牝馬限定戦らしく毎年のように人気薄が激走するなど、ひと筋縄では行かないクイーンステークス(G3、札幌芝1800m)

時期的な関係もあり有力馬は秋を見据えたステップレースという側面が強く、過去10年で1番人気馬の成績が[3-3-1-3]複勝率70%と一見安定している反面、“取りこぼし”が目立つ要因となっています。

これは実績で見劣る人気薄にも、激走の下地がある裏返し。当コーナーのコンセプトである“美味い穴馬”を出現しやすいレースと言えるでしょう。今回狙うのは、まさに実績馬たちの取りこぼしを突く、絶好の条件が揃った激走候補です!

本命じゃない。でも、美味い。

クイーンS・推奨穴馬


14 フィールシンパシー

📝 推奨理由

クイーンSの知られざる穴パターンが「6歳馬」。2015年1着メイショウスザンナ(7人気)、16年1着マコトブリジャール(9人気)などの激走例があり、3頭しか該当馬がいなかった22年には2着サトノセシル(8人気)、3着ローザノワール(3人気)が揃って好走している。

また23年には7番人気イズジョーノキセキが57キロ(牡馬換算で59キロ)の酷量を背負い、3着と0秒2差5着とアワヤのシーン。ちなみに同馬は22年の有馬記念で繁殖入りの予定が4着に入ったことで引退を撤回。1年現役生活を延長しているのは要チェックだろう。

多くの場合、牝馬は長くても6歳春で繁殖入りするケースが目立つ。ノーザンF系列クラブなどは規約に、「牝馬は6歳の3月末までに引退」と定めているところも少なくない。

しかし、一部のクラブでは「競走成績などを考慮して……」という例外規定もある。また個人オーナーの所有馬はこの限りではなく、イズジョーノキセキのように馬主の意向で現役続行となるケースも稀にある。ここがポイントだ。

冒頭で馬名を挙げた15年1着メイショウスザンナは、14年暮れのターコイズSで3着に好走。16年1着マコトブリジャールも15年11月のカシオペアSを単勝60.6倍で3着に激走している。

そして2頭とも現役続行となった6歳4月の福島牝馬Sで激走。メイショウスザンナは13番人気で3着、マコトブリジャールは15番人気で勝利していた。

今年のクイーンSに出走する6歳牝馬で、この2頭と戦績が被るのがフィールシンパシーだ。前々走の福島牝馬Sでは8番人気で3着、24年2着に続いてクイーンSと同じ芝1800mの牝馬限定重賞で好走したのは見逃せない。

しかも前走は実績が乏しい東京の府中牝馬Sで14着。15年1着メイショウスザンナも府中牝馬Sの前身であるマーメイドSに使い、2ケタ着順大敗からの巻き返しだった。

参考までにメイショウスザンナはフラワーC2着など、福島牝馬S3着を含め右回りの芝1800m重賞で複数回の好走歴があった。それでも6歳の年齢と直近の成績により人気にならず、当コーナーのコンセプトである“美味い穴馬”となっていたのは要チェックだろう。

前走の大敗で世間の評価が下がる今回こそ、まさに絶好の狙い目。過去の穴馬たちと同じ道を歩むこの馬が、高配当をもたらしてくれるのではないか。

📌 総評

クイーンSは直線の短い札幌のコース形態が色濃く反映されるレースです。好走するには「コースをロスなく立ち回れる器用さがあるか」が最大の鍵となります。

同じく右回りの芝1800mで行われる中山牝馬S、福島牝馬Sなどで上位に食い込んだ馬に注目して下さい。