毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【日経新春杯】4歳馬が勢いに乗って…
2019/1/6(日)
1954年に「日本経済新春杯」として創設。1979年に現在の「日経新春杯」と改称された。負担重量は創設から1980年までハンデキャップ競走として行われ、81年から93年まで別定。94年から再びハンデキャップ競走となった。また、距離は2400mでスタートし、1987年から94年まで2200m。その後再び2400mに戻されている。関西のオールドファンにはテンポイントの最後のレースとして知られている伝統のハンデ戦をデータで検証したい。
大舞台の経験が生きる
[前走レース]有馬記念、菊花賞とG1の大舞台を経験している馬が強さを発揮しているが、それに並ぶ2勝を挙げているのが牝馬限定重賞の愛知杯。のべ8頭で4回の馬券絡みは無視出来ない実績。また、ハンデ戦ということもあってか、条件クラスからの昇級戦、格上挑戦での馬券絡みも度々見られる。
過去10年注目データ
[年齢]勝ち馬は4歳から6歳までの3世代。4歳馬が圧倒的に強く、年齢を重ねる毎に信頼度が下がり、7歳以上は過去10年で1頭も馬券絡みを果たした馬がおらず、大きく割り引き。もっとも近年は高齢馬の活躍も増えており、逆に狙ってみるのも面白いかもしれない。
[前走着順]過去10年で前走から連勝を果たしたのは13年のカポーティスターと昨年のパフォーマプロミスのわずか2頭。カポーティスターは1000万特別を勝ったばかりの格上挑戦で10番人気の伏兵、パフォーマプロミスは1番人気での勝利だったが、オープン初戦で重賞初挑戦と、ある意味、底を見せていない素質馬だった。2着馬は過去10年で9頭が前走3着以内だったが、勝ち馬と3着馬は半数が前走4着以下。前走6着以下からの巻き返しも多く、その場合はレースの格、実績に要注意。G1、G2好走馬は軽視禁物だ。
[枠順]過去10年で1枠が3勝。勝ち馬の出現率でいうと、やや内が有利なのだが、2~3着馬は外からも出ていて、7枠は2着1回、3着が実に4回。あまり枠にこだわらなくてもいい。
馬番別で馬券絡みがないのは「13」より外の6つ。少頭数が多いレースで、強いていうなら多頭数の外枠はやや割引。
[脚質]2400mの外回りコースで行われている伝統の一戦だが、逃げ馬から追い込み馬まで脚質はバラエティに富んでいて、過去10年で4角先頭から押し切った馬が2頭いる。あまり脚質にとらわれなくてもいいが、ある程度前で競馬が出きる馬が安定して好成績を残しているのはチェックしておきたい。
1番人気は取りこぼしも…
過去10年で勝ち馬7頭が2番人気以内。2着馬は9頭が4番人気以内とハンデ戦でありながら、人気馬が強いレース。とはいうものの、1番人気は3勝と取りこぼしも多く、過去10年で2ケタ人気が2頭波乱の主役となっている。1番人気は複系馬券の軸としては高い信頼度を誇るが、意外な落とし穴もある。穴党にとっては一発を狙えるレースといえるが、ある程度は人気どころを押さえておきたい。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-4-1-2 | 30.0% | 70.0% | 80.0% |
2番人気 | 4-1-0-5 | 40.0% | 50.0% | 50.0% |
3番人気 | 0-3-0-7 | 0.0% | 30.0% | 30.0% |
4番人気 | 0-1-5-4 | 0.0% | 10.0% | 60.0% |
5番人気 | 0-0-0-10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6~9番人気 | 1-0-3-36 | 2.5% | 2.5% | 10.0% |
10番人気~ | 2-1-1-47 | 3.9% | 5.9% | 7.8% |
関西馬の壁が厚い
過去10年の連対馬は全て関西馬で、関東馬は3着が2回。出走回数が少ないとはいえ、関西馬の壁は非常に高く、分厚い。ジョッキーも美浦所属は2着2回、3着が1回。こちらも栗東所属が圧倒的に強い。近年そこに割って入っているのが外国人ジョッキーで、U.リスポリ、W.ビュイック、V.シュミノーと、まだ馴染みの薄い外国人ジョッキーが奮闘しているのは頭に入れておきたい。
[キャリア]年が明けたばかりのレース、さらに4歳馬が強いこともあって、キャリア10戦以下の馬が5勝というのは出色の数字。故障などでブランクがあった素質馬がここで花開かせるというパターンが多い。キャリア20戦以上はアベレージが下がってくるのだが、ここで馬券に絡んだ7頭のうち、4頭が牝馬でフーラブライドは2度の馬券絡み。コース巧者のベテラン牝馬は注意を払いたい。
[乗り替わり]過去10年、前走から乗り替わった馬が4勝、2着3回、3着は6回と数多く馬券に絡んでいるが、乗り替わりの機会が多く、アベレージは高くない。乗り替わりで勝った4人はC.ルメール、M.デムーロ、U.リスポリと3人が外国人。残る1人は13年10番人気カポーティスターの高倉騎手だが、過去に1度騎乗して、その時に初勝利を挙げていた。
[当該コースの騎手成績]2014年以降に行われた京都芝2400mで最も多い勝鞍を挙げているのは武豊、川田騎手の9勝。C.ルメール騎手が8勝、松山騎手が6勝、M.デムーロ騎手が5勝、以下、4勝で岩田、福永、3勝で和田竜、小牧太、藤岡佑騎手と続く。武豊、川田騎手は9勝という勝鞍の数もさることながら、ともに単勝回収率が150%オーバーと美味しい存在になっている。
[馬体重]昨年は452キロのパフォーマプロミスが勝って、これが連対馬の最少馬体重。14年には542キロのトゥザグローリーが勝っていて、500キロ以上の馬が4勝。どちらかというと馬格がある方が好成績を残しているが、過度に気する必要はないだろう。
[種牡馬]近年、圧倒的な強さを誇っているのがキングカメハメハ産駒で、過去10年、のべ12頭の出走で4勝、3着1回。昨年はミッキーロケットが4着と着外に沈んだが、10歳のヒットザターゲットが10番人気で差のない6着と健闘。16年は1頭、17年も2頭しか出走していない中で連覇を果たしている。
馬券絡みの数でいうと、勝ち馬はいないが、マンハッタンカフェ産駒が2着3回、3着2回、ゴールドアリュール産駒が2着、3着それぞれ2回。ハーツクライはのべ5頭で(1.1.0.3)。5頭全てが掲示板に載る好走を見せている。
春の天皇賞を見据えて面白いメンバーとなりそうな一戦。データからプッシュしたいのは、明け4歳の関西馬・メイショウテッコン。菊花賞こそ崩れたが、京都コースで2勝を挙げ、1年前には今回コンビを組む予定の武豊騎手で京都の芝2400mを勝っている。圧倒的に4歳馬が強いレースで、血統、脚質等も好データが揃っている。ここは反撃必至と見たい。