阪神ファンにとって悲しい知らせが届いてしまった。

プロ野球・阪神タイガースがオリックス・バファローズから西勇輝投手をFAで獲得。その人的補償として、阪神は来季4年目の若手右腕・竹安大知投手をオリックスへ放出することとなってしまった。これまで3年、1軍では通算1勝だ、武器であるストレートを主体に今季2軍で6勝。防御率1.30とこの先の阪神を背負うホープと目されていた投手である。

当初からファンの間では竹安投手あたりが、人的補償として獲得できない28人のプロテクトリストの当落線上ではないかと噂されていた。阪神の若手投手は20歳の才木浩人投手や浜地真澄投手を始め有望株が多い。28人の中から誰か有望株が漏れるだろう…と予測はされていたが、惜しい人材を手放してしまうことになりそうだ。

竹安投手はまだ24歳と若い。チームは変わるが、来季以降の大活躍を心から期待したいところ。そして阪神はある程度の補強ができているだけに、より若手有望株のレベルアップに心血を注いでほしい。


さて、有馬記念ウィーク。天気が微妙な点が残念ではあるが、今年も年末のグランプリを楽しみたい。

土曜の中山ではジャンプG1、中山10R・中山大障害(JG1)が行われる。ジャンプG1は中山グランドジャンプ、そしてこの中山大障害の2つ。距離はそれぞれ4250m、4100m。この150mの違いが大きい。グランドジャンプは、残り1200m地点から芝の外回りコースに入り、最後の直線で坂の手前で障害を飛越した後、坂を上ってゴールを目指す。

対して中山大障害は残り1200m地点を過ぎても障害コースを走ったままで、4コーナーでダートコースを横切り、直線の芝コースに入る。直線に障害はない。

つまりグランドジャンプのほうが距離は長いものの、最後の直線に障害がある分、差し馬も減速せざるを得なくなり前の馬が残りやすい。中山大障害は最後の直線に障害がないことから、グランドジャンプより距離が短くとも差しが入る。13年以降、3番人気以下で3着以内に入ったの伏兵たちの4コーナー通過番手を見ると、中山グランドジャンプは平均2.9番手、中山大障害は平均4.7番手と、数字の上でも差し馬に妙味ありという結果が出ているのだ。

タイセイドリームは前走・東京ハイジャンプで3着だったが、大逃げを敢行し最後に落馬してしまったタマモプラネットから離れた2番手以降はスローペース。4コーナーでも大きく離れた7番手でほぼノーチャンスのような位置取りから鋭い末脚で差し込んできた。東京の障害3110mは2コーナーの途中でスタートするため、外枠は物理的に不利。8枠10番の時点で事実上のハンデ戦のようなレースであった。

不器用な馬だけにコーナーの多い中山の大障害コースがどうかも、過去に1度だけ大障害コースに挑戦した際(4着)は直線に障害のあるグランドジャンプ。直線に障害のない中山大障害がプラスに出る可能性は十分。チーク着用で行きっぷりも増してくるであろうことも強調点。

実力上位のアップトゥデイトニホンピロバロンの他では、前走の東京ハイジャンプで落馬したタマモプラネットを回避するロスがあり4着だったルペールノエル、スタミナ勝負に強いエアカーディナルあたりまで押さえておきたいレースだ。


阪神11R・阪神C(G2)が行われる阪神芝1400mは特殊な適性が問われる。最後に坂がある1400mということでスプリンターにはやや長く、スプリンターも多く出走しペースが厳しいことからマイラーにはやや短い。そのため、リピーターが生まれやすい。過去12回の阪神Cにおいて、サンカルロ、ガルボ、キンシャサノキセキ、リアルインパクト、ダンスディレクター、イスラボニータと、実に6頭が2度以上馬券に絡んでいる。

過去のリピーター達を見ると、例えばサンカルロの母父であり、イスラボニータの母母父であるクラフティプロスペクターは現役時代ダートの短距離を主戦場としており、リアルインパクトの母父メドウレイクはダート1300mの米G1・アーリントンワシントンフューチュリティの勝ち馬。ダンスディレクターの父アルデバランは、ダート1400mの米G1・フォアゴーHの勝ち馬だ。序盤からハイペースで飛ばし、最後持続力勝負となるアメリカ競馬の短距離で実績を残してきた血統が、似たような流れになる阪神Cとフィットするのは理解できる。

ミスターメロディの父スキャットダディは現役時代ダート1800mの米G1・フロリダダービーを制している馬だが、2歳時にダートマイルG1のシャンペンSを制しているように、非常にスピードがある馬であった。実際産駒からはカラヴァッジオ、レディオーレリアと欧州で活躍した優秀なスプリンターが登場しており、種牡馬として産駒に伝えるスピード、パワーは非常に上質なものがある。ミスターメロディも芝ダート問わずいいスピードを見せており、NHKマイルC4着はあるものの本質的には1400m以下に適性があるタイプだろう。

前走は1400mのオーロC。休み明けに加え、この日の東京芝は上がりの時計が出やすく、末脚のある馬が有利な馬場状態。オーロCも例外ではなく、1着ロワアブソリューが4角13番手、2着アイラインが4角15番手であった。その流れを4角4番手で回ってくる展開は少々厳しかったと言える。母父デピュティミニスターは昨年3着だったサングレーザーと一緒。12月のレースということもあり3歳馬も強く、10年中6度馬券に絡んでいる阪神Cなら、巻き返しが期待できそうだ。

ブリンカーに加えボウマン騎手が合いそうなレッドファルクス、前走のレース後、騎乗したビュイック騎手が「阪神Cならいい」とコメントし、実際阪神芝1400はフィットしている2年前の覇者シュウジあたりを上位評価しておきたい。


中山11R・グレイトフルSは昨年ステイゴールド産駒のワンツースリー。今年もステイゴールド産駒が中心…かもしれないが、気になるのは先週の中山芝。

土曜の中山12R・3歳上500万ではディープインパクト産駒がワンツーだったものの、日曜日の昼過ぎから少々雨が降ったことで様相は一変。一周以上はタフな条件となり、日曜12R・3歳上1000万では2着ダイイチターミナル(父コンデュイット×母父ウイニングチケット)、3着トータルソッカー(父ダンスインザダーク×母父サッカーボーイ)とタフな血統向きの馬場となっていた。

今週の土曜中山は雨の可能性もあり、ここは一発狙いで◎デルマサリーチャン。父は欧州2400mG1で好走歴のあるホワイトマズル、母父は菊花賞馬ダンスインザダーク。母母父はこのレースと相性のいいキングマンボ。

昨年のグレイトフルSは15着も、内を捌きたい馬が16番枠の時点でノーチャンス。それ以降中山2500mを使ったのは3月のサンシャインSのみ。稍重馬場の中、2着とは0.3秒差の5着と悪い内容ではなかった。前走の甲斐路Sは最下位8着だったものの、上位4頭全て上がり3F32秒台の切れ味比べで、とてもではないがノーチャンス。距離延長、最内枠、ハンデ50キロで今年技術面の成長が著しい藤田菜七子騎手となれば、攻めてみる価値はありそうだ。


他では中山1R・2歳未勝利の◎シゲルスピネル。前走東京ダート1400mのデビュー戦は12番人気だったが、残り400mで外に出されるといい脚を見せて、上がり3Fメンバー中最速の脚で差し込み6着だった。直線で外に出す際に進路を迷ったこと、まだソエを抱えていたことを考えれば上出来な内容と言えるだろう。3着のグランソヴァールが次走圧勝、4着アイアムハヤスギルが未勝利卒業間近、5着ラストクローザーが先週快勝と、相手も悪くなかった。距離短縮にも対応可能と見て◎に指名したい。



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