
競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【凱旋門賞】前哨戦は日本馬勝利!本番有利になるのは…
2025/10/4(土)
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凱旋門賞(G1・芝2400m)10月5日 23:05発走 パリロンシャン競馬場日本馬の評価今年の天皇賞・春で2着に入ったように、スタミナなら日本馬の中でもダントツと言っていい存在。以前は気性面で危うさこそあったものの、成長に伴いレース振りが安定してきた。
海外への対応力も高く、なおかつ心臓が強い分欧州のアップダウンに強い。前走のフォワ賞も馬場を考えると2.28.32というタイムはだいぶ優秀。
60kgだった3走前のレッドシーターフハンデを完勝しているように、斤量は重くなってもこなせる点が好材料。名前の通り夢を見せてくれる可能性は十分。
ー⑮クロワデュノール今年の日本ダービー馬。前走プランスドランジュ賞はそれ以来の実戦で、しぶとく伸びて叩き合いを制した。着差は小さかったものの、状態面も上がり切っていなかったとのことで、能力的にはもっと走れていい。
母のライジングクロスが英オークス2着とヨーロッパで実績を残した馬。前走いきなりフランスの道悪をこなしたように雨予報もこなしそうではあるが、あくまでこなしそうというレベルであって、大歓迎とは言い難そうだ。
ー⑯アロヒアリイ日本ではまだ新馬戦の1勝しか挙げていないものの、前走初の海外レースとなったギヨームドルナノ賞を逃げ切ってファンを驚かせた。弥生賞では3着に入っていたとはいえ海外初戦でここまでやれるあたり気性や馬場といった要素がフランスで上手く噛み合ったと言えそうだ。
ただスローペースの逃げ切り勝ちという内容で、今回は多頭数になるのがマイナスポイント。今回が試金石となりそうだ。
外国馬の評価◎⑩アヴァンチュール昨年の凱旋門賞2着馬で、今年は4戦3勝、2着1回とまったく崩れなし。安定感抜群の走りを見せている。ヴェルメイユ賞も斤量が約3.5kg軽いゲゾラを完封してみせた。
このゲゾラは今年のフランスオークスを勝っている実力馬で、問題にしなかった点を評価したい。
主戦のギュイヨン騎手がソジーではなくこちらに騎乗してきたあたり、オーナーサイドがより期待しているのはこちらでは。
○⑰ミニーホーク現在5連勝中、ヨーロッパの現3歳牝馬を代表する1頭。英愛オークスに加えてヨークシャーオークスも勝って勢い十分。ヨークシャーオークス組は3年前にアルピニスタが勝利するなど、凱旋門賞とも相性がいい。
勝ちタイムはここ10年のヨークシャーオークスの中では3番目という好タイムでもあり、今の充実度なら侮れない。内枠も歓迎。
☆⑨カルパナ昨年の英G1チャンピオンフィリーズ&メアズステークスを勝った馬で、今年の"キングジョージ"ではカランダガンの2着と牡馬相手でも通用している。昨年G1を勝った際に道悪だったように、この馬は道悪が上手い。
前走のセプテンバーSは凱旋門賞のステップレースとして利用されるレースで、明らかに一叩きの気配がある。カランダガンに迫った実力を見せたい。
△④ソジー今年の春シーズンにガネー賞やイスパーン賞といったフランスG1を勝ってきた強豪で、昨年の凱旋門賞では1番人気に推されていた馬。前走のフォワ賞ではビザンチンドリームの2着だったものの、展開的に若干恵まれなかった印象を受ける。
ただし昨年の凱旋門賞も4着、今年の春シーズンは2000m前後の距離で勝ったように、本質的に中距離馬の可能性も。オーナーサイドは主戦のギュイヨン騎手をアヴァンチュールに回している点も見逃せない。
△⑤ロスアンゼルス昨年のアイルランドダービーの優勝馬で、今年の英G1タタソールズゴールドカップを勝っている強豪。ここ3走はあと一歩の成績が続いているものの、すでにロンシャンで好走歴がある点は好材料。
ただし現在ムーア騎手がケガで離脱し、代わりに主戦に迎えられたスミヨン騎手が同厩舎のミニーホークに騎乗する。陣営の期待度はミニーホークのほうが高いと考えられる。
△⑫ルファール凱旋門賞と同じ舞台で行われる夏のフランスのG1パリ大賞を勝った馬。正直なところ相手関係に恵まれた面は否めず、前走のニエル賞でも届かなかったように力の差がありそうではあるものの、内目の6番を引き、なおかつ引き続きC.デムーロ騎手を配してきた。大穴で。
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。
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