毎週、馬体FOCUSにて馬体診断を披露している某大手牧場の元スタッフが、YouTubeで更に詳しい解説を公開中!今すぐ見る⇒

エプソムC

マーメイドS

今週のイチオシ

ソウルスターリング

(牝5、美浦・藤沢和厩舎) ※出走取消

Frankel
スタセリタ
母父Monsun
通算成績14戦5勝
重賞勝利 17年優駿牝馬(G1)
17年チューリップ賞(G3)
16年阪神ジュベナイルF(G1)
連対時
平均馬体重
476kg (最高:480kg)
(最低:472kg)
前走時馬体重494kg
POINT
※出走取消
5歳を迎えたが、バランスの良いシルエットは健在。加齢と共に筋肉量が増して重厚感のある体つきへと変化してきた印象がある。父フランケルは歴代種牡馬の中でも桁違いの筋肉量を誇る馬なので、父方の血統がより前面に表れてきたのだろう。オークスを制してはいるが、現状の体型を考慮すると、距離は1600~2000mあたりが合いそう。マイラー志向が強まってきたイメージがある。休み明けだったヴィクトリアマイルをひと叩きされ、トモには前走で見られなかった大きなスジも浮いており、全体的に筋肉の輪郭がハッキリとしてきた。同様にムダ肉も削げてきた印象で、一度使っての良化を感じさせる。復活に期待したい。

ソーグリッタリング

(牡5、栗東・池江寿厩舎)

ステイゴールド
ソーマジック
母父シンボリクリスエス
通算成績19戦7勝
重賞勝利 19年都大路ステークス(L)
19年六甲ステークス(L)
連対時
平均馬体重
479kg (最高:488kg)
(最低:468kg)
前走時馬体重488kg
POINT
均整の取れたフォルムで、全体にバランスの良さが目立つ立ち姿。スピードとパワーを兼ね備えているタイプで、東京・京都・阪神・中京で勝ち星を挙げているように、舞台を選ばない活躍も納得できる。胴周りの造りも窮屈さを感じず、距離も融通が利く体型。2000mくらいまでは安定して能力を発揮できそうだ。父ステイゴールドは小柄な馬だったが、この馬は前走時で488キロと馬格もあり、高速決着にも対応可能。父の産駒には道悪を得意とする馬が多いが、この馬は蹄が薄くベタ蹄に近い形をしているため、良馬場でこそ力を発揮するタイプだろう。毛艶も黒光りしていて代謝の良さを感じさせ、皮膚を薄く見せるほどに筋肉の張りを感じさせる。本格化してきた印象だ。

ブレスジャーニー

(牡5、栗東・佐々晶厩舎)

バトルプラン
エルフィンパーク
母父タニノギムレット
通算成績14戦3勝
重賞勝利 16年東京スポーツ杯2歳S(G3)
16年サウジアラビアRC(G3)
連対時
平均馬体重
445kg (最高:448kg)
(最低:442kg)
前走時馬体重454kg
POINT
ダートや短距離を中心に活躍馬を送り出しているバトルプラン産駒。大型で骨格や筋肉が立派なパワータイプが多いのも特徴の一つだが、この馬は父の産駒の中でも異質な、コンパクトにまとまった立ち姿を披露している。母方の血統が強く出た印象だ。背中が短く、腹側が長く見える胴周りの造りをしており、柔軟性にも長けた馬体構造。この素軽い体つきであるからこそ、鋭く切れる末脚を繰り出すことができるのだろう。胴が詰まり気味な体型を見る限り、距離は2000mあたりまでが守備範囲か。直飛節で長く良い脚を使うことができるので、ワンターンで直線の長い東京コースはベストの舞台と言える。肋骨が浮いて見えるが、この馬は腹周りをスッキリと見せる面があるので問題ない。筋肉の張りは過去の立ち写真と比較しても一番と言って良いほど。好仕上がりで注目の1頭。

プロディガルサン

(牡6、美浦・国枝厩舎)

ディープインパクト
ラヴズオンリーミー
母父Storm Cat
通算成績22戦3勝
連対時
平均馬体重
506kg (最高:520kg)
(最低:486kg)
前走時馬体重514kg
POINT
筋肉量、骨格とも雄大なディープインパクト産駒で、年齢を重ねるごとにパワーアップしており、迫力のある立ち姿を披露している。背中が短く、腹側が長く見える瞬発力に秀でた造り。実際にスローからの上がり勝負で結果を残してはいるが、馬格的には時計勝負になっても十分対応できると考えている。また父の産駒の中でも腹袋が大きめなので、上がりが掛かるようなタフな流れもこなせそうだ。6歳を迎えたが、皮膚の薄さを感じさせるように馬体の張りは素晴らしい。背中には代謝が良い時に出ると言われている銭型が浮いており、充実している様子が伝わってくる。

ミッキースワロー

(牡5、美浦・菊沢厩舎)

トーセンホマレボシ
マドレボニータ
母父ジャングルポケット
通算成績13戦3勝
重賞勝利 17年朝日セントライト記念(G2)
連対時
平均馬体重
486kg (最高:494kg)
(最低:482kg)
前走時馬体重482kg
POINT
胸前や後躯の筋肉が発達しており、馬体重以上に迫力のある立ち姿。トーセンホマレボシ~ディープインパクトと続く父系の影響が強く、後躯の造りは斜尻直飛でディープインパクトの特徴が前面に表れている。長く良い脚を使える馬体構造といえるため、直線の長い東京コースは合っていると見た。骨格に対して胴が長く映る体型をしており、中長距離向き。今回は久々の1800m戦が課題か。テンのスピードも速くないため、脚を持続させるような競馬が理想だ。自ずと早めの動き出しになるのでは無いだろうか。肋骨が薄っすらと浮いており、1週前の時点でムダ肉なくキッチリと仕上がっている。下腿部には血管が網目状に浮き、トモもパンとして張りを感じさせる好馬体。状態に関しては申し分ない。
競馬ラボに掲載されている記事・写真・映像などの無断複製、転載を禁じます。

カレンシリエージョ

(牝4、栗東・鈴木孝厩舎)

ハービンジャー
ベルアリュール2
母父Numerous
通算成績13戦3勝
連対時
平均馬体重
470kg (最高:482kg)
(最低:460kg)
前走時馬体重480kg
POINT
半姉アドマイヤリードは馬体重430キロ台の小柄な馬だったが、この馬は骨格が大きいこともあって前走時で480キロと比較的馬格に恵まれている。全体に筋肉の付き方がなだらかで、シャープに写る体型は姉同様。素軽いタイプではあるが、骨格に対して胴周りの造りに余裕があるので、長く脚を使うようなレース運び、展開が向いているだろう。2歳時と比較すると、キ甲が抜けて背が伸びた。骨格も完成されており、トモもパンとして緩さが抜けた印象がある。坂のある阪神コースも今ならこなせて良い。毛艶も光っていて体調面に問題はなさそうな雰囲気。久々の立ち写真で前走比較はできないものの、お腹周りは引き締まっていて力を発揮できる態勢に整っている。

スカーレットカラー

(牝4、栗東・高橋亮厩舎)

ヴィクトワールピサ
ヴェントス
母父ウォーエンブレム
通算成績12戦2勝
連対時
平均馬体重
444kg (最高:464kg)
(最低:436kg)
前走時馬体重464kg
POINT
飛節の折りは父譲りでやや深めの曲飛。サッと速い脚を使える回転力を秘めているが、体の柔軟性の長けたタイプではないので、ある程度のポジションから抜け出すような競馬が理想的か。トモの容量が大きく、優れた推進力を生み出すことができるだろう。全体のシルエットは正方形に近く、体型だけを見ると距離はマイル前後が合っていそうな雰囲気がある。前走1800m戦で強い競馬を見せているが、今回は2000mという距離がカギになりそうだ。3歳時よりも筋肉の輪郭が明瞭になってきており、全体にボリュームアップしてきた印象。腹周りも引き締まった造りで毛艶も良好、体調万全といったところ。

センテリュオ

(牝4、栗東・高野厩舎)

ディープインパクト
アドマイヤキラメキ
母父エンドスウィープ
通算成績9戦4勝
連対時
平均馬体重
453kg (最高:466kg)
(最低:446kg)
前走時馬体重466kg
POINT
クビからキ甲、後躯に向かってのラインがなだらかで美しく、全体のバランスも整っている。背中が短く、腹側が長く見える胴周りの造りで、体の伸縮性に優れた形。瞬間的に速い脚を繰り出すことのできる構造だ。お腹周りはややふっくらと見せており、ディープインパクト産駒の中では腹袋がしっかりとした造り。これは全兄トーセンスターダムも同様で、母の父エンドスウィープの影響が出ていると考えられる。瞬発力勝負に強いのはもちろん、トーセンスターダムは力の要る豪州の芝でも活躍したように、上がりの掛かる展開も問題なくこなせるだろう。胸の角度も深いため、エンジンにあたる心臓や肺は骨格に対して大きいことが推測される。本質的に能力が高い。肩周りから前腕にかけて太い血管が浮いているように、馬体の張りも抜群。中2週でもダメージはなさそうだ。

フローレスマジック

(牝5、美浦・木村厩舎)

ディープインパクト
マジックストーム
母父Storm Cat
通算成績17戦4勝
連対時
平均馬体重
460kg (最高:476kg)
(最低:438kg)
前走時馬体重476kg
POINT
オークス以来2年ぶりの立ち写真。ゆったりとした胴周りで、脚もスラッと見せている。近走はマイル前後の距離を使われているが、本質的には中距離以上が向くタイプと考えていたので、この距離延長は好感。ストライドが大きめなので本来は広いコースがベストも、マイルでのスピード勝負にも対応してきたので阪神の芝2000mは問題なくこなせるはず。全姉のラキシスは繋ぎが短めで立っており、蹄の角度も起き型だったが、この馬は繋ぎが長めで蹄も薄い。馬格的に関してはラキシスに近い印象も、脚元の造りはサトノアラジンに似ており良馬場でこそ。オークスから馬体重も30キロ近く増え、骨格・筋肉はともに完成。1週前の時点でスッキリとムダ肉なく引き締まっており、馬体の張りも上々だ。
今週のイチオシ

モーヴサファイア

(牝5、栗東・池添学厩舎)

ハービンジャー
モルガナイト
母父アグネスデジタル
通算成績13戦5勝
連対時
平均馬体重
504kg (最高:526kg)
(最低:484kg)
前走時馬体重506kg
POINT
胴に伸びがある体型で、これは母モルガナイトと似た造り。母はマーメイドSが行われる阪神芝2000mで勝利を収めている。ストライドが雄大で持続力勝負に強く、上がりが平均して掛かりやすいこのコースは合っているはずだ。トモ高だがキ甲自体は既に伸びており、これは後肢が長い造りが影響しているのではないだろうか。骨格自体は既に完成の域に入っている。牝馬ながら馬体重500キロを超える雄大な馬格を誇り、筋肉量も豊富。特に肩周り・前腕、トモの下腿部辺りをアップで見てみると、血管の浮き具合=素晴らしい馬体の張りが窺える。状態はまさに今がピークといった雰囲気で、充実度はNo.1。久々の重賞挑戦となるが、タイトル奪取のチャンスと見ている。

ランドネ

(牝4、栗東・角居厩舎)

Blame
Loure
母父A.P. Indy
通算成績11戦3勝
連対時
平均馬体重
508kg (最高:516kg)
(最低:498kg)
前走時馬体重508kg
POINT
前走時で馬体重508キロと大柄な牝馬だが、胴が長く四肢も長めでバランスが整っており、立ち姿からは重苦しさを感じさせない。胴の造りを見る限り、長く良い脚を使う持続力タイプ。近2走は控えた競馬を試みているが、早めに動くかハナを切って自らのペースに持ち込むことで特性が活きると見ている。仮に逃げを打つならば、スローの溜め逃げよりも平均ラップ以上の淀みない流れを刻んでこそのタイプではないだろうか。大きな骨格に立派な筋肉が付いており、秘めているポテンシャルは高い。繋ぎの長さは平均的だが、角度が立ち気味で馬場は渋ってもこなせそう。皮膚の薄さを感じさせる馬体の張りで、毛艶も光っている。申し分ない状態でレースを迎えることができそうだ。
競馬ラボに掲載されている記事・写真・映像などの無断複製、転載を禁じます。