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アルアイン

(牡5、栗東・池江寿厩舎)

ディープインパクト
ドバイマジェスティ
母父Essence of Dubai
通算成績15戦4勝
重賞勝利 17年皐月賞(G1)
17年毎日杯(G3)
連対時
平均馬体重
520kg (最高:526kg)
(最低:518kg)
前走時馬体重528kg
POINT
500キロを超える雄大な馬格のディープインパクト産駒で、筋肉量・骨量共に目を見張るモノがある。ディープ産駒特有の柔軟性と瞬発力を持ちつつ、パワーにも秀でている点が本馬の長所と言って良いだろう。時計が掛かる条件よりも、高速決着でより高いパフォーマンスを披露できるタイプ。昨年3着に好走しているレースでもあり、適性は言うこと無い。血統は全く異なるが、ペルシアンナイトと筋肉の付き方や立ち姿の雰囲気に似通う部分がある。恐らく、同厩で飼養管理と調教、主戦場としている路線が同じであるため、近い造りになってくるのだろう。前走は全体的に良化余地を残した体付きをしていたが、一度使われて腹周りはかなりスッキリと見せるようになってきた。筋肉の輪郭・陰を見る限りピークは過ぎた印象も、前走以上の状態で巻き返しは必至。
今週のイチオシ

エアウィンザー

(牡5、栗東・角居厩舎)

キングカメハメハ
エアメサイア
母父サンデーサイレンス
通算成績15戦7勝
重賞勝利 18年チャレンジカップ(G3)
連対時
平均馬体重
497kg (最高:508kg)
(最低:490kg)
前走時馬体重512kg
POINT
盛り上がるように発達した胸前~肩周りの筋肉と、キングカメハメハ産駒らしい丸みを帯びたトモが特徴。父の産駒に良く見られる、筋肉量が多いパワフルなボディを披露している。全体のバランスも非常に整っており、シルエットも美しい。今回が初のG1挑戦となるが、G1馬の中に入っても全く見劣らない好馬体と言えるだろう。金鯱賞時も書いたように、下腿部の張りが特に素晴らしく、今回も網目のように血管が浮き上がっている。立派な筋肉から大きなパワーが生み出されるのは勿論のこと、速いスピードを持続することにも向いている体付き。高速決着が多い大阪杯向きの構造と言える。休み明けとはいえ前走も仕上がりは良かったが、今回はそれを上回る馬体の張りと、毛艶の良さを感じさせる。皮膚も薄く見せ、状態面は文句なし。G1初制覇に期待したいところ。

エポカドーロ

(牡4、栗東・藤原英厩舎)

オルフェーヴル
ダイワパッション
母父フォーティナイナー
通算成績9戦3勝
重賞勝利 18年皐月賞(G1)
連対時
平均馬体重
493kg (最高:498kg)
(最低:490kg)
前走時馬体重496kg
POINT
クビさしが太く、骨格全体に対する筋肉量も豊富。コンパクトにまとまった父オルフェーヴルよりも、母方の特徴が強く出た体型をしており、特に短く立った繋ぎ、蹄の構造は母父のフォーティーナイナーに近いものがある。道悪・荒れ馬場も苦にしない造りと言えるだろう。高速決着も対応出来ないワケではないが、他馬が苦手とする分、時計は掛かって欲しいタイプか。胴がやや詰まった体付きで、本質的に適距離は1600~2000m辺り。腹袋が立派でパワー・底力に秀でており、胸の深さもあって心肺機能も高い。一瞬のスピードよりも、脚を使い切るような持続力勝負に強そうだ。この厩舎らしく一度使って馬体全体が引き締まってきた印象で、筋肉の輪郭も前走よりハッキリと浮かび上がっている。状態は上向き、好勝負が見込めそうだ。

キセキ

(牡5、栗東・角居厩舎)

ルーラーシップ
ブリッツフィナーレ
母父ディープインパクト
通算成績15戦4勝
重賞勝利 17年菊花賞(G1)
連対時
平均馬体重
493kg (最高:504kg)
(最低:486kg)
前走時馬体重506kg
POINT
胴長脚長のシルエット。腰高に見える体型は父ルーラーシップも同様で、後肢自体が長い。一完歩ごとのストライドも大きく、本質的に距離は2400m~のクラシックディスタンスがベストではないだろうか。基本的に小回りよりは大箱コース向きの長く脚を使うタイプでもあり、阪神芝2000mという舞台がカギになりそう。このレースに対する適性はさほど高くないと見た。今回は有馬記念以来のレースとなるが、薄っすらと肋骨が浮き上がっているように太め感無く仕上げられている。ただ、この馬の近走で最も良く見せた昨秋のジャパンC時と比較すると、まだ良化の余地は残されているように感じる。現状でも十分好走レベルにあるが、次走以降でピークの状態になりそうだ。

サングレーザー

(牡5、栗東・浅見厩舎)

ディープインパクト
マンティスハント
母父Deputy Minister
通算成績17戦7勝
重賞勝利 18年札幌記念(G2)
18年マイラーズC(G2)
17年毎日放送賞スワンS(G2)
連対時
平均馬体重
476kg (最高:488kg)
(最低:466kg)
前走時馬体重476kg
POINT
4歳春までマイル路線を歩んでいたが、元々骨格はディープインパクト産駒らしいバランスの良さがあり、中距離まで対応可能なフォルム。マイルを使われていた頃は今よりも筋肉量が主張していた印象があり、ボリューム感のある立ち姿だった。現在はシャープに映るような筋肉の付き方をしており、馬体のイメージがより中距離馬らしくなった。前脚を長く見せており、大きく綺麗な跳びをしている。そのため基本的には広いコースが合っているタイプと言えるが、ディープ産駒の中では飛節がやや曲飛寄りということもあって後肢の回転力は高く、柔軟性に優れていることもあり瞬時に速い脚を使うことが可能。この舞台も問題なくこなせそうだ。日当たりの加減もあるが、毛艶も美しく体調が良さそう。トモにも大きなスジが入っており、馬体の張りは上々だ。いきなり力を出せそう。

スティッフェリオ

(牡5、栗東・音無厩舎)

ステイゴールド
シリアスアティテュード
母父Mtoto
通算成績20戦7勝
重賞勝利 19年小倉大賞典(G3)
18年福島記念(G3)
連対時
平均馬体重
449kg (最高:464kg)
(最低:440kg)
前走時馬体重450kg
POINT
前走の馬体重450キロが示すように、全体にシャープな印象を与える立ち姿。クビも細めでスラッと見せており、胴周りの造りもゆったりとして前後のシルエットは長方形に近い。長距離レースは菊花賞のみの経験だが、馬体のイメージからは長いところを使ってみても面白そう。背中の伸縮性に優れたタイプとは言えないが、長く良い脚を使えるのがこの馬の長所。骨格に対して胸の角度もしっかりとあるので、心肺機能も高そう。強気に、早めに仕掛けるくらいのレースが向いているのでは無いだろうか。両前蹄が接着装蹄で、蹄自体も薄い。良馬場の時計勝負なら問題無さそうだが、道悪は割り引きたいところ。特筆した筋肉量の馬ではないが、アップで見ると全身に血管が浮いており、馬体の張り自体は文句ない。毛艶もビロードのように光沢があり、体調は良さそう。侮れない1頭だ。

ステイフーリッシュ

(牡4、栗東・矢作厩舎)

ステイゴールド
カウアイレーン
母父キングカメハメハ
通算成績10戦2勝
重賞勝利 18年京都新聞杯(G2)
連対時
平均馬体重
455kg (最高:460kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重460kg
POINT
牡馬の中では小柄で見栄えのするタイプとは言えないが、筋肉の輪郭が明瞭に浮き上がっており、骨格に対して筋肉はしっかりと付いている。前回の立ち写真よりも筋肉が主張しており、この短期間でしっかりと成長していることが伝わってくる。全体のバランスも良く、胴周りはゆったりとした造り。中長距離で、かつ長く脚を使わせるようなレースが合っていそう。写真越しでも肋骨がハッキリと確認できるが、これは母カウアイレーンにも見られた特徴でいつものこと。母母父のシルヴァーホークは得てして帯道~肋の部分を細く見せる馬体をしていたため、母方の血が色濃く出ている。更に今回はG1ということで、かなり磨き上げられて来た印象を受ける。トモの張りや毛艶が素晴らしいため体調は文句なしに良さそうだが、1週前でこの腹周り。これ以上は減らしたくないところ。

ステルヴィオ

(牡4、美浦・木村厩舎)

ロードカナロア
ラルケット
母父ファルブラヴ
通算成績10戦4勝
重賞勝利 18年マイルCS(G1)
18年スプリングS(G2)
連対時
平均馬体重
464kg (最高:478kg)
(最低:456kg)
前走時馬体重490kg
POINT
ロードカナロア産駒は父に似た筋骨隆々なタイプと、比較的なだらかな筋肉の付き方をする馬に大別されるが、この馬は後者に分類される馬体構造。筋肉量は豊富だが、バランスの良さもあり非常に素軽い立ち姿を披露している。背中がやや短く、腹側が長く見える胴のライン。飛節の折りも深く、一瞬の切れ味、瞬発力に秀でた形。馬単体は素晴らしいの一言であるものの、大阪杯ではスピードの持続力が問われることが多く、このレース向きの印象は受けない。中山記念は休み明けながらかなりデキが良く映ったため、一度使われてガラッと変わった……という雰囲気ではないか。それでも順当に一度使われ、前走よりも馬体の張りは良化している。毛艶も引き続き良いので、力は問題なく発揮できるのでは無いだろうか。
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今週のイチオシ

ダンビュライト

(牡5、栗東・音無厩舎)

ルーラーシップ
タンザナイト
母父サンデーサイレンス
通算成績18戦4勝
重賞勝利 19年京都記念(G2)
18年アメリカJCC(G2)
連対時
平均馬体重
474kg (最高:492kg)
(最低:464kg)
前走時馬体重492kg
POINT
ルーラーシップ産駒には重厚感のあるタイプが多いが、この馬はデビュー時から細身に映るほどシャープな造り。ゆえに父の産駒の中でも異質と言える、スピードを活かした先行競馬で好成績を残してきた。昨年の宝塚記念辺りから顕著な成長力を見せており、年齢を重ねて筋肉が発達。馬体重こそ10キロ程度であるが、全体のシルエットはかなり逞しくなった。立ち気味の繋ぎから時計の掛かる条件で好走歴が多いものの、体付きを見る限り高速決着にも十分対応できるのでは無いだろうか。大阪杯は馬格のある馬が強く、パワーアップした現在の馬体はこのレースに向いていると言えるだろう。前走時も好仕上がりであったが、毛艶の乗りや輪郭がハッキリとした筋肉の張りは今回の方が上。昨年は6着に敗れたものの、今年は着順を上げてくる可能性が高い。穴候補。
今週のイチオシ

ブラストワンピース

(牡4、美浦・大竹厩舎)

ハービンジャー
ツルマルワンピース
母父キングカメハメハ
通算成績7戦5勝
重賞勝利 18年有馬記念(G1)
18年新潟記念(G3)
18年毎日杯(G3)
連対時
平均馬体重
525kg (最高:534kg)
(最低:520kg)
前走時馬体重534kg
POINT
ハービンジャー産駒の活躍馬には馬格に恵まれた馬が多いのだが、その中でもずば抜けて見栄えするほどの迫力ある馬体。母ツルマルワンピースも牝馬ながら500キロを超える馬体重で出走した経歴があり、大柄な母方の特徴が良い方向に出たようだ。有馬記念時で534キロ、雄大な馬格から繰り出されるパワーは現役でもトップクラスに秀でているが、立ち姿を見ても分かるようにバランスが整っているため、重苦しさを全く感じさせない。純粋な筋肉量は前走よりもボリュームアップしていても、筋肉の付き方が引き締まっているので、スピードの持続力勝負にも難なく対応できそうだ。このレースに対する適性は相当高い。大型馬ということもあって休み明けでは太く映りがちなタイプだが、今回は肋骨が薄っすら感じ取れるほどムダ肉の無い仕上がり。勝ち負けになると見た。

ペルシアンナイト

(牡5、栗東・池江寿厩舎)

ハービンジャー
オリエントチャーム
母父サンデーサイレンス
通算成績16戦4勝
重賞勝利 17年マイルCS(G1)
17年アーリントンC(G3)
連対時
平均馬体重
481kg (最高:492kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重492kg
POINT
マイルでG1勝ちを挙げているものの、全体のバランスが整っており、距離の融通が利くタイプ。肩周りやトモに立派な筋肉が付いているが、シルエットが綺麗であるためパワーと素軽さ、いずれも感じさせる立ち姿。アルアインと全体に似通う部分が多く、前走の当コラムでも書いたように、好走するならば2頭一緒に来る可能性も十分にある。昨年の大阪杯で2着しており、このレースに対する適性は今さら語るまでも無いだろう。さて問題は仕上がり。金鯱賞は陣営の想定通り?と呼ぶべきか磨き上げられたという雰囲気では無かったものの、今回は下腿部に網目のような血管の浮き上がりを見せており、背中には代謝の良い時に出る銭型が現れている。一度使った効果がしっかりと感じられ、パフォーマンスを上げてくるだろう。今回もアルアインとの比較なら、コチラを上位に取る。

マカヒキ

(牡6、栗東・友道厩舎)

ディープインパクト
ウィキウィキ
母父フレンチデピュティ
通算成績16戦5勝
重賞勝利 16年東京優駿(G1)
16年ニエル賞(G2)
16年報知杯弥生賞(G2)
連対時
平均馬体重
500kg (最高:506kg)
(最低:496kg)
前走時馬体重514kg
POINT
馬体重500キロ前後と大型のディープインパクト産駒。トモよりも肩周り・前腕の筋肉が目を引くが、これは母父フレンチデピュティから遺伝した特徴で、全姉のウリウリも同様に前駆が発達。父の産駒らしい柔軟性とパワーを兼備している点が本馬の武器だ。ワンパンチ足りない競馬が続くが、大型のディープ産駒は大阪杯で好走しやすいタイプだけに、このレースへの適性は高い部類に入るのでは無いだろうか。歳を重ねて高速決着に対応できるかがカギ。前回の当コラムでも書いたように、外貌上では筋肉量・馬体の張りは維持しており、肩周りの筋肉は前走よりも迫力がある。毛艶もピカピカで、代謝の良さ、皮膚の薄さを感じさせるように状態自体は近走で1番と言ってもいいほど。メンバーは揃っているが、状態面は文句なし。

ワグネリアン

(牡4、栗東・友道厩舎)

ディープインパクト
ミスアンコール
母父キングカメハメハ
通算成績7戦5勝
重賞勝利 18年東京優駿(G1)
18年神戸新聞杯(G2)
17年東スポ杯2歳S(G3)
連対時
平均馬体重
452kg (最高:460kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重460kg
POINT
斜尻直飛、長駆短背のシルエットで、フレームは父から受け継いだ要素が大きい。いわゆる瞬発力に秀でた造りとされており、パワーよりも瞬間的に繰り出すスピード、素軽い末脚で勝負するタイプ。本質的に阪神より京都、東京のような直線スピードが問われる舞台が向いている印象を抱いていたが、前走後にじっくり休ませた効果か、全体的にボリュームアップしており、何よりも純粋に筋肉量が増えた。肩周り、トモ、いずれも迫力が出てきて、成長の証を馬体に示している。前腕、後肢の下腿部を見ると太い血管がハッキリと確認できるように張りは文句なし。レース適性自体は水準級も、馬は明らかに良くなっており、さすが強い世代のダービー馬といった雰囲気。蹄はダービー時と同様に接着装蹄に戻っているが、休み明けでも太め感なく仕上がった。能力発揮に対し不安はない。
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