11月30日に一度保留選手名簿から外れ自由契約となった、ラファエル・ドリス投手との契約がまとまりそうという嬉しいニュースが週中入ってきた。愛くるしい風貌から繰り出す150キロを超えるストレート、そして適度にランナーを溜め、ファンを9回スリーアウトまで楽しませる劇場型野球を演出する彼が再び阪神のユニフォームに袖を通すことを嬉しく思う。ランナーを出してからの投球に阪神ファンは毎回ヤキモキさせられるが、クローザー不在の事態はどうやら避けられそうだ。

こうなると気になるのは、他の外国人の獲得である。来季からエースのランディ・メッセンジャー投手は日本人扱いとなり、外国人枠が空く。すでにジョンソン投手を獲得しているものの、補強は急務。そんな中、『タイガース、マット・ムーア投手を獲得!』というニュースが流れてきた。今年メジャーで3勝、年俸2億8000万円での合意したという。そんなお金が阪神にあったのか…と思っていたが、よく見ると米メジャーリーグの『デトロイト・タイガース』のほうであった。日本のタイガースの補強情報、お待ちしております。

日曜の阪神11R・阪神JFはこちらの競馬ラボ動画・うま馬データMOVIEでも解説しているので、ぜひ参考にしていただきたい。

動画内でも触れているが、阪神JFは毎年距離延長で参戦する馬も多く、ペースが流れやすい。いわゆる前傾ラップになることがほとんどだ。直線が長く、急坂もあることから、前傾ラップでも最後までしぶとく脚を伸ばす持続力が求められる。このような競馬になりやすいのがアメリカ競馬。阪神JFでよくアメリカのダート血統を持っている馬が3着以内に入るのも、ある意味当然のことなのだ。

特に強調したいのが、クロフネやフレンチデピュティの父祖でヴァイスリージェントの血。テンからペースが流れる持続力勝負に強い血で、このレースでも過去、2009年にワンツースリーを達成したり、2012年にクロフネサプライズが15番人気ながら2着に食い込むなど、相性の良さを見せつけている。

今年ヴァイスリージェントを持つ3頭の中から◎ビーチサンバをチョイスしたい。父はヴァイスリージェント系クロフネ。名牝フサイチエアデールの14番子で、全兄に朝日杯FSを制したフサイチリシャールがいるように、仕上がりが早く2歳戦から能力を発揮する血統だ。

新馬戦で上がり勝負に対応した点も立派なのだが、そのデビュー戦と比べて前半3Fが3.4秒も速くなった2戦目のアルテミスSにおいて、直線早めに先頭に立つと最後まで脚を伸ばし続けた。2歳の東京マイル重賞で前半3Fが33.9は相当速い。新馬とまるで違う流れで結果を出せるレースセンスの良さがこの馬の武器。ゲートで失敗する可能性があるようにテンションの高い馬で、その部分さえ何とかなれば今回も引き続きチャンスがある。

相手一番手はクロノジェネシス。これまでの2戦は共に前半3F37秒台で、前半3F35.0を切るようなレースになる阪神JFに替わることは一見マイナスに見える。ただ新馬戦でレースラップのラスト3Fが12.2-11.5-11.1と尻上がりに速くなる流れを差し切り、2戦目のアイビーSではレースラップのラスト3Fが11.3-11.0-11.1という流れを、上がり3F32.5という鋭脚で突き抜けた。相当な瞬発力を秘めている。

父は凱旋門賞馬でブラッシンググルーム系のバゴ。この系統は牝馬に出ると気性が前向きになり、距離短縮に対応しやすい。マイル短縮は問題ないと見る。

◎ビーチサンバ
○クロノジェネシス
▲ダノンファンタジー
☆メイショウショウブ
△②、③、④、⑦、⑩、⑭

中山11R・カペラSは、おそらく『日本で一番前傾ラップになる重賞』ではないか。スタートから下り坂の中山ダート1200mでスピード自慢たちが先行争いを繰り広げることにより、毎年前半3Fが後半3Fより3秒以上速くなる。3秒前に至っては前半3Fが後半3Fより4.7秒も速かった。

加えて、近5年の3着以内馬の父親を見ると、アグネスタキオン、アドマイヤコジーン、キングカメハメハ、スペシャルウィーク、サクラバクシンオー、アドマイヤオーラ、メイショウボーラー、ダイワメジャーら、芝の重賞を勝っている馬が多い。ダート1200mとはいえ芝スタートで時計も速いことから、芝をこなせるだけのスピード、柔らかさが必要なのだろう。

今年前傾ラップに適性があり、かつ父が芝の重賞勝ち馬という馬の中から◎オウケンビリーヴをチョイスしたい。父はNHKマイルCを制した黒船。母方はトゥザヴィクトリーに代表される、芝もダートもどちらも走れるフェアリードール一族とこのレース向きの血統構成をしている。

坂のある阪神で(2.1.1.0)と底を見せておらず、5走前に阪神ダート1200mで行われた陽春Sでは前半3Fが後半3Fより2.7秒速い流れを差し切っているように、急坂コースの前傾ラップに適性を見せているのは魅力的。3走前に川崎ダート1600mのスパーキングレディーで2着とスタミナもある。前走のオーバルスプリントは早めに動く馬に厳しい展開ながら2着を確保と、今が充実期なのだろう。

競走中止明けがネックではあるものの、9月のながつきSで33.7-36.2という前傾ラップを鮮やかに差し切ったハットラブ、今の時計が速い中山ダートがどうかも、母系が前傾ラップに強い配合で、右回りならまっすぐ走れるキングズガードなどを相手で買いたい。

カペラSの予想印はコチラ⇒

平場からは合計3R挙げる。

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阪神6R・2歳500万の◎オリオンパッチ。今回更なる距離短縮となるものの、これはプラスに出る可能性がある。元々今年5月に札幌競馬場で行われた北海道トレーニングセールで、異例の5000万近い価格で落札された馬。その理由がセール前に行われた公開調教の動きにある。2Fで計測されるのだが、2F21秒86、後半1F10秒74を叩き出したのだ。

このセールでは5年前に後の天皇賞馬モーリスが落札されているが、後のモーリスは2F21秒80、後半1F10秒93。馬場も違うため『モーリス級』と単純に言うことはできないが、オリオンパッチの脚力、スピードは相当であることが分かるだろう。父のバンブーエールも距離短縮で出世した馬で、4歳以降距離短縮時は(3.1.0.1)。唯一3着以内を外し4着だったのは、世界最高峰・G1ドバイゴールデンシャヒーンの時である。

そして中山10R・常総Sは◎ビッシュ。前走のユートピアSは8着に敗れたが、このレースは1着アルーシャ、2着リカビトス、3着クィーンズベストと、3頭全てオープン馬予備軍のような実力馬。ユートピアS史上最高レベルのメンバー構成であった。しかも上位3頭は直線で内を通っている。この日の東京芝はメインレースの東京スポーツ杯2歳Sで馬番5番以内の馬が3着までを独占したように、内が有利な状態であった。

その馬場で外を回した分、決して力負けではない。かつ長くいい脚を使うタイプのビッシュにとっては、上がり3F33秒台が求められる展開も厳しかっただろう。長期休養を2度叩いて今回迎えるは中山。上がりの掛かった3歳時の紫苑Sで長く脚を使い差し切ったように、中山コースは合っている。動くタイミング次第で巻き返しがあっていい。