが、その経験を生かすことができるか見ものとなる。
ジョッキーも美浦所属は苦戦していて、連対はわずか3名。圧倒的に優勢な関西馬とのコンビでも厳しい結果となっている。
[キャリア]本番までキャリア8戦の馬が過去10年で4勝。次いで5戦、6戦が2勝。昨年の勝ち馬ディアドラは実に14戦目での勝利だったが、これはかなりのレアケース。過去の傾向からは9戦以上になると連対率が急降下する。
勝ちはないが、キャリア4戦の馬が(0.1.1.4)と上々のアベレージ。少ないキャリアと勢いを持ってここへ挑む馬は要注意。
[乗り替わり]過去10年、乗り替わりで勝ったのは3頭。そのうち14年のショウナンパンドラは以前にコンビを組んだ経験があった。他の2頭は岩田、C.ルメールとコースを熟知した名手で、テン乗りは割引と考えたい。
[当該コースの騎手成績]2013年以降に行われた京都芝2000mで最も多くの勝鞍を挙げているジョッキーは川田騎手で25勝。騎乗回数が多いこともあるが、勝鞍の数は頭一つ抜けている。2位はC.ルメール騎手と武豊騎手の19勝。3位は福永騎手の18勝で岩田騎手15勝、M.デムーロ騎手12勝と続く。ちなみに岩田騎手は、秋華賞で過去10年9回騎乗して3勝、2着1回と相性が非常にいい。
[馬体重]勝ち馬は幅広いレンジから出ているが、過去10年で480キロ以上の馬が5勝と比較的馬格に恵まれた馬が活躍している。過度に気にする必要はないが、馬格のある馬は一応警戒しておきたい。
[種牡馬]瞬発力に長けた馬が活躍しているイメージ通り、ディープインパクト産駒が4勝。信用できる種牡馬には違いないのだが、一昨年のビッシュが1番人気10着、昨年のファンディーナが2番人気で13着と2年連続で人気馬が崩れているのは気になる材料だ。
複数の馬券絡みを出している種牡馬はマンハッタンカフェ、キングカメハメハ、ジャングルポケット、ハービンジャー、ハーツクライ。昨年はハービンジャー産駒が1着と3着に入り、追って確かな脚を使える種牡馬が活躍している。
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