マイラーズC

フローラS

インディチャンプ

(牡4、栗東・音無厩舎)

ステイゴールド
ウィルパワー
母父キングカメハメハ
通算成績8戦5勝
重賞勝利 19年東京新聞杯(G3)
連対時
平均馬体重
459kg (最高:464kg)
(最低:452kg)
前走時馬体重460kg
POINT
前走時で馬体重460キロ。牡馬の中では特にずば抜けた馬格の持ち主、というワケではないが、コンパクトにまとまった骨格に豊富な筋肉が付いており、数字以上に見栄えする立ち姿を披露している。特にトモは丸みを帯びて発達し、太い血管が無数に浮かび上がっている。父ステイゴールドよりも母父キングカメハメハの特徴が強く発現しているのだろう。筋肉量の多さから前後に詰まって見えるシルエットで、高速決着にも対応できる短距離志向の強いマイラーと考えて良い。肩の筋肉に浮かび上がる陰影は前走時以上で、この2ヶ月でまたパワーアップしてきた印象。毛艶も光っており、体調は文句なしに良いはず。G1馬相手でも勝ち負けが期待できる、好仕上がりと言って良い。

ケイアイノーテック

(牡4、栗東・平田厩舎)

ディープインパクト
ケイアイガーベラ
母父Smarty Jones
通算成績11戦3勝
重賞勝利 18年NHKマイルカップ(G1)
連対時
平均馬体重
459kg (最高:468kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重468kg
POINT
前走の根岸Sは初ダートで10着と大敗したが、道中の走りからも砂が全くダメだったとは思えない。どこかでもう一度、ダートで走る姿を見てみたいところだ。それはさておき、相変わらず骨格に対しての筋肉量が豊富で、ガッシリとした体付き。ディープインパクト産駒はしなやかで素軽い体型をした馬が多い印象があるが、この馬に関してはダート短距離で活躍した母ケイアイガーベラの特徴が出てきていると考えられる。そのため根岸Sで高評価を付けたのだが、現状芝で走るなら高速決着よりも、若干時計の掛かる馬場が合っているのでは無いだろうか。マイラーズCは近年走破時計が速くなっており、スピード勝負にどこまで対応出来るかがカギ。デキに関しては大敗の影響も感じさせず、引き続き筋肉の張りもキープしている。良い状態でレースを迎えられそうだ。

ダノンプレミアム

(牡4、栗東・中内田厩舎)

ディープインパクト
インディアナギャル
母父Intikhab
通算成績6戦5勝
重賞勝利 19年金鯱賞(G2)
18年報知杯弥生賞(G2)
17年朝日フューチュリティ(G1)
17年サウジアラビアRC(G3)
連対時
平均馬体重
489kg (最高:502kg)
(最低:476kg)
前走時馬体重502kg
POINT
前走時で馬体重502キロ、馬格に恵まれたタイプのディープインパクト産駒で、現役馬の中でもトップクラスに見栄えのする好馬体。どのパーツの造りが素晴らしいというよりも、筋肉量・バランスが高い次元で整っている。肉付きが良いため胴が詰まり気味に映るが、中距離までは全く問題なくこなせるタイプで、マイルへの短縮は好材料と言えるだろう。前走は休み明けということもあって、この馬のベストの仕上がりとは言い難い立ち写真だったが、それでも力の違いを見せつける内容で快勝。今回は黒光りする毛艶、パンとした筋肉の張り、肋骨が薄っすらと感じ取れる腹周り…と随所に前走から良化している点が表れている。更にパフォーマンスを上げてくることだろう。高速決着にも対応できるはず。当然、ココも勝ち負けに期待できる。

パクスアメリカーナ

(牡4、栗東・中内田厩舎)

クロフネ
グローバルピース
母父サンデーサイレンス
通算成績8戦4勝
重賞勝利 19年スポニチ賞京都金杯(G3)
連対時
平均馬体重
468kg (最高:470kg)
(最低:462kg)
前走時馬体重470kg
POINT
馬体重470キロほどと牡馬の中では平均的な馬格だが、筋骨隆々とした体つきで、数字以上に迫力がある。肩周りの筋肉が発達しており、前駆はパワーに富んでいることが分かる。全体的に重厚感を感じさせる立ち姿で、スピードよりもパワーで勝負するタイプの馬体構造をしている。高速決着よりも時計が掛かって欲しいタイプだ。飛節の折りが深い「曲飛」で、このような造りの馬は比較的小脚を使うことが出来るものの、この馬は父クロフネということもあり、筋肉の質がそこまで柔らかいタイプでは無い。そのため、後方一気の瞬発力というよりも、好位からサッと抜け出すような競馬を得意としているのでは無いだろうか。立派な腹袋を持っているため太目に映りがちだが、休み明けでも体は引き締まっているし、状態は良さそう。時計勝負への対応がカギ。
今週のイチオシ

モズアスコット

(牡5、栗東・矢作厩舎)

Frankel
India
母父Hennessy
通算成績14戦5勝
重賞勝利 18年安田記念(G1)
連対時
平均馬体重
486kg (最高:492kg)
(最低:478kg)
前走時馬体重494kg
POINT
盛り上がるように発達した胸前~クビさし、正方形の立派なトモ。とにかく筋肉量の豊富な馬で、1400m戦でも勝ち星があるように、スピードに長けた馬体構造をしている。高速決着は得意中の得意といったところで、昨年のこのレースは2着に敗れたが、適性はピッタリと考えている。飛節の折りが深く、体の柔軟性にも優れているため、瞬間的に速い脚を使うことも可能。安田記念も器用に内目を捌いて差し切ったように、自在性は大きな強みになるだろう。近2走で連続大敗を喫したが、今となっては昨春ほどのデキに無かったと見ている。今回は毛艶も抜群に良く見せており、筋肉の陰影もハッキリ浮かび上がっているように、馬体の張りが素晴らしい。腰高な面は元々の造りだが、成長して全体のバランスが非常に良くなってきた。休み明けでも太め感無く仕上がっており、マイル王の復権に期待大。
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今週のイチオシ

ウィクトーリア

(牝3、美浦・小島茂厩舎)

ヴィクトワールピサ
ブラックエンブレム
母父ウォーエンブレム
通算成績4戦2勝
連対時
平均馬体重
466kg (最高:470kg)
(最低:462kg)
前走時馬体重470kg
POINT
四肢、クビが長めの造りをしているので、全体的にスラッとした印象を与える立ち姿。胴周りにもゆとりがあり、距離は延びて良さそうなイメージがある。近年のフローラS勝ち馬はいずれも胴を長めに見せており、このレース向きの体型と言って良い。蹄の薄い馬なので、開幕週の綺麗な馬場も合いそうだ。父の産駒らしく飛節の折りはやや深めで、比較的小脚は使えるタイプ。決して『ワンペースの逃げ馬』というワケではなさそう。テンのスピードは勿論のこと、先行して後続を一気に引き離すような競馬も出来る。昨夏の立ち写真と比較しても骨格・筋肉量はしっかりと成長が感じられ、重賞でも通用するレベルにあると見た。毛艶も上々で体調も良さそう。勝ち負けに期待。

ウインゼノビア

(牝3、美浦・青木厩舎)

スクリーンヒーロー
ゴシップクイーン
母父フレンチデピュティ
通算成績5戦2勝
連対時
平均馬体重
460kg (最高:464kg)
(最低:456kg)
前走時馬体重460kg
POINT
前走時の立ち写真では腰高な面が目立っていたが、キ甲が伸びてトモ高は徐々に解消されてきた印象。骨格が完成するのはもう少し先になると思われるものの、しっかり成長を示している点に好感。筋肉の輪郭もハッキリとしてきており、馬体の張りが良化している証拠と言えるだろう。前回のコラムでも書いたように、母父のフレンチデピュティから遺伝したと考えられる立派な筋肉が付いており、前駆の造りからは力強さを感じる。どちらかと言えばパワーを要するような条件向きの構造で、スピード決着になった際にどう出るか。腹周りはふっくらとして映るものの、元々腹袋は大きなタイプ。1週前でこの状態なら問題はなさそう。毛艶、馬体の張りいずれも上々で、アネモネS、フラワーCを自重した影響は感じられない。

シャドウディーヴァ

(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)

ハーツクライ
ダイヤモンドディーバ
母父Dansili
通算成績5戦1勝
連対時
平均馬体重
469kg (最高:472kg)
(最低:468kg)
前走時馬体重466kg
POINT
やや胴の詰まった筋肉質な体型の半姉ハウメア(4勝)と比較して、この馬は胴周りがゆったりとした造りで、父ハーツクライの体型を彷彿とさせる。母ダイヤモンドディーバの仔は父の特性を引き出す繁殖牝馬と考えて良いだろう。この一族に共通するバランスの良さも感じられ、高い素質を秘めた馬と見ている。キ甲の辺りを見てももう少し成長しそうな雰囲気があり、本格化はまだ先か。それでもトモの張りはなかなかのモノで、明瞭なスジも確認出来る。現状の完成度でも十分通用するのでは無いだろうか。毛艶は特別冴えているといった印象では無いものの、肋骨を僅かに感じ取れるスッキリとした体付きで、1週前にして馬体は仕上がっている。上位争いに期待したい。

ジョディー

(牝3、美浦・戸田厩舎)

ダイワメジャー
ミスティーク2
母父Monsun
通算成績7戦2勝
連対時
平均馬体重
471kg (最高:478kg)
(最低:464kg)
前走時馬体重472kg
POINT
骨格に対して豊富な筋肉量は父ダイワメジャー譲り。ただ父は胴が詰まり気味に見える体型をしていたが、この馬は横見で背中が長く映るシルエットで、いわゆる胴長体型。瞬発力よりも持続力に秀でた形と言えるだろう。過去に3度馬券になっているが、いずれもハナを切って逃げた時に好結果が出ており、淡々としたペースを刻めるかがカギになる。胴は長いものの脚自体はそう長い体型では無いので、距離延長自体はあまりプラスとは思えないが、2000mは守備範囲。筋肉量は多くともムダ肉は少ない体付きをしており、前回の診断時に「完成度は比較的高め」と評したように、キ甲もほぼ抜けて、完成形に近い形になってきた。写真越しでも肋骨が感じ取れ、1週前の時点で体は出来上がっている。毛艶も夏場と遜色ないほど光っており、状態は良さそうだ。

パッシングスルー

(牝3、美浦・黒岩厩舎)

ルーラーシップ
マイティースルー
母父クロフネ
通算成績2戦1勝
連対時
平均馬体重
460kg (最高:460kg)
(最低:460kg)
前走時馬体重464kg
POINT
トモ高に映るのはルーラーシップ産駒の特徴で、後躯に向かって引き締まった腹周りのラインなどは父似と考えて良い。体の柔らかい牝馬ということもあるが、背中の伸縮性に優れた瞬発力タイプで決め手勝負に強い。末脚比べになる東京コースはピッタリだ。デビューからの2戦はマイルを使われているが、胸の角度が深く前肢の可動域も広そうな印象があるので、2000mへの距離延長は特に問題にならないだろう。繋ぎが長めで、良馬場向きのタイプと見た。元々の骨格もあるが、キ甲から背中にかけての造りを見ても分かるように成長段階といった雰囲気。素質はこの中に入っても見劣らない良いモノを秘めているので、現状の完成度でどこまで走れるか注目したい。

フェアリーポルカ

(牝3、栗東・西村厩舎)

ルーラーシップ
フェアリーダンス
母父アグネスタキオン
通算成績3戦2勝
連対時
平均馬体重
469kg (最高:470kg)
(最低:468kg)
前走時馬体重470kg
POINT
この馬もパッシングスルー同様、ルーラーシップ産駒らしい腰高な体型をしている。この2頭は馬体重もそう変わらないが、どちらかと言えば肉付きの良いパッシングスルーに対し、フェアリーポルカはよりムダ肉が少なく、全体にシャープに映る体付き。まだ成長段階にあるとはいえ、純粋な2頭の比較でいえばコチラの方が完成度は高そう。背中よりも腹側が長く見える胴周りの造りをしており、体の伸縮性に優れた、瞬発力タイプ。東京コースでの決め手勝負も合っているだろう。肩から前腕にかけて筋肉のスジがハッキリ浮き上がっていて張りを感じさせる。トモはもう少し肉付きが良くなってほしいところだが、シャープな体型の牝馬ということを考えれば上々。好仕上がりだ。
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