
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【フローラS】皐月賞は推奨4頭が1~4着!レジェンド・中野栄治元調教師の今週の狙いは…
2025/4/26(土)
当週 美浦坂路(重) | ||||||
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54.4 | 40.1 | 25.8 | 12.5 | 馬なり |
先週の皐月賞。順番はちょっと違ったけれど、取り上げた4頭で1~4着を独占という結果だった。見応えのあるレースだったね!
今さらながらモレイラ騎手は最高の乗り方だった。道中で不利のあった馬が多い中、この馬も不利はあったけれど、それを最小限に抑えられるのだからもはや別次元だよ(笑)
ダービーに向けておおよその序列ができあがったかな。2着のクロワデュノール、3着のマスカレードポールもダービーでは有力となりそうだ。
あともう一つ触れるとすると、杉原くんのファウストラーゼン。実はこの馬が一番強いんじゃないかと思っていたんだ。ただ、同時にこれまでと同じ戦法をとったら厳しいだろうなと思っていた。実際そうなってしまったね。
皐月賞はそんなに甘くはない。逆にハナを切るか、4、5番手で折り合う競馬をすれば突き抜ける可能性もあると見ていたんだけどな。
杉原くんも個人的には上手いジョッキーだと思っているので、あとは考え方ひとつだよね。さすがにダービーで同じことはしないと思うけど、好位で競馬ができるのなら、ダービーでも面白い存在になると思うなぁ。ちょっと覚えておいてね!
また前置きが長くなってしまった(笑)。今週、フローラSのナンバーワンはエストゥペンダ。これは三浦君が付きっきりで追い切りを付けているけど、それだけ惚れ込んでいるんだろう。
1週前のウッドでは過去一番の時計を出していたし、今週も回転の利いた走りで状態はかなり良さそうだよ。桜花賞ではクイーンCの勝ち馬エンブロイダリーが勝って、2着のマピュースが4着。クイーンC3着のこの馬も何とか権利を獲って、オークスに出てもらいたいものだね。
次はカムニャック。1週前はシュタルケ騎手自らが跨っていたけれど、感触を掴むような感じで推進力もあったし、良い追い切りができていた。だから遅れも心配無いし、実戦で見せる難しさも見せなかった。このまま本番を迎えれば楽しみな存在だと思うな。
あと、ルクスジニアは連勝中の勢いを感じたなぁ。1週前も今週も、追い切りではちょっと気合を付けただけで鋭く伸びていたんだ。馬が走りたくてたまらない印象だよ。かといってテンションが上がっているわけではないので、あとは力関係だけだね。
最後にゴーソーファー。これは実戦向きで追い切りでは目立たない馬だ。今回は集中していて良い追い切りができたと思うよ。素質は高い馬なので、集中力を保てれば実戦でもチャンスは十分あると思う。

アスクムービーオン
地方から転厩後まだ見せ場を作れていないけれど、2走前は最後距離を感じさせる止まり方だった。ライバルは初ダートだったり後ろからだったりする今回、マイペースで行ければ面白いんじゃないかな。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。