香港国際競走

  • 香港カップ(芝2000m、日本時間17時30分発走)

    シャティン競馬場

    JAPAN日本馬の評価

    ウインブライト(牡6、美浦・畠山吉厩舎)
    香港で2つのG1タイトルを獲得したコーナリングの天才。有馬記念などを圧勝したリスグラシューを倒すなど、器用さの求められる香港芝2000mでは、まるで水を得た魚のように鋭い動きを見せる。今年は蟻洞などの影響があり中山記念7着、天皇賞・秋10着と結果は出ていないものの、昨年の香港カップ1着も天皇賞・秋8着からの巻き返しだった。引退レースでもあり、マークは外せない。

    ダノンプレミアム(牡5、栗東・中内田厩舎)
    17年の朝日杯FS勝ち馬。昨年の天皇賞・秋でアーモンドアイの2着、昨年のマイルCSでインディチャンプの2着となるなど、実力は日本の古馬でもトップクラス。今年は豪州遠征の疲れも残ったか安田記念で大敗したものの、立て直された天皇賞・秋で4着に粘った。シャティン2000mは先行力も重要な舞台だけに、好位を確保できるダノンプレミアムにとっては走りやすい舞台ではないか。

    ノームコア(牝5、美浦・萩原厩舎)
    昨年のヴィクトリアマイル勝ち馬。昨年末には香港マイルで4着にも入っている。今年は休み明けの高松宮記念で15着に敗れたものの、ヴィクトリアマイル3着、安田記念4着と復調し、札幌記念は内から器用に捌いて優勝した。エリザベス女王杯は折り合いがつかず距離も長かった。今回は距離が詰まり、パワーを生かせる馬場。得意条件だけに侮れない。

    JAPAN外国馬の評価

    マジカル(牝5、愛、A・オブライエン厩舎)
    ここまでG1を7勝、欧州の女傑と言っていいだろう。とにかくタフな牝馬で、どれだけ使い込んでもへこたれない。今年も7月から数えてもすでに5走している。それでいてまったく崩れていない。3走前の愛G1・愛チャンピオンSで強豪ガイヤースを倒し、2走前の英G1・英チャンピオンSでは道悪を受け3着だったものの、前走米G1・ブリーダーズカップターフでも崩れず2着に踏ん張った。距離短縮はプラス。

    フローレ(セン6、香、A・クルーズ厩舎)
    昨年の香港ダービー馬。ここ最近の充実が著しい。勝ち切れないキャラだったものの、休み明けの香港G2・シャティントロフィー11着を叩いて臨んだ香港G3・レディースパースで後方から差し切り勝ちを決めると、続く香港G2・ジョッキークラブカップでは先行策から抜け出し、強豪エグザルタントを下した。完全に充実期が来ているようで、そこにモレイラ騎手が乗るとなれば押さえなければいけないだろう。

    スカレティ(セン5、仏、J・レニエ厩舎)
    勢いがあるのはフランスから遠征するこの馬。今年の上半期こそ微妙な戦績だったが、8月の仏G3・ゴントービロン賞で後の凱旋門賞馬ソットサスを下し、続く仏G2・ドラール賞も後方から鮮やかな差し切ってみせた。一線級相手の前走、英G1・チャンピオンSでもマジカルに先着するなど、地力強化著しい。馬場は渋ったほうが良さそうだ。良馬場の切れ味勝負は分が悪い。

  • 香港マイル(芝1600m、日本時間16時50分発走)

    シャティン競馬場

    JAPAN日本馬の評価

    アドマイヤマーズ(牡4、栗東・友道厩舎)
    昨年の香港マイル覇者。今年は安田記念こそ6着だったものの、ドバイへのカラ輸送などもあって本調子ではなかった。2走前のスワンSは馬場の悪い内を通ってのもの。前走マイルチャンピオンシップはレベルの高いメンバーの中、最後まで奮戦し3着。程よく時計の掛かるシャティンの芝は相当あっていること、ジョッキーがスミヨン騎手からパートン騎手に変わったが、連覇の可能性は十分。

    JAPAN外国馬の評価

    ゴールデンシックスティ(セン5、香、k・ルイ厩舎)
    伸び盛りの地元のエース。現在10連勝中、通算14戦13勝で更なる躍進が期待されている。今年は春シーズンに香港G1・香港ダービーを勝つと、秋シーズンも香港G3・セレブレイションCでビューティージェネレーションを倒したのを皮切りに3連勝。とにかく決め手に優れている馬。ペースが速くとも遅くとも差し込める脚はG1の舞台でも要注意だろう。

    ビューティージェネレーション(セン8、香、J・ムーア厩舎)
    香港の英雄。ここまで8つのG1タイトルを獲得しており、一時代を築いたスーパースターだ。18年~19年前半にかけては無敵で、負けることすらなくなっていたのだが、昨年秋シーズンから取りこぼしが増えている。それでも2月の香港G1・シルバージュビリーCを勝利するなど、衰えは緩やか。今シーズンは2戦して2、6着となっているが、前走6着は重斤量を背負ったもの。まだ見限れない。

    オーダーオブオーストラリア(牡3、愛、A・オブライエン厩舎)
    ヨーロッパを代表する名門、エイダン・オブライエン厩舎が送り出すこの馬は、今年上半期こそ愛ダービー4着、仏ダービー7着と詰め切れない戦績だったものの、前走初めてのアメリカ遠征にて、米G1・ブリーダーズカップマイルを先行抜け出しで快勝し、世間を驚かせた。実績上位ではあるものの、2走前の愛G3・インターナショナルSで大差負けしているように、まだムラはある。

  • 香港スプリント(芝1200m、日本時間15時40分発走)

    シャティン競馬場

    JAPAN日本馬の評価

    タワーオブロンドン(牡5、美浦・藤沢和厩舎)
    春の京王杯スプリングC以来の実戦となる。2走前の高松宮記念は渋った馬場も影響したのだろうが、それにしても少し緩んだ馬場だったとはいえ、京王杯スプリングCは内容が乏しい。実績はトップクラスではあるものの、今回は7ヶ月ぶりの実戦。強気にはなれない。

    ダノンスマッシュ(牡5、栗東・安田隆厩舎)
    日本馬でより可能性がありそうなのはこちら。昨年のG1・香港スプリントで8着に敗れた後、今年はオーシャンSで1着。スタートや馬場などに影響されやすいものの、すでに今年重賞3勝と充実期を迎えた印象がある。前走のスプリンターズSはグランアレグリアに差し切られたとはいえ、馬場の悪い内目から進出しており、悪いレースではない。ヒモで押さえたい馬だ。

    JAPAN外国馬の評価

    ホットキングプローン(セン6、香、J・サイズ厩舎)
    昨年のG1・香港スプリントの2着馬で、今年の地元勢の大将格。春はセンテナリースプリント、クイーンズシルバージュビリーCと香港G1で立て続けに3着。先行し安定した脚を使う大崩れないスタイルは軸にピッタリと言っていい。今シーズンは初戦の香港G2・プレミアボウル4着を叩いて臨んだ前走、香港G2・香港ジョッキークラブスプリントを快勝。モレイラ騎手を背に今年こそ1着を狙う。

    クラシックレジェンド(セン5、香、J・ファウンズ厩舎)
    "香港馬"という扱いにはなっているが、今回が転厩初戦。元々オーストラリアで走っていた馬だ。オーストラリアのスプリント戦線であと一歩のレースが続いていた中で迎えた今シーズン、初戦の豪G2・ザショーツを快勝すると、続く豪G2・プレミアS2着を挟み、前走で芝の世界最高賞金レースとして有名なジエベレストを圧勝している。今の香港短距離路線に混じっても互角以上の力を持っている。

    コンピューターパッチ(牡4、香、A・クルーズ厩舎)
    今シーズン好調なのがこの馬。復帰戦を叩いた後に臨んだ香港G3・ナショナルデーCを逃げ切り、続く香港G2・プレミアボウルで逃げ粘り2着。前走香港G2・香港ジョッキークラブスプリントも2着と、安定感あるレースを見せている。プレミアボウルの時計は1.07.9。コースレコードと0.4秒差。時計が速くなっても対応してきそうだ。