競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【香港国際競走2020】日本馬6頭参戦!今年は地元馬を要マーク!
2020/12/12(土)
香港国際競走
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香港カップ(芝2000m、日本時間17時30分発走)
日本馬の評価
▲ウインブライト(牡6、美浦・畠山吉厩舎)
香港で2つのG1タイトルを獲得したコーナリングの天才。有馬記念などを圧勝したリスグラシューを倒すなど、器用さの求められる香港芝2000mでは、まるで水を得た魚のように鋭い動きを見せる。今年は蟻洞などの影響があり中山記念7着、天皇賞・秋10着と結果は出ていないものの、昨年の香港カップ1着も天皇賞・秋8着からの巻き返しだった。引退レースでもあり、マークは外せない。
◎ダノンプレミアム(牡5、栗東・中内田厩舎)
17年の朝日杯FS勝ち馬。昨年の天皇賞・秋でアーモンドアイの2着、昨年のマイルCSでインディチャンプの2着となるなど、実力は日本の古馬でもトップクラス。今年は豪州遠征の疲れも残ったか安田記念で大敗したものの、立て直された天皇賞・秋で4着に粘った。シャティン2000mは先行力も重要な舞台だけに、好位を確保できるダノンプレミアムにとっては走りやすい舞台ではないか。
☆ノームコア(牝5、美浦・萩原厩舎)
昨年のヴィクトリアマイル勝ち馬。昨年末には香港マイルで4着にも入っている。今年は休み明けの高松宮記念で15着に敗れたものの、ヴィクトリアマイル3着、安田記念4着と復調し、札幌記念は内から器用に捌いて優勝した。エリザベス女王杯は折り合いがつかず距離も長かった。今回は距離が詰まり、パワーを生かせる馬場。得意条件だけに侮れない。
外国馬の評価
○マジカル(牝5、愛、A・オブライエン厩舎)
ここまでG1を7勝、欧州の女傑と言っていいだろう。とにかくタフな牝馬で、どれだけ使い込んでもへこたれない。今年も7月から数えてもすでに5走している。それでいてまったく崩れていない。3走前の愛G1・愛チャンピオンSで強豪ガイヤースを倒し、2走前の英G1・英チャンピオンSでは道悪を受け3着だったものの、前走米G1・ブリーダーズカップターフでも崩れず2着に踏ん張った。距離短縮はプラス。
△フローレ(セン6、香、A・クルーズ厩舎)
昨年の香港ダービー馬。ここ最近の充実が著しい。勝ち切れないキャラだったものの、休み明けの香港G2・シャティントロフィー11着を叩いて臨んだ香港G3・レディースパースで後方から差し切り勝ちを決めると、続く香港G2・ジョッキークラブカップでは先行策から抜け出し、強豪エグザルタントを下した。完全に充実期が来ているようで、そこにモレイラ騎手が乗るとなれば押さえなければいけないだろう。
△スカレティ(セン5、仏、J・レニエ厩舎)
勢いがあるのはフランスから遠征するこの馬。今年の上半期こそ微妙な戦績だったが、8月の仏G3・ゴントービロン賞で後の凱旋門賞馬ソットサスを下し、続く仏G2・ドラール賞も後方から鮮やかな差し切ってみせた。一線級相手の前走、英G1・チャンピオンSでもマジカルに先着するなど、地力強化著しい。馬場は渋ったほうが良さそうだ。良馬場の切れ味勝負は分が悪い。
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。