弥生賞

チューリップ賞

カントル

(牡3、栗東・藤原英厩舎)

ディープインパクト
ミスアンコール
母父キングカメハメハ
通算成績4戦2勝
連対時
平均馬体重
458kg (最高:460kg)
(最低:456kg)
前走時馬体重460kg
POINT
全兄に昨年のダービー馬・ワグネリアンがいる良血馬。全兄弟ということもあり全体のフレームはやはり似ているが、同時期の兄と比較するとクビさし、腹周り、そしてトモ周辺の肉付きが良い。馬体重こそ大きく変わらないが、弟のほうがややパワー寄りの印象を受ける。特にクビ周りの筋肉が発達しているが、同厩舎所属のディープインパクト産駒はギベオン、ステファノスらも同様の造りを見せていた。藤原英厩舎は平地追いメインでクビを上手に使わせる調教を重視しており、調教スタイルが馬体構造に影響を与えている好例と言えるだろう。兄は中山で2走していずれも敗れているが、むしろこの弟に関しては、パワーの必要な中山が向くのでは無いだろうか。成長余地を残しつつも馬体の張りは上々で、毛艶も光っている。勝ち負けに期待。

サトノラディウス

(牡3、美浦・国枝厩舎)

ディープインパクト
アーヴェイ
母父Danehill Dancer
通算成績3戦2勝
連対時
平均馬体重
493kg (最高:494kg)
(最低:492kg)
前走時馬体重494kg
POINT
仙骨に角度のある斜尻、直飛寄りの飛節と後肢のパーツは父ディープインパクト譲り。ただ、筋肉の隆起ははっきりしているタイプで、骨格自体も父の産駒の中では大型の部類に入る。全体的なイメージは筋肉量・骨量が共に豊富な母父のデインヒルダンサーが強く出ているのでは無いだろうか。新馬戦では上がり3F33秒4の切れ味を発揮しており、大きなフレームを持ちながらも柔軟性に富んでいる点が本馬の長所と言えるだろう。素質はかなり高そうだ。ただ、立ち写真を見る限り筋肉の張りにはまだ良化の余地があり、緩さも感じさせる。パワーの必要な中山が合うイメージはあまり湧いてこない。仕上がりに不安は見当たらないので、性能でどこまでカバーできるか。

ニシノデイジー

(牡3、美浦・高木登厩舎)

ハービンジャー
ニシノヒナギク
母父アグネスタキオン
通算成績5戦3勝
重賞勝利 18年東京スポーツ杯2歳S(G3)
18年札幌2歳ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
478kg (最高:486kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重490kg
POINT
骨格に対してゆとりのある胴の造りで、お腹周りのラインに対して背中が短く見える。身体の伸縮性に優れた体型をしており、一瞬の速い脚も使える構造。上がりの掛かる条件やレースを使ってきたために33秒台の上がりは一度しかマークしていないが、高速上がりになっても十分対応可能と見た。父の産駒は重馬場で好成績を残しているが、この馬も蹄が立ち気味で大きく、道悪も苦にしない造りをしている。1週前の時点ではあるが弥生賞当日は雨マークも付いており、仮に馬場が渋ったならより評価を高めたいところ。今回は休み明けになるが、腹周りは前走とほぼ変わらない状態に映るようにスッキリと見せている。トモは欲を言えばもう少し張りが出てきて欲しいところだが、十分に能力を発揮できる仕上がりだ。

ブレイキングドーン

(牡3、栗東・中竹厩舎)

ヴィクトワールピサ
アグネスサクラ
母父ホワイトマズル
通算成績3戦1勝
連対時
平均馬体重
479kg (最高:488kg)
(最低:470kg)
前走時馬体重494kg
POINT
筋肉量・骨量が豊富なヴィクトワールピサ産駒らしい体型で、黒鹿毛の毛色も相まって迫力のある立ち姿を披露している。クビさしや肩周りの筋肉が目立ち、トモも丸みを帯びて大きく発達している。パワーに秀でた造りで、ホープフルSは5着に敗れたものの、本質的に中山コースとの相性は悪くないはず。胸の角度も深く、心肺機能の高さも窺える。背と腹のラインも平行に近いタイプなので、持続力勝負で強さを発揮しそうだ。休み明けのレースとなるが、馬体重を続けて増やしてきていた前走時よりも、却って腹周りはスッキリとしている。関東への輸送を考えると、今回は馬体重を減らしてくることも想定したい。下腿部には血管が浮き上がっているように馬体の張りは上々、目一杯の仕上げでは無くとも上位進出が期待できそうだ。

メイショウテンゲン

(牡3、栗東・池添兼厩舎)

ディープインパクト
メイショウベルーガ
母父フレンチデピュティ
通算成績5戦1勝
連対時
平均馬体重
462kg (最高:466kg)
(最低:460kg)
前走時馬体重466kg
POINT
前走の馬体診断からの引用になるが、母メイショウベルーガと似た雰囲気の立ち姿を披露しており、芦毛で筋肉の輪郭は掴みづらい馬。ディープインパクト産駒の中ではシャープに映る印象をした体付きで、背中が長く映るシルエット。瞬間的な加速よりも、長く良い脚を使う馬に多い体型をしている。馬格に対して脚もスラッと見せているように長く、未勝利を阪神の外回りコースで挙げたように、広いコースで伸び伸びと走らせて良さが出るのでは無いだろうか。小回りでO型コースの中山芝2000への舞台替わりはプラスとは言えない。馬体は引き締まっており、トモの下腿部には血管が浮き上がっているように、張りも出てきた。状態面は前走より良化していると見て良いだろう。
今週のイチオシ

ラストドラフト

(牡3、美浦・戸田厩舎)

ノヴェリスト
マルセリーナ
母父ディープインパクト
通算成績2戦2勝
重賞勝利 19年京成杯(G3)
連対時
平均馬体重
455kg (最高:456kg)
(最低:454kg)
前走時馬体重456kg
POINT
馬体重は450キロほどと牡馬の中ではコンパクトなサイズだが、骨格に対しての筋肉量が豊富。ノヴェリスト産駒は重厚感のあり過ぎる馬が多い印象だが、この馬は非常にバランスが整っていて素軽さを感じさせる体付き。サンプル数は少ないが、これまで見たノヴェリスト産駒の中では最も魅力的に映り、素質の高い馬と考えている。母マルセリーナは桜花賞を制しており、シルエットも正方形に近い。本質的に距離はマイル~2000mが合っているだろう。既に京成杯で結果を出しているように、コース適性に関して言うことはなし。トモの筋肉には大きなスジが入り、太い血管も浮き上がっているように素晴らしい張り。肋骨も薄っすらと見え、ムダ肉が感じられない好仕上がりを見せている。勝って3戦3勝で皐月賞へ向かいたいところ。

アフランシール

(牝3、美浦・尾関厩舎)

ハーツクライ
ルシュクル
母父サクラバクシンオー
通算成績4戦2勝
連対時
平均馬体重
478kg (最高:482kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重482kg
POINT
父ハーツクライ譲りの胴長体型。飛節の折りも深く、父の特徴が強く発現している馬体構造だ。前走時の馬体重が482キロと牝馬の中では比較的馬格に恵まれている馬だが、全体の肉付きはシャープな印象で、重厚感やパワーよりも素軽さが全面に出ている印象がある。胴周りにゆとりがある分、距離は中距離~が良さそうなイメージを持っていただけに、前走で1400m戦に対応して来たのは意外。ただレースを見返すと分かるが、勝負どころで抑えきれないほど前向きな気性をしており、コース取りも外々を回して長く脚を使わせていた。ゆえに、本質的に得意では無い距離でも勝ち切ることが出来たのでは無いだろうか。馬体構造から距離延長は問題ないと見ている。休み明けでも仕上げやすいタイプなのだろう、ムダ肉はほとんど感じられない。毛艶はあまり見栄えがしないものの、いきなり動けそうな雰囲気だ。

シェーングランツ

(牝3、美浦・藤沢和厩舎)

ディープインパクト
スタセリタ
母父Monsun
通算成績4戦2勝
重賞勝利 18年アルテミスステークス(G3)
連対時
平均馬体重
477kg (最高:480kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重466kg
POINT
半姉ソウルスターリングも非常に見栄えする馬体の持ち主だが、この妹も負けず劣らず好馬体を披露している。斜尻直飛のディープインパクト産駒らしい後肢の造りで、全体にバランスが良い。母父モンズーンの影響か父の産駒にしては腹周りがどっしりとしており、底力のありそうな腹袋。上がりの掛かるような苦しい展開も苦にしない。同時期の姉と変わらない馬体重だが、立ち姿としてはこの妹のほうが純粋な筋肉量が多い印象で、よりマイラー志向が強い。骨格に対して特別脚が長いワケでは無いのだが、可動域が広いためかストライドは比較的大きく、広いコース向き。伸び伸びと走らせることで能力を発揮することだろう。前述のように腹袋が大きいためふっくらと見せるが、それを含めても今回はやや腹周りにゆとりを感じる。今回も動ける水準ではあるが、使って良くなりそう。

ダノンファンタジー

(牝3、栗東・中内田厩舎)

ディープインパクト
ライフフォーセール
母父Not For Sale
通算成績4戦3勝
重賞勝利 18年阪神ジュベナイルF(G1)
18年KBSファンタジーS(G3)
連対時
平均馬体重
455kg (最高:460kg)
(最低:442kg)
前走時馬体重460kg
POINT
前走の馬体診断でも書いたように胴が短く見える体型。柔軟性に富んでいるためある程度融通は利くと思われるが、本質的には距離の上限があるタイプ。現状はマイルまで、将来的には短距離路線を歩んでいる可能性も十分にある。正方形のシルエットで身が詰まっている印象があり、特にトモの筋肉量は骨格に対して立派に見せる。後躯のパワーはそのまま推進力に繋がるため、新馬から安定して高いパフォーマンスを発揮出来ているのだろう。始動戦となるが背中から腰部にかけて冬毛が伸びていることが分かる。牝馬は冬毛が伸びやすいとされるが、代謝が良く120%の体調といった雰囲気では無さそう。ただ、後肢の下腿部には血管が浮き上がっていて、馬体の張り自体は良さそう。何かに足下を掬われるシーンがあって不思議ないが、大崩れはまず考えにくい。
今週のイチオシ

メイショウショウブ

(牝3、栗東・池添兼厩舎)

ダイワメジャー
メイショウスズラン
母父キングカメハメハ
通算成績5戦1勝
連対時
平均馬体重
480kg (最高:482kg)
(最低:478kg)
前走時馬体重482kg
POINT
父ダイワメジャー、母父キングカメハメハと筋肉量が豊富な種馬同士の配合ということもあり、双方から遺伝した立派な筋肉を持っている。トモは正方形に近く、3歳春の牝馬としてはかなり容量も大きい。スピードよりも力強さを感じさせる馬体のイメージだが、後躯から生み出される推進力は相当なモノがありそう。脚の長さは平均的だが、クビが短く小気味良い完歩で走るため、走法はピッチ寄り。飛節の折りが深い「曲飛」で、出脚の速さは瞬間的に速い脚を使うことが出来るからだと考える。ダートで初勝利を挙げているように繋ぎは立ち気味で短く、蹄も小さい。芝ダート兼用の脚元だ。肉付きが良いためふっくらとして見せるが、肋骨が感じ取れるように休み明けでも仕上がりは上々。特にトモの張りは目を見張るモノがあり、今回のメンバーで一番良く見えた。勝ち負けに期待している。

ココフィーユ

(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)

ロードカナロア
ブルーミングスノー
母父サンデーサイレンス
通算成績5戦2勝
連対時
平均馬体重
432kg (最高:436kg)
(最低:426kg)
前走時馬体重434kg
POINT
【次週のフィリーズレビューへ】前走時馬体重が434キロ。馬格は牝馬の中で平均よりも小さめな部類に入るが、骨格が小さいというよりも、全体に華奢でシャープな印象を感じる。全体にスッキリと見せている一方で、肩周りやトモにはしっかりと筋肉が付いており、この辺りは父ロードカナロアの長所が出ていると考えられる。骨格の大きさの関係で筋肉量が絶対的に多いというワケでは無いが、肩から前腕にかけて、トモの下腿部には血管が網目状に浮き上がっており、馬体の張り無くしてこのような外貌を披露することは出来ない。推進力の源と言って良いだろう。1400mで2勝を挙げているが、胴周りの造りにもゆとりがあり、距離延長も問題なし。冬毛も伸びておらず、体調は良さそうだ。関西への初輸送となるため、馬体を大きく減らさなければ勝負圏内。
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