そして今度はアーモンドアイ登場である。

国内最強馬が芝G1最多勝をと目論む今年の天皇賞・秋は連覇もかかる。昨年の1.56.2は、トーセンジョーダンが2011年に残したレコードにコンマ1秒に迫るもの。先週の馬場から外へ3m出てくるBコースとなるが、レコードが出るコンディションとはならないだろう。

アーモンドアイのベスト・レースはと、年度代表馬になった2018年のジャパンカップと昨年の天皇賞のPVを見直した。ともにゲートの出が上へと出ている。ともに内枠でポンとうまく出て絶好の位置での競馬で、前を行く馬を抜いて勝っている。良馬場と内枠がまずは欲しい。後はゲートだろうか。

昨年の天皇賞2着馬ダノンプレミアム。昨年と同じローテーションで巻き返しを狙う。2年前のジャパンカップ2着のキセキは、当時と戦法が変わりつつある。ゲートが安定しないからだと思うし、今回は鞍上が好発を決めて久々に先手の競馬か。宝塚記念馬クロノジェネシスがもっとも魅力か。


コントレイル
【菊花賞の回顧】

20年10/25(日)4回京都6日目11R 第81回 菊花賞(G1、芝3000m)
  • コントレイル
  • (牡3、栗東・矢作厩舎)
  • 父:ディープインパクト
  • 母:ロードクロサイト
  • 母父:Unbridled’s Song

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直線での福永対ルメール、コントレイル対アリストテレスの追い合い。固唾を呑んで見守るTV画面の向こう。その少し前、4角を廻る時には《あぁ~、やっぱり、コントレイルだわ~。鞍上の手応えが楽だわ~》と思わずつぶやいた。だが道中も直線でも外へピタっと付いて回るアリストテレスが鞍上の手応え以上に渋太く伸びる。ゴールがどんどんと近づくほどに、外が少しでも前に出るのではないかと。

ヒヤヒヤしながら、思わず《祐一!、 頑張れ!》と声を出していた。ゴールを過ぎたら思わず拍手をしていた。強い馬は負けてはいけない。ここは何としても勝たねばならない、とまるで《関係者か!》の気持ちぐらいで応援をしていた。

グリーンチャンネルは、ずーっとコントレイルを追いかけて見せてくれる。鞍上の福永騎手が担当さんが近づいてきた時の思わずの笑顔も、《フーッ、危なかった~》と語っているかの様に思えた。笑いも苦笑の方ではなかろうか。

距離は3冠の戦いのなかでいちばん合わない距離であった様だ。それでもその勝負根性で相手を抜かせなかったコントレイル。将来の誰にも負けないと言う闘争心と精神力。いやいや、見事にディープインパクトの遺伝子を持った仔である。

それにしてもが、ルメールとアリストテレスである。ディープインパクトが国内でただ一度、負けた時の有馬記念。ハーツクライに喫した負けだったが、あの時も鞍上はクリストフ・ルメールだった。敵に廻したら、いちばんやっかいな相手であるのは間違いない。そのアリストテレスにもディープインパクトの血が流れている。ここらが面白い。

正直、あとの16頭は霞んでしまっていた。いつまでも今年の菊花賞はコントレイルの3冠と、この2頭のデッドヒートが語られるであろう。

コロナ禍での年に牝・牡の無敗の3冠馬。この意味合いは大いにある。負けてはいけない戦いがあると言うことである。こんな素晴らしい競馬を観られて有難いと感謝してます。