インティ

(牡5、栗東・野中厩舎)

ケイムホーム
キティ
母父Northern Afleet
通算成績7戦6勝
重賞勝利 19年東海テレビ杯東海S(G2)
連対時
平均馬体重
510kg (最高:520kg)
(最低:496kg)
前走時馬体重514kg
POINT
腹周りはふっくらとして見せるが、これは父ケイムホームにも見られる特徴で遺伝したモノと考えて良いだろう。ダートの活躍馬らしい重厚感のある立ち姿だ。父は背中の短さが目立つ種牡馬で、産駒の活躍も短距離に集中しているが、この馬は比較的背中を長く見せている。腹側のラインとも平行に近く、このような体型をした馬は一般的に長く脚を使う競馬が合っている。シルエットもやや長方形で、マイルは忙しいイメージ。距離はやはり1800m~2000m辺りがベストだろう。近年のフェブラリーSは背中側が短く、腹側が長い「瞬発力型」の馬が活躍しており、馬体構造としては傾向と真逆のタイプ。適性的にどうかだが、前走時よりも筋肉は明らかに引き締まっており、下腿部には血管が浮き上がって馬体の張りは抜群。文句無しの好仕上がりでレースを迎えられそうだ。

オメガパフューム

(牡4、栗東・安田翔厩舎)

スウェプトオーヴァーボード
オメガフレグランス
母父ゴールドアリュール
通算成績9戦5勝
重賞勝利 18年東京大賞典(G1)
18年シリウスステークス(G3)
連対時
平均馬体重
453kg (最高:462kg)
(最低:446kg)
前走時馬体重452kg
POINT
馬体重450キロ台とダートを主戦場にしている馬の中では小柄。肩周り、トモにしっかりと筋肉は付いているが、決して見栄えのするタイプではない。キ甲も抜け切っておらず、まだ背も伸びるだろう。この完成度でG1を勝利したことからも身体能力・特に心肺機能の高さが窺える。父スウェプトオーヴァーボードは短距離馬を多く輩出しているが、この馬は全体のシルエットに対して背中が長めでゆとりある造り。四肢を伸ばすフットワークということもあり、馬格の割にストライドが広い。スピードに乗ると良い脚を長くキープすることが出来る一方で、瞬間的に脚を使う末脚比べは苦手な印象。東京マイルのようなワンターンより、コーナーで加速出来るコースが合っているのでは。前回の立ち写真よりも筋肉の張りはアップしており、確かな成長を感じさせる。この舞台でどこまで。
今週のイチオシ

クインズサターン

(牡6、栗東・野中厩舎)

パイロ
ケイアイベローナ
母父クロフネ
通算成績24戦5勝
連対時
平均馬体重
468kg (最高:478kg)
(最低:460kg)
前走時馬体重476kg
POINT
まず注目したいのが胴周り。背中側が短く、腹側のラインが長く見える形をしているが、これは体の伸縮性に優れた瞬発力タイプの造りであり、近年の当レースの好走馬体と合致する。また胴の長さ自体もやや短く、全体のシルエットも正方形に近い。18年シーズンは中距離を中心に使われてきたが、東海Sの馬体診断で「マイルがベスト」と書いたように、馬体構造からは1400~1600mが合っている印象だ。もう一つ注目してもらいたいのが脚元の造り。一般的にダート向きの蹄は蹄底が厚く立っているとされるが、この馬は比較的蹄の角度が寝ていて薄い。深いパサパサのダートよりも、脚抜きの良い高速馬場が向いているのではないだろうか。芦毛で毛艶は判別しづらいが、トモの筋肉には明瞭なスジが入っており、馬体の張りはかなり良い。上位争いに期待したい。
今週のイチオシ

ゴールドドリーム

(牡6、栗東・平田厩舎)

ゴールドアリュール
モンヴェール
母父フレンチデピュティ
通算成績18戦8勝
重賞勝利 18年帝王賞(Jpn1)
18年かしわ記念(Jpn1)
17年チャンピオンズカップ(G1)
17年フェブラリーS(G1)
16年ユニコーンステークス(G3)
連対時
平均馬体重
521kg (最高:538kg)
(最低:512kg)
前走時馬体重524kg
POINT
一般的にダート馬は筋肉量が豊富=肉付きも良くなる傾向にあり、時には重厚感があり過ぎるようなケースも見られるが、この馬は骨格バランスが非常に整っているため、全く重苦しさを感じさせない。背と腹のラインを比較した際に背中側が短く映る体型だが、このような構造は追い込み馬に良く見られ、身体をスムーズに前後へ伸縮させることが出来るため溜めて切れる馬が多い。早めに動き出すよりも、我慢させて良さが出るタイプと言えるだろう。東京ダ1600では【3.2.0.0】と抜群の安定感を誇るが、距離そのものよりも末脚勝負になりやすい東京コースが合っているからこその実績と見ている。馬体の張りは相変わらず良い状態で好仕上がり。ただ、立ち写真としては昨年のほうが迫力があった印象で、能力としては現状維持の雰囲気を感じた。当然、有力候補の1頭ではある。
今週のイチオシ

コパノキッキング

(セ4、栗東・村山厩舎)

Spring At Last
Celadon
母父Gold Halo
通算成績9戦7勝
重賞勝利 19年根岸ステークス(G3)
18年カペラステークス(G3)
連対時
平均馬体重
471kg (最高:480kg)
(最低:462kg)
前走時馬体重478kg
POINT
ダート短距離馬は見た目から筋骨隆々といったタイプが多く見られるが、このコパノキッキングはムダ肉が少なく、一見するとシャープに映る体型をしており、良い意味でスプリンターらしくない。根岸Sの当コラムでも書いたように、造りを見る限りマイル戦でもその末脚を発揮してくれるのでは無いだろうか。背中側が短い構造はゴールドドリームの欄でも述べたように、伸縮性に優れた追込馬に多い。フェブラリーSで近年好走している馬たちの体型と共通する特徴だ。シャープな造りは素軽さにも通じ、芝のレースのような切れ味を繰り出せるのもこの体付きによるところが大きい。出来れば馬場は軽い方が合っているだろう。昨夏から長い休養も無く使われているが、前走と比較しても馬体は磨きが掛かってきた印象で、筋肉の輪郭もより明瞭になってきた。G1の舞台でも期待大。
class="imgYoko"

馬体診断における基本ポイントを伝授!奥が深い馬体の世界に足を踏み入れてみよう!

サクセスエナジー

(牡5、栗東・北出厩舎)

キンシャサノキセキ
サクセスアイニー
母父ジャングルポケット
通算成績16戦7勝
重賞勝利 18年さきたま杯(Jpn2)
18年かきつばた記念(Jpn3)
連対時
平均馬体重
530kg (最高:542kg)
(最低:516kg)
前走時馬体重542kg
POINT
短く太いクビさし、キ甲から背中へと流れるライン、そしてボリューム感のある筋肉の付き方は父キンシャサノキセキと良く似ている。ただこの馬は仙骨の角度が地面と水平に近い『平尻』であることから、父ほどの瞬発力は持ち合わせていない。その分スピードの乗りが良く、先行して押し切る競馬を得意としているのだろう。540キロを超える大型馬で、豊富な骨量と筋肉から生み出されるパワーとスピードの持続力が武器だ。1200~1400mを中心に使われているが、前脚は比較的長く、またその大柄な馬格からストライドも大きい。胴周りの造りにも窮屈さを感じないので、マイル戦への対応は十分可能と見た。毛艶も光り輝いており、下腿部にも太い血管が浮き上がって皮膚を薄く見せている。相手は一気に強くなるが侮れない1頭だ。

サンライズソア

(牡5、栗東・河内厩舎)

シンボリクリスエス
アメーリア
母父スペシャルウィーク
通算成績20戦5勝
重賞勝利 18年平安ステークス(G3)
18年名古屋大賞典(Jpn3)
連対時
平均馬体重
505kg (最高:518kg)
(最低:494kg)
前走時馬体重522kg
POINT
3歳時の立ち姿と比較して骨量・筋肉量が増えてきており、更にダート志向が強くなって全体に迫力が増してきた印象がある。特にクビ肩周りの筋肉が盛り上がるように発達しており、トモも勿論立派ではあるが、より目に留まるのは前駆の筋肉。デビュー戦を芝で勝っているように素軽さも兼備している馬で、重厚感がありつつも重苦しさを感じさせ無い体付き。時計の出るスピード決着にも上がりが掛かって力を要する馬場にも対応できるストライクゾーンの広いタイプの馬と見ている。ただ骨格に対して胴はやや長く、マイルは現状幾分短いイメージ。背中側と腹側のラインは平行に近く、瞬間的な加速より持続力に長けた造りであることからも、当レースに対する適性はそう高くない。肋骨が薄っすら感じ取れ、毛艶も抜群であるように仕上がり自体は良いので、地力に期待したい。

サンライズノヴァ

(牡5、栗東・音無厩舎)

ゴールドアリュール
ブライトサファイヤ
母父サンダーガルチ
通算成績20戦7勝
重賞勝利 18年東京中日S杯武蔵野S(G3)
17年ユニコーンステークス(G3)
連対時
平均馬体重
532kg (最高:546kg)
(最低:526kg)
前走時馬体重540kg
POINT
馬体重530キロを超えるかなりの大型馬。数字だけを聞くと重厚感があり過ぎるイメージを抱いてしまうが、この馬はバランスが非常に整っているので全く重苦しさを感じさせない体付きを披露している。馬体構造を見ていくと、まず注目したいのがコロンとして後躯に向かって右上がりに締まった胴周り。背中側と腹側のラインの比率と同様に、このような体型も伸縮性に優れた馬に多く、差し・追い込みで瞬間的に速い脚を繰り出すことが出来る。昨年の同時期は未完成な点が目立っていたものの、1年経ってキ甲も抜けて骨格は完成。本来ならばパフォーマンスを上げてくるところだが、筋肉の陰影や輪郭・張りはチャンピオンズC時のほうが良く見せていた。毛艶・馬体の張り・仕上がりは前走よりも上向いているので、残りの1週間でもう一段階良化してきてほしいところ。

ノンコノユメ

(セ7、美浦・加藤征厩舎)

トワイニング
ノンコ
母父アグネスタキオン
通算成績25戦8勝
重賞勝利 18年フェブラリーS(G1)
18年根岸ステークス(G3)
15年ジャパンダートD(Jpn1)
15年東京中日S杯武蔵野S(G3)
15年ユニコーンステークス(G3)
連対時
平均馬体重
450kg (最高:456kg)
(最低:444kg)
前走時馬体重446kg
POINT
馬体重は440キロ台と小柄な馬だが、肩周り・トモにしっかりと筋肉が付いているため数字以上に大きく見せる立ち姿。胴が短めで、特に腹側よりも背中側が短く見え、更に後躯に向かってキュッと締まった腹周り。瞬発力に秀でた造りであり、胴の長さも含めて父トワイニングに近いモノがある。父の活躍馬は比較的差し・追い込みタイプが多かったことからも『父似』と判断して良い。昨年の覇者であり当レースに対する適性は言うまでも無い。背~腹にかけて銭型が薄っすら浮いてきているように、代謝の良さが感じられる。昨年の同時期も毛艶が光っていかにも好調といった雰囲気だったので、冬場に調子を上げてくるタイプという見方も出来、体調は良さそうだ。ただ前走時は左後肢だけだった接着装蹄が、今回は両前にも見られる点が馬体から伝わる唯一の懸念材料か。

モーニン

(牡7、栗東・石坂正厩舎)

Henny Hughes
Giggly
母父Distorted Humor
通算成績23戦8勝
重賞勝利 18年コリアスプリント(韓G1)
16年フェブラリーS(G1)
16年根岸ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
523kg (最高:530kg)
(最低:516kg)
前走時馬体重522kg
POINT
16年の勝ち馬だが、当時よりもクビさしが明らかに太くなり、胸前やトモの筋肉もボリュームアップ。高速決着にも対応可能な素軽さは感じさせつつも、体付きが逞しくなり、よりパワー型にシフトしてきた印象を受ける。元々、後肢が長めの馬でキ甲も抜けきっていなかったことからトモ高な面が見られたが、骨格に関しては完成。大きな骨格と豊富な筋肉が主張する体型となり、短距離志向が強くなってきた雰囲気がある。背中側が短い構造は当レースへの適性を感じさせるが、現状としては1600mは1F長いとの見立て。ただ皮膚を薄く見せているように馬体の張りは抜群で、下腿部には網目のように血管が浮き上がり、筋肉の輪郭も明瞭。文句無しの好仕上がりと言って良いだろう。

ユラノト

(牡5、栗東・松田国厩舎)

キングカメハメハ
コイウタ
母父フジキセキ
通算成績15戦6勝
連対時
平均馬体重
493kg (最高:506kg)
(最低:480kg)
前走時馬体重506kg
POINT
前駆・後躯ともに筋肉量が豊富で、特にトモの筋肉はパンとした張りを感じさせる。見た目から肉付きの良い筋肉質な体型は父キングカメハメハからの遺伝だ。母コイウタはヴィクトリアマイルを制した芝G1馬だが、この馬は繋ぎが短く立っていて、蹄は小さいながらも膨らみを感じるダート向きの脚元。飛節の折りは深い部類で、瞬間的に小脚を使うような展開も苦にしない。器用な競馬が出来るタイプと見ている。全体のシルエットに対してゆとりある背中の造りをしており、距離には融通が利く。1800mでも勝ち星があり、むしろ1400mは気持ち短いと感じていたくらいなので、マイルへの延長は素直に好材と受け止めたい。前走に引き続き全身に血管が浮き上がっており、皮膚を薄く見せているように筋肉の張りは素晴らしい。上位評価からは漏れてしまったが、必ず押さえたい1頭。

ワンダーリーデル

(牡6、栗東・沖厩舎)

スタチューオブリバティ
アストレアピース
母父マヤノトップガン
通算成績21戦5勝
連対時
平均馬体重
526kg (最高:532kg)
(最低:520kg)
前走時馬体重534kg
POINT
今回が初の立ち写真。まず初見で第一印象に浮かんだのが『骨格が非常に大きい』ということ。馬体重530キロを超す大型馬だけに当然、肩周りやトモの筋肉も立派なのだが、何よりも背の高さが目立つ立ち姿を披露している。その馬格からフットワークも雄大で、跳びはこの路線を歩んできた馬の中でも大きいタイプ。胴周りは決してゆとりのある造りではないが、マイルへの距離延長は対応可能と見た。ダート馬の中では蹄が薄く、また角度も寝ている部類に入り、芝馬のようなイメージがある。脚抜きの良い馬場向きの構造ではないだろうか。腹はコロンとして見えるが、父スタチューオブリバティも腹周りはしっかりとした造りだったので、このくらいの仕上げでも太め感は無い。薄っすらとではあるが、肋骨も感じ取れる。問題なく力を発揮できる状態だ。

アンジュデジール

(牝5、栗東・昆厩舎)

ディープインパクト
ティックルピンク
母父フレンチデピュティ
通算成績19戦6勝
重賞勝利 18年JBCレディスクラシ(Jpn1)
18年エンプレス杯(Jpn2)
18年マリーンカップ(Jpn3)
17年スパーキングレディー(Jpn3)
連対時
平均馬体重
469kg (最高:480kg)
(最低:460kg)
前走時馬体重488kg
POINT
【骨折で出走回避】斜めに映る仙骨の角度はいわゆる「斜尻」と言われる造りで、父ディープインパクトから遺伝したと考えられる特徴。父の産駒はどうしても芝>ダートというイメージが強いが、この馬は繋ぎの角度が垂直に近いほど立っており、蹄にも厚みがある。脚元の造りはダート向きだ。筋肉量が豊富で牝馬の中ではかなり見栄えする部類に入るが、ダート馬という観点から見ると素軽さを感じさせる体付き。この辺りも父から受け継いだ部分が大きいと見る。スピードに長けたタイプのため、マイルへの距離短縮はプラスに働くだろう。昨秋から馬体がどんどんボリュームアップしてきており、ココに来て充実期を迎えている印象。前走は直線で鞍上が追うのを止めるほどの大敗だったが、馬体を見る限りダメージは感じられない。引き続き好調をキープしており、巻き返しがあっても驚け無い。

レッツゴードンキ

(牝7、栗東・梅田智厩舎)

キングカメハメハ
マルトク
母父マーベラスサンデー
通算成績30戦3勝
重賞勝利 17年京都牝馬ステークス(G3)
15年桜花賞(G1)
連対時
平均馬体重
481kg (最高:506kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重502kg
POINT
【出走回避で阪急杯へ】明け7歳ということもあり、さすがに全盛期と比較して筋肉量は徐々に減少してきた雰囲気があるものの、それでも高いレベルでキープしている辺りは立派。元々胴は短めで、飛節の折りも深いことから瞬間的なスピードの乗りも良かったことから短距離向きの体付きではあったが、スプリント路線に的を絞って使われたため、より筋肉量が増加して純粋なスプリンターになったと見ている。体の柔らかい牝馬とはいえ、歳を重ねるにつれて柔軟性が失われていくのは仕方のないところ。その硬さが却ってダートではプラスに働くと考えることも出来るが、1600mは長い印象。昨年も内目から一瞬伸びて見せ場を作ったが、最後伸び切れなかったのは距離が原因だろう。前腕・下腿部に血管を感じ取れるように馬体の張りも上々で、状態は悪くない。マイル戦をどう乗り切るかがカギ。
競馬ラボに掲載されている記事・写真・映像などの無断複製、転載を禁じます。