
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【関屋記念】夏競馬も絶好調!夏の新潟の浜辺で伝説を残した中野栄治元調教師の狙いは…
2025/7/26(土)
当週 栗東ウッド(良) | ||||||
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82.3 | 66.1 | 51.7 | 36.8 | 11.6 | 一杯 |
今週から開催も替わって、いよいよ夏競馬本番だ。それに伴い暑さ対策として、昨年から始まった変則時間での開催も始まる。もうご存じだとは思うけれど、マークシートを塗る際にはレース番に注意してほしいな。
さて、関東圏では新潟開催が始まる。初日から関屋記念が組まれているけれど、僕はこのレースを勝ったことがあるんだ。
え?知らないって?それはそうかもしれないね、もう44年前の話だから(笑)
ジョッキー時代にブラビオーという馬で勝ったことがあるんだ。当時の新潟はまだ右回りだったなぁ。また昔の話から始めて申し訳ないね(笑)
想像できないかもしれないけれど、当時は新潟も滞在競馬だったんだ。その分思い出もいっぱいある。調整ルームの近くが当時は森林でね。その木を少しずつ削るんだ。
そうすると翌日にはカブトムシやクワガタが蜜を狙って集まってくる。家族連れで滞在している者もいたから、寮で飼っていたりしていたよ。念のため言っておくけれど、売ってはいないからね(笑)
あと今でも思い出すのは"漁"。新潟競馬場から北のほうに少しいくと、島見浜という浜辺があるんだ。そこで地引網にも参加したことがあったなぁ。
地引網に参加していたら90kgのヒラメが網に引っ掛かってきて、新聞でも話題になった記憶がある(笑)。これも懐かしい思い出だね。
ヒラメの話は置いておいて、本題に移ろうか。今週の関屋記念、ナンバーワン評価はトランキリテ。
今週の追い切りでは新馬に遅れていたんだけれど、舌を越して集中力を欠きながら、回転の速いフォームで力強い動きを見せていた。
一杯に追って遅れというとどうしてもイメージは良くないかもしれないけれど、むしろこれだけ追えるってことは元気な証拠だ。追い切りと実戦は別物だからね。
アルセナールもよく見えた。道中はゆったりとしていて、手前の替え方も上手かった。ハミの噛み方も良かったし、集中力のある走りで馬体もスッキリしていた。
あとはカナテープ。1週前は内にモタれるところもあって無理しなかったけれど、今週はR.キング騎手を背にしてスイッチが入ったのかな。相手に合わせる感じではあった中で、唸るような動きを見せていたね。
最後にシヴァース。1週前のCWコースでは重心を低くして終いはグンと伸びていた。スピード感十分な動きだったし、ひと叩きして状態は明らかに前走以上だと思うな。

ルナルーチェット
日曜の狙い目は札幌9Rのルナルーチェット。適性的に札幌1500mは合うんじゃないかな。外の先行馬も何が何でもいかないといけない、という馬ではない。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。