
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【新潟記念】圧巻の追い切りの動き!新潟記念もごっつぁんです!?
2025/8/30(土)
1週前 栗東CW(良) | ||||||
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68.7 | 52.6 | 36.7 | 10.9 | やや一杯 |
来週、札幌が残り1週あるけれど、暦的には夏競馬も最終週だね。来週から秋競馬というのに、この暑さは何とかならないものかね…。
これまで、僕の夏競馬の思い出を色々書いてきた。今回は相撲の話をしようかな。
夏に相撲?と思われるかもしれないけれど、新潟には彌彦神社という場所があって、よくそこで相撲の巡業をやっていたんだ。
当時、元ジョッキーで元調教師の小島太さんと、往年の大横綱である北の湖さんが仲良しでね。千代の富士さんが横綱になった時だったかな。彼も北の湖一門だったから一緒にいたんだけれど、生で見る横綱は威風堂々としていてカッコ良かったなぁ。
そしてこれは恥ずかしい話。当時各部屋に出番待ちの力士がいてね。たまたま間違って僕はその部屋に入ってしまったんだ。
力士の皆さんたちに「何入ってるんだ~!」って怒られて、逃げた経験があったなぁ。迫力がありすぎて怖かったよ…(笑)
ちょっと真面目な話をすると、力士とジョッキーは似ているところがあるんだ。何が?と思われそうだけれど、どちらも筋肉が柔らかくてしなやかなんだ。
どうしてかって、その方が瞬発力がつくからね。体型は全く違うものの、そこは一緒なんだよ。これは覚えていたほうがいいよ、いつか使えるかもしれないから(笑)
話を本題に移そうか。今週の新潟記念、ナンバーワンはクイーンズウォークだ。
ひと言でいって素晴らしい追い切りだったね。とりわけ川田騎手が跨った1週前のCWコースでは豪快なフットワークで駆け抜けていた。
終いの1Fは10秒台。まだ余力を残しての時計だったし、これでキッチリ仕上がったんじゃないかな。新潟の外回りもドンピシャだと思うよ。
時計で言えば、ディープモンスターもかなり良かった。1週前のCWコースでは単に時計だけじゃなく、全体的にバランスのいい走りで、年齢を感じさせない動きだった。しばらく勝ち星から遠ざかっているけれど、今回は面白い存在じゃないかな。
あとはヴェローチェエラ。水曜日に函館で追っていたね。間隔は詰まっているものの、前走は脚を余していたし、動き自体も疲れを感じさせなかったよ。サマー2000シリーズではチャンスのある1頭。注目は必要だよね。
最後にシランケド。前走のヴィクトリアマイルはもったいない競馬だった。ただ今の充実ぶりは本物。それは追い切りにも表れていて、1週前のCWコースでは終いの弾け方が良かった。体もスッキリとしていて、条件もピッタリじゃないかな。知らんけど(笑)

ヴァナルガンド
いつもなら逃げそうな馬を中心に推奨馬を出しているけれど、今週日曜は控える馬から出そうかな。新潟10Rのヴァナルガンドはいいんじゃないかな。
間隔が詰まる分調整はソフトだけれど、叩いた上積みは大きいと思う。ジョッキーも継続騎乗になるし、今回は勝ちあがるチャンスだと見ているよ。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。