コースのポイント!


日本時間9月14日(土)深夜24時15分発走 アイルランドチャンピオンS(日本時間9月14日土曜深夜24時15分発走)の舞台となるアイルランド・レパーズタウン競馬場は、首都ダブリン近郊に位置する1周2800mの左回りコース。

4コーナーからゴールまでは約400m。アイルランドの競馬場としてはやや平坦に近い形態で、4コーナーと直線残り200mには上り坂がある。道中平坦とはいえ直線の急坂は各馬の体力を削ることから、同じ左回りで直線に坂がある東京や中京競馬場よりも遥かにタフな競馬場と言える。

アイルランド競馬の基礎知識

日本競馬は18頭立てになることが珍しくないが、ヨーロッパのG1は基本的に10頭前後の頭数で行われやすい。フランスの凱旋門賞などは例年頭数が18頭近いが、アイルランドは上級条件の出走馬がそこまで多くないことから、G1は6~8頭立ても珍しくない。

アイルランドを本拠地とする世界屈指のオーナーブリーダー・クールモアグループの出走馬が多いことから、ペースメーカーの出走もありうるが、起伏が激しいコースで前に風よけを置いてスタミナを残しておきたい馬が多く、道中は一団になりやすい。そして直線で横にバラけるレースが目立つ。

前述のクールモアグループがメインステーブルとして使用しているのが、アイルランドの名伯楽であるA.オブライエン調教師。11年ソーユーシンク以来勝利はないものの、これまでに本レース7勝。毎年複数頭の出走馬を送り込んでおり、中でもファーストジョッキーで、日本でもお馴染みのR.ムーア騎手が騎乗する馬は厩舎が一番期待している馬と言ってもよく、要警戒だ。

レースのポイント!

例年のアイルランドチャンピオンSの勝ちタイムは2分07秒前後。頭数もそこまで多くならず、スローペースになりやすい。ここ2年デコレーテッドナイト、ロアリングライオンと父サドラーズウェルズ系が連覇しているものの、昨年はディープインパクト産駒のサクソンウォリアーが2着となっているように、日本適性のある馬でも好走は可能だろう。

今回出走するディアドラ(牝5、栗東・橋田厩舎)はキングジョージを勝ったハービンジャー産駒。キングジョージが行われるアスコット競馬場、そしてディアドラが勝ったナッソーSが行われたグッドウッド競馬場は、レパーズタウン競馬場以上にアップダウンがあるタフな難コース。そう考えれば、ディアドラにとっては攻略できるコースと言えそうだ。

出走馬&展望

登録馬自体は30頭以上いたものの、結局金曜の段階で8頭立てとなった。そのうちA.オブライエン厩舎が4頭。ペースメーカーであるハンティングホーンがレースを引っ張り、他馬が競りかけない可能性が高いことから、例年同様スローペースとなりそうだ。

力のいる芝のスローペースに強いのがディアドラ(牝5、栗東・橋田厩舎)。ナッソーSではゆったりした流れを楽に追走し、内を突くマーフィー騎手の好騎乗もあって見事に1着となった。今回も展開的には恵まれる可能性は高い。

ただナッソーSは牝馬限定G1。今回は牡馬の有力どころとの一戦となることから、スムーズなレースはできるにしても上位の一角を崩せるかどうかは微妙なところ。馬場はなるべく乾いていたほうがいいだろう。

オブライエン厩舎はファーストジョッキーであるR.ムーア騎手をマジカルに乗せてきた。6月のプリンスオブウェールズS(G1)、G1・エクリプスS(G1)、前走のヨークシャーオークス(G1)と2着に敗れているが、相手はクリスタルオーシャン、エネイブルという現役屈指の実力馬たち。

コースを問わず走る安定感が魅力的で、2、3番手を確保して立ち回れる先行力、競馬センスも魅力的。A.オブライエン厩舎は好調期の馬を使い詰める傾向があるため、そういう意味でも詰まったローテーションはプラスに捉えられる。

英ダービー馬アンソニーヴァンダイクは前走のキングジョージ(G1)で10着に大敗。雨で悪化した馬場に加え、道中は疲れもあったか行きっぷりも今一つ。状態次第と言えそうだ。英ダービー3着のジャパンがその後、英インターナショナルS(G1)を勝っていることから、英ダービー2着だったマッドムーン共々このメンバーで通用する下地はある。

インターナショナルSで3着だったエラーカムは今夏の上昇度ではメンバー中随一。イギリス調教馬で、今回はアイルランドに遠征する点がカギ。同じくイギリスからの遠征馬ヘッドマンはここ2走フランスで連勝しているものの、どちらも道悪。今回は相手も強化されることから、馬場のアシストが欲しいところだ。