騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【札幌記念】先週は惜しくも4着!リベンジ狙うレジェンドの注目する条件一変馬!
2025/8/16(土)
| 当週 函館W(稍重) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 66.3 | 51.8 | 38.8 | 11.8 | 一杯 | ||
今週は北海道シリーズ一番の目玉ともいえる札幌記念だね。秋を見据えて実績馬が集まるから毎年注目馬が集まるけれど、夏の北海道でもう一つの目玉はサマーセールなんだ。
え、セレクトセールじゃないかって?あれも目玉っちゃ目玉だけれど(笑)、何しろセレクトセールと違って地方競馬の調教師など、全国から関係者が集まる一大イベントなんだよ。サマーセールはお手頃価格で購入できるからね。
ちなみにこのサマーセール、例年は月曜から金曜までの5日間が恒例だったのが、今年は頭数が多いから土曜までやるんだってね。日数が増えるのは良いことだと思うよ。
ところで、皆さまは抽選馬って知ってるかな?
昔、JRAがセールで購入した馬を抽選によって均一価格で馬主に売却していたんだ。馬柱の馬名の上に(抽)という表記があってね。
当時はマルチューって呼んでいたけれど、今はルールが変わってその表記はなくなり、JRA主催のトレーニングセールであるブリーズアップセールで売却されるようになった。
余談だけれど、当時のセールではJRAが手を上げると、周りは諦めるのが暗黙のルールだった。JRAはお金を持ってるから勝てないんだよ(笑)
まあJRAとしても当時は新規馬主の開拓に努めていたし、買ってくれる馬主が少なければ競馬は成り立たないので、他の馬主側も納得ではあったけどね。
前置きが長くなってしまった。本題の札幌記念に話を移そう。ナンバーワンはステレンボッシュだ。
復帰後の成績は案外だけれど、海外帰りということもあって大阪杯はイレ込んでいたし、ヴィクトリアマイルは久々のマイルに戸惑っていたかな。
中間は函館で調整されていて、先週はウッドコース、今週はダートコースで追い切られた。今週の動きは久々にこの馬らしい大きなフットワークで、かなり後ろから追いかけたのに併せた相手を問題にしなかった。このくらいの距離のほうが競馬もしやすいはずだよ。
次に良く見えたのはシュトルーヴェ。2週連続でキング騎手が跨っているけれど、先週は重い芝でも終いはシッカリしていたし、今週はダートで力みもなく素軽さ満点の動きだった。戦ってきた相手関係、そして絶好調の鞍上も含めて侮れないと思う。
コスモキュランダは追い切りで目立つタイプではないが、早めに函館入りして順調に来ているようだね。2週続けて丹内騎手を背にビシッとやってきたし、これで気合も入ってきたようだ。洋芝も合いそうなタイプだよね。
最後にケイアイセナ。前走勝った後も順調にきているようで、今週は単走で馬なりで直線を向いてちょっと気合を入れただけでグンと伸びていたね。バランスのいい走りで、状態はかなり良さそうだったよ。
イクリール
日曜の狙いは新潟8Rの阿賀野川特別。ここはイクリールの単騎逃げが見込めるんじゃないかな。原くんが追い切りから何度も騎乗している馬。応援したくなるコンビだな。
プロフィール

【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。




