レース史上に残る難解な一戦となりそうな函館記念(G3、函館芝2000m)

さらに予想を悩ませているのが例年の最終週から、開催3週目になったことの影響でしょう。特に今年の函館は開幕週からレコードが続出。中央の競馬場と比べて力を要す洋芝とは思えない速い時計の決着が目立つだけに、高速馬場への適性もカギを握りそうです。

しかし、こんなレースこそ「三ツ星穴馬」の出番。22年1着ハヤヤッコ(7人気)、24年2着グランディア(5人気)をズバリ仕留めた腕利き研究員の見解にご期待ください!

本命じゃない。でも、美味い。

函館記念・推奨穴馬


アウスヴァール

📝 推奨理由

過去の傾向や成績を度外視して、是非推奨したいのがアウスヴァールだ。

昨年の函館記念では単勝58.3倍(14番人気)の低評価で3着に激走。ところが直近は4戦続けて2ケタ着順に敗退。特に前走の都大路Sでは勝ったセキトバイーストから4秒8もの大差を付けられタイムオーバー。1ヶ月の出走停止処分を食らってしまった。

しかし、都大路Sは逃げ馬のアウスヴァールにとって最悪の展開。芝1800mで前半3ハロン通過33秒9という芝1200m並みの猛烈ラップを刻みハナを奪うも、息を入れようとした途端、連続開催で各馬が避けていた内からケイアイセナが交わしてきたのだ。

これにはアウスヴァールに騎乗した古川吉騎手は「マジかっ!?」と、思わず馬上で後ろを振り返ったほど。ケイアイセナも好走するには逃げが絶対条件のタイプとはいえ、結果的に同型馬の共倒れとなってしまった。

芝の中距離戦でスプリント戦に匹敵する流れになれば、掲示板を差し追い込み馬が独占するのは自明の理。この結果から都大路Sで前に行って敗れた馬は、着順度外視で抑えておく価値はある。

アウスヴァールは昨年の函館記念や10番人気で2着に粘り込んだオールカマーなど、マイペースで運んだ時の渋太さは折り紙付き。単騎逃げ濃厚の今回は24年の再現があっても驚けない。

ちなみに函館記念でリピータと言えば20年3着馬で、翌21年に12番人気で3着に激走したバイオスパークの好走例がある。また前走5秒近い着差からの巻き返しも、22年に当欄で推奨して7番人気で勝利したハヤヤッコ(前走4秒9差15着)の前例あり。

前走の大敗で完全にノーマークとなるであろう今回、まさに“死んだふり”からの激走に賭けてみる価値はあるのではないか。

📌 総評

今年の函館記念は洋芝では異例の「高速馬場」、ハンデ戦の「斤量差」、JRA全10競馬場で最も直線が短い「函館コース適性」の3つが鍵を握る、非常に難解ながら馬券的妙味の大きいレースです。これらの要素を味方につけた馬が波乱の立役者となりそうです。