毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【京都金杯】1番人気・ハンデ頭は危険!
2018/12/28(金)
1963年に「迎春賞」の名称で創設。1966年より「金盃」、1970年より「金杯」となり、1996年より東西の区別を明確にするため現在の名称となっている。1966年から1980年までは別定戦で行われていたが、1981年より創設当初のハンデキャップ競走に戻り、2000年に創設以来変わらなかった距離が1600mに短縮され、その年のマイル路線を占う重要度を増している。西の新年最初の重賞をデータで紐解きたい。
マイルCS組は怪しい!?
[前走レース]過去10年2勝しているのが、キャピタルSとリゲルSのオープン特別から参戦した組。マイルCSは(1.3.1.15)と上位馬を5頭を送り出しているが、数が多いためアベレージは低く出ているのと、1番人気に支持された馬が2回着外に消えているのは気になる材料。強豪に揉まれてきた実績は一目置かなければならないが、昨年も2着クルーガー、4着ダノンメジャーと上位へは来たが勝ち切れず、過信は禁物だ。
過去10年注目データ
[年齢]勝ち馬は4歳から6歳までの3世代。中でも6歳馬は5勝と強さを発揮して昨年はワン・ツー・フィニッシュ。4歳馬も3勝を挙げ、16年はワン・ツーを決めている。昨年は下位に沈んだが、ベテランの伏兵が好配当を演出していて、5歳馬と7歳馬の複勝率はほとんど変わらない。
[前走着順]前走から連勝を果たした馬はわずか2頭。前走3着以内に広げても4頭と前走からの勢いはあまり問わない。穴党必見のデータは前走5着以下に敗れていた馬が数多く巻き返していることだが、確たる共通点はなく、掴み所がないのが難点だ。
[枠順]枠番別ではハッキリと内有利の傾向が出ていて、9頭が4枠より内の枠から勝ち上がっているのだが、昨年は過去10年で馬券絡みがゼロだった6枠が勝利。流れが変わってくるか見もの。
馬番別では「11」「12」「15」「17」「18」の外枠が馬券絡みなし。外枠は割り引いて考えたい。
[脚質]好走馬の脚質はバラエティに富んでいて、過去10年で4角先頭から押し切った馬が2頭いる一方で、10番手以下から差し切りが1頭、2着が4頭。ただし、後方からの馬は人気どころの取りこぼしも多く、追い込み脚質の人気馬がいるレースは前残りで好配当を狙うのも一つの手といえる。
1番人気のハンデ頭は危険!
1番人気はわずか2勝。2着2回、3着1回と複勝率は5割あるものの、逆にいえば半数は馬券圏外に消えているということ。馬券圏外に消えた馬の多くはハンデ頭。斤量を背負っている1番人気は少し疑ってかかった方がいいかも。5番人気以下は5勝で、そのうち6~9番人気は3勝、2着2回、3着3回と数多く馬券に絡んでいる。、多くが2走以内に好走がありながら、人気を落としているケース。近走の成績には注意を払いたい。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 2-2-1-5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
2番人気 | 0-1-2-7 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
3番人気 | 2-3-0-5 | 20.0% | 50.0% | 50.0% |
4番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 2-0-2-6 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
6~9番人気 | 3-2-3-32 | 7.5% | 12.5% | 20.0% |
10番人気~ | 0-1-2-68 | 0.0% | 1.4% | 4.2% |
関東馬には厚い壁
東西の所属別では出走回数がおよそ5倍ある関西馬が圧倒的に優勢で、過去10年では9勝、2着9回、3着8回と関東馬を圧倒。16年は5頭が西下してきたが、厚い関西の壁に跳ね返された。
ジョッキーも西高東低となっているのだが、騎乗機会が18回と非常に少ない中で2勝はむしろ上々の数字。新年初日に遠征してくるジョッキーは、やはりそれなりの手応えを持って遠征に出ていることがデータでも現れている。
[キャリア]キャリア10戦以下のフレッシュな馬から31戦を超えるベテランまで幅広いキャリアの馬が活躍。10戦以下と31戦以上はややアベレージが落ちるが、中山金杯ではやや苦戦していた31戦以上の馬も5頭が馬券絡みを果たすなど、キャリアはあまり問わない。31戦以上の好走馬で共通するのは、前2走以内にオープン特別勝ち、もしくは重賞2着の実績があった。
[乗り替わり]乗り替わりの機会が多いレースで、着別度数を見ても、乗り替わりの方が勝利数、2着でリード。ただし、アベレージで見ると乗り替わりのコンビが少しリードしているが大差はなく、乗り替わりはあまり気にしなくてもいいだろう。
[当該コースの騎手成績]2014年以降に行われた京都外回り1600mの重賞、オープン特別で最も多く勝っているのは武豊騎手の5勝。福永、浜中騎手が4勝、M.デムーロ騎手が3勝、C.ルメール、岩田、川田、池添、川須、R.ムーア騎手が2勝で続く。この中ではM.デムーロ騎手が16回と多くはない騎乗機会で(3.4.1.8)と半数で馬券絡み。福永騎手は複勝率56.5%で、その回収率が116%にのぼる。
[馬体重]中山金杯に比べると馬場が軽い京都の方は平均体重では軽めに出ていて、500キロを超える馬のアベレージは少し落ちる。京都金杯では過去10年520キロ以上の馬券絡みは昨年2着のクルーガーのみ。馬格は気にしなくていいだろう。
[種牡馬]種牡馬でまず目を引くのがディープインパクトで、庭ともいえるコースで2勝、2着3回、3着1回はさすがの数字。これは必ずチェックしておきたい。その他では3年連続馬券絡みを果たしているキングカメハメハ、勝ち馬こそ出ていないが(0.1.3.4)と半数が馬券に絡んでいるマンハッタンカフェも好相性だ。
データ的に掴みどころがなく、前走大敗からでも巻き返しができるレース。今年は過去10年で5勝を挙げている6歳馬からリライアブルエースの前進に期待したい。8月の関屋記念以来の休み明けとなるが、久々の馬も実績を残しているレースで、父・ディープインパクトというのも心強い味方。重賞初Vを決めて、今年は堂々マイルG1路線に名乗りを上げる。