圧巻の先制劇であった。23日(土)に行われた阪神タイガースとヤクルトスワローズの練習試合。我らが阪神タイガースは初回、1番北條選手が相手のエラーで出塁すると、2番糸原選手がヒットで繋ぎ、3番ナバーロ選手がライトへのタイムリー。わずか7球で先制点を奪ってしまった。阪神らしくない鮮やかな先制劇に胸は高鳴り、思わず小躍りしたくなる気分である。

ただ幸せな時間は長続きしないものだ。その後無死1、3塁から4番の大山選手がダブルプレーに打ち取られ血圧が上がり、先発の才木投手は4回6失点KO。打線は例年通り終盤、追いつかない程度に反撃。結局3-8で敗れてしまった。同日、千葉ロッテマ〇ーンズが6イニング連続ダブルプレーを記録したと聞き、それよりはまだ大丈夫…と、何とか心を落ち着かせた。どちらもダメである。

9回2アウト満塁から無得点など、シーズン中よく見る光景が散見されたこの試合。その中でも木浪選手、高山選手といった期待の若手が結果を出したあたりは光明と言えるだろう。ペナントレースが始まってからこのような試合が見られないことを切に願う。


さて、中央競馬の話に移ろう。土曜のコラム推奨馬はメルマガ配信の中山3Rシダクティブノンコを含め、5R中、4Rで◎が3着以内に食い込む好調ぶりであった。狙いやすいレースばかりだったこともあるが、この調子で日曜も頑張っていきたいところ。


まずは中山11R・中山記念。芝1800mという中途半端な距離、そして小回りコースということで、以前から1番人気の信頼性が低いレースである。過去10年で1番人気で3着以内に入った馬はカンパニー、ヴィクトワールピサ、ドゥラメンテの3頭。いずれもG1を複数勝った馬。いかに中山記念が特殊なレースか分かるだろう。逆に言えば、特殊だからこそ適性が高い馬は何度も来やすい。カンパニー、シルポート、ロゴタイプと、いわゆる『リピーター』が登場するのもこのレースの特徴だ。

土曜の中山競馬場の芝コースは9Rの水仙賞、10Rの富里特別でレースレコードが出るなど、速い馬場状態であった。ここ3年の中山記念は1.47.9以内の速めの時計で決着することが多いが、今年は淀みない流れを作って逃げることが多いマルターズアポジーがおり、時計の速い状況を考慮すれば1分45~46秒台で決着する可能性が高そうだ。小回りコースでマルターズアポジーが逃げると機動力を要する持続力勝負になりやすく、機動力と持続力に優れたノーザンテーストの血を持つ馬が来やすい。狙いは過去中山記念で好走し、かつノーザンテーストを持っている馬。

ウインブライトは昨年の中山記念の覇者。昨年は前半1000m通過59.2と近5年の中山記念で最も速い流れを前目で追走し、粘るアエロリットを競り落とした。持続力勝負に強い馬で、レース上がり600mが35秒以上掛かったレースで(6.2.0.2)。4着以下はデビューからの2戦で、まだ身体も小さく成長途上段階であった。

父はステイゴールド、母父は淀みない流れに強いグレイソヴリン系アドマイヤコジーン。ノーザンテーストの4×4というクロスを持っている。ちなみに近10年まで範囲を広げると、前半1000m通過が最も速かったのが13年の中山記念。この年の1着ナカヤマナイト、2着ダイワファルコン共にノーザンテーストの血を持っている。コジーンの血を持った馬は歳を重ねても成長が持続することが多い。58キロを背負いながら勝ち切った前走の中山金杯はその証明だろう。

充実したことで以前より休み明けを苦にしなくなってきたディアドラ、配合がこのレースと合いそうなステルヴィオ、ペースがどうかもノーザンテースト持ちのラッキーライラックなどを重視。ラチを頼って走りたいスワーヴリチャードは中山の外枠で難しい競馬を強いられる可能性はある。

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阪神11R・阪急杯の話に移る。まず特徴的なのはペースだろう。近10年全てで前半600mがラスト600mより速い、いわゆる前傾ラップが続いている。スプリンターも多く参戦するレースでペースが速くなるのは自然なこと。加えて直線に坂がある。テンのダッシュ力、そしてパワーに優れた血統がこのレースでは強い。その代表格とも言えるのがダンジグの血だ。ハイペース、時計勝負に強く、パワーもある。

実際阪急杯は過去にダンジグ持ちの馬が多く来ており、昨年1着のダイアナヘイロー、2着モズアスコットを始め、ミッキーアイル、ブラヴィッシモといったあたりはダンジグの血を持っていた。今年の阪急杯出走馬でダンジグの血を持っている馬は8頭。いや、全然多いな。

例えばモズアスコットは後に安田記念を勝ち、ミッキーアイルはそれ以前にNHKマイルCを勝っている。決して1400一辺倒ではなく、東京マイルをこなすスタミナも兼ね備えていた。ダンジグ持ちの出走馬8頭の中で、東京芝のマイル重賞を勝っているのはヤングマンパワーと◎ロジクライのみ。

ロジクライはここまで15戦、全てマイル以上を使ってきた。その内オープンクラスは7戦。1着だったシンザン記念や六甲S、2着だった中京記念は前傾ラップであった。富士Sを勝った際は後傾ラップだったものの、前半3F34.6と遅すぎない流れで、直線に向いてヨーイドン勝負は回避できている。ここ2走大崩れしているものの、2走前のマイルCSは後傾ラップ、前走の東京新聞杯は近10年の同レースで3番目にペースが速い前半600m34.5という流れ。デビュー最高体重でもあり、最後は息切れしてしまうのも仕方ないところ。掛かる面もあることから、絞れていれば初めての1400mに対応する下地はある。

なかなか難解な一戦だが、他のダンジグ持ちでスタミナある血を持っているダイメイフジロードクエストあたりの穴馬にも期待してみたい。

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小倉競馬からはメインレースである下関Sを取り上げてもいいのだが、ここは全国屈指の皿倉山特別ファンを自認する筆者にとって、G1並に特別なレース、小倉12R・皿倉山特別を取り上げたい。マッキーバッハ、カンタベリーナイトといった名プレイヤーたちが数々の名レースを演じてきたこのレース。昨年は10番人気のメイショウブシンに自信の◎を打ったところ、鮮やかな4着であった。

そんな昨年の皿倉山特別の1、2着馬がまた今年も出走してきた。1着テーオーフォルテが昨年56kg→今年57.5kg。2着ミルトプレストが昨年56kg→今年56kgで据え置かれていることを考えれば、◎ミルトプレストが妥当なのではないか。

毎年このレースは1回小倉開催の後半に行われる。当然馬場が荒れ始めた頃なのだが、そのような状態の馬場で2600mの競走を施行すれば当然持続力、スタミナ血統が活きる。特にこのレースはニジンスキーが活きやすい。ここ2年の2、3着馬は共にニジンスキーを持っている。6年前に単勝11番人気ながら楽勝したマッキーバッハ、4年前に最後方からレースを進めて圧倒的な手応えで4コーナーを回り、ハナ差で1着をもぎとって小倉競馬場を制圧したカンタベリーナイトもニジンスキーの血を持っていた。

ミルトプレストも母方にニジンスキーの血を持っており、過去3勝中2勝がレース上がり3F36秒台であるように、持続力勝負を得意としている。前走は被され厳しい競馬となったが、それでも4着と力を見せた。小倉替わりでもう一押しを狙う。この馬の得意な展開になれば浮上してくる血統として、他にサドラーズウェルズ、トニービンの血も挙げられる。このあたりの血を持つ馬は一考しておきたい。


その他からの合計3レース挙げておこう。


まずは中山10R・ブラッドストーンSの◎オーヴァーライト。素質はあるがポカも多いストームキャット系らしい馬。3走前に最内枠から鮮やかに勝ったと思えば、2走前のアクアラインSはゲートから気分が乗らず後手を踏んで7着と、戦績が安定しない。ただし前走のフェアウェルSでは軽い馬場で時計が速く、33.4-36.5という猛烈な前傾ラップでも前が止まらない内枠、先行有利の流れを外枠から追走し、最後まで粘って3着を確保する強い内容。やはり力はある。

内枠でも好走歴があるものの、スムーズな競馬で強いヘニーヒューズ産駒ということもあり、外枠のほうが信頼して買いやすい。たまにゲートでポカがあることから、偶数14番枠もプラス。さすがにフェアウェルSほど馬場は速くなく、間隔が空いて気が抜けていなければここでも好勝負は可能と見る。


続いて中山12R・4歳上1000万の◎ダークリパルサー。半兄にエスポワールシチーがいる良血馬で、現オープンのアルクトスを新馬戦で倒し、デビュー3戦目のG1全日本2歳優駿でも4着に食い込む高いポテンシャルを秘めている。ここ4戦は結果が出ていないが、4走前のヒヤシンスSは少々距離が長く、3走前のファルコンSは初芝で重賞。前走の大倉山特別はノド鳴りの影響でズルズルと下がってしまった。

今回はノドを手術し、仕切り直しの一戦。2走前のダート1150m、鶴ヶ城特別でも追走できたようにスピード能力は高く、中山ダート1200mでもスピード負けはしない。昨年までは素質だけで走っていると評されるほど体も緩く、完成は古馬になってからと言われていた馬でもあり、極端に揉まれなければ休み明けから走れていい素材だ。今年の飛躍が期待される一頭である。

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