チャンス襲来

口あんぐりとはよく言ったものである。昨日6月29日(金)の阪神タイガース-ヤクルトスワローズの1戦。8-8の同点で迎えた7回裏、1アウト2塁でヤクルトの代打・荒木選手がサードゴロ。阪神のサード・北條選手は当然、2塁ランナーの藤井選手にタッチしに行ったよう見えた。

しかし藤井選手は北條選手のタッチを避けるように走り、転がるように3塁へ進み、セーフの判定。ランナーが明らかに走路を離れており、それだけでも野球規則上はアウト。しかし「北條選手がタッチしに行っていない」という理由でセーフとなってしまった。

直後に2点タイムリーを浴び、結果9-10で敗れた阪神。そもそも6-2から逆転されるのもまずいのだが、あの『大誤審』が勝敗に与えた影響は大きい。セーフという判定が出た直後、筆者の開いた口は塞がらなかった。

完全に忘れていたが、当コラムは野球コラムではなかった。競馬の話をしよう。

日曜福島メインレースはラジオNIKKEI賞(G3)。2013年に開幕週へ移設されたが、それ以前と比べると上がり3Fタイムは変わらないものの、勝ち時計は1秒ほど速くなっている。その影響もあり、ニューイングランド産駒が勝った重賞も、軽いスピードを持つディープインパクト系が3連勝するレースに様変わりしてしまった。

よりスピード、軽さが求められるようになった分、近年注目したいのは『マイル以下のオープンで5着以内』がある馬。2013年2着のカシノピカチュウ、2014年3着ウインフェニックス、2016年2着ダイワドレッサーらがこのパターンに当てはまる。

今年該当する馬は◎キボウノダイチただ1頭。ここまで7戦2勝ながら、掲示板外となった2回は先行できなかった黄菊賞、そして距離が長かった梅花賞と敗因はある。非常に福島が合いそうな配合で、実際同じバゴ産駒からは2015年2着のミュゼゴーストが、母父ステイゴールドの産駒には2013年1着ケイアイチョウサン、2017年2着のウインガナドルが出ている。少々先行馬が多いのは気になるものの、うまく兼ねあうことができればチャンスはあるだろう。

他では、ディープインパクト産駒の素質馬フィエールマン、同じく素質十分イェッツト、福島替わりが良さそうなロードアクシスあたりを重視したい。

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中京のメインレースはCBC賞(G3)。直線が長いものの、直線入口に上り坂があることで1200m重賞にしては持続力が問われるのがこのレース。例年中京芝1400m以上で好走歴があり、かつ持続力に優れたグレイソヴリンの血を持つ馬が強い。

今年この条件に該当するのはペイシャフェリシタアレスバローズの2頭。悩んだが、充実一途の◎ペイシャフェリシタをチョイスする。昨年秋に1400mの神奈川新聞杯を制した際、騎乗した蛯名騎手が「1200ならもっと切れる」と言っていた。その後1200mで[2-1-0-1]という充実した成績を見ると、名手の感触は正しかったことが分かる。

2走前の1400m阪急杯も勝ち馬ダイアナヘイローから0.1秒差の5着。休み明けは走れる馬で、中京1200mは準オープンを制した舞台。土曜の中京芝を見ると、開幕週とはいえ決して内ラチ圧倒的優位という馬場ではなく、8枠からでも好勝負が期待できそうだ。

前走安土城Sで後の安田記念馬モズアスコットを破り、1200mにも対応可能なダイメイフジが対抗。血統背景が悪くないアレスバローズ、前走鞍馬Sで差し競馬になる中先行して粘ったセカンドテーブルなどを重視する。

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函館11R・巴賞は◎アングライフェン。雨が降り続き、道悪になりそうな日曜の函館競馬場だが、昨年夏の重馬場だった函館記念で接戦の末4着など、ステイゴールド×パントレセレブルの配合らしく洋芝の道悪決着を苦にしないのがこの馬のいいところ。集中力が課題のタイプだが、今回は最内枠ということで、馬群の中で集中力を切らさずに競馬をすることができるだろう。

同じく道悪の洋芝を苦にしなさそうなアストラエンブレムなども一緒に買っておきたい存在だ。

他のレースからは函館12R・道新スポーツ杯ドウディを挙げておきたい。とにかくこの馬、道悪は鬼。コンデュイット×ダンスインザダークという配合通り、時計の速い決着より、少し時計の掛かる決着を好む。前走はスタート一息で外を回す競馬。開幕週でこの競馬をしては6着でも仕方ない。条件が良化している今回、前進を期待したい。

さて、我らが阪神タイガースは今日もヤクルトスワローズとの一戦に臨む。相手の先発はハフ投手。前回の対戦時は8安打を浴びせるも得点を奪えなかっただけに、打線の工夫を期待したいところだ。まあ工夫して簡単に打ち崩せるような打線だったら、今ごろ借金4と苦戦していないだろうが……。