
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【シルクロードS】思い出タップリの重賞でレジェンドが狙う穴馬ナンバーワン!
2025/2/1(土)
当週 美浦ウッド(良) | ||||||
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82.2 | 66.0 | 51.5 | 37.5 | 11.9 | 馬なり |
今週の予想はシルクロードSで行こうか。僕、このレースを管理馬で勝ったことがあるんだよ。
若いファンの方は覚えていないかもしれないね。もう24年前の話さ。管理していたトロットスターで勝ってね。この馬はその後、高松宮記念とスプリンターズSを勝ったこともあって、思い入れのある馬なんだ。
トロットスターのエピソードも紹介しようか。この馬は生産者である三好ファームのオーナーと親交があったから頼まれた馬で、母馬は子育てが下手だった(笑)
やや愛情不足で育った感じがあったんだけれど、逆にそれが良かったのかもしれない。高松宮記念でブラックホークと接戦になった時、ブラックホークに乗っていたノリ(横山典弘騎手)のムチが当たってね。そうしたら逆にノリに噛みつきに行ったんだ(笑)
短距離馬っておおよそ体も大きくて筋骨隆々というイメージを持たれそうだけれど、この馬は身体は小さくてもゴムまりのような馬だった。懐かしいなぁ。
昔話はこれくらいにして、本題に入ろうか(笑)
シルクロードSのナンバーワンはセントメモリーズ。この馬、現在3連勝中なんだね。そんな勢いを感じる動きだったよ。
1週前に強めに追ったことで気が入ったのかな。今週は相手に合わせる形だったけれど、実に軽快でいいフットワークだった。斎藤誠厩舎は今年ここまで7勝でリーディングと好調だし、楽しみだね。
2番手評価はスリーアイランド。坂路はチップの跳ね上がりが一つのポイントでもあるんだ。跳ね上がるほど蹴りが強い証拠で、状態のバロメーターでもあるんだけれど、スリーアイランドの跳ね上がりは凄かった。これはかなり状態が良さそうだよ。
ソンシも引き続き順調に来ているようだね。こちらも坂路で豪快に駆け上がってきた。推進力があって凄くイイ動きだったなぁ。
最後にメイショウソラフネを挙げておこう。時計以上に伸びのある動きで、前走より明らかに良くなっているね。気性的にムラなところがあるけれど、状態はいいと思うよ。

オウケンボルト
前走は2番手の競馬でも頑張っていたけれど、持ち味が一番生きるのは逃げた時だろう。同型も少なく10頭立てなら、マイペースで逃げればチャンス十分。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。