関係者の素顔に迫るインタビューを競馬ラボがオリジナルで独占掲載中!

小林真也調教助手

復活するための対策を試行錯誤中

-:これだけ時間が経ったら何かが変わるかも知れないし「日にち薬」という言葉もあるので、2回の大敗は忘れて、ここからリフレッシュして、もう一度頑張ってほしいですね。

小:隠れファンも多い馬ですし、何よりも秋山さんに戻ったということで周りが盛り上がっていたりもします。岩田ジョッキーには「本当にすみません」という感じなんですが……。

-:でもマイルCSは「何かが変わるかもしれない」ということに賭けた起用ですよね。

小:オーナーとしてはそういう意味合いで期待していたんですが、馬の中では本当の状態じゃ無かったんでしょうね。

-:3歳の頃を思うと、もっと長い年月を安定して走れる馬だと思っていたんですが、意外に手こずらせる馬で、それでもブレずにここまで来ましたね。

小:僕らはやることは同じなので。あと今回は一時期行けなくなっていたSSPっていうのに行けているというのもプラスですね。


「そういう事を全てひっくるめて、今回はいい状態なんじゃないかなと思います」


-:SSPというのは、人間で言うところの電気マッサージ療法のようなものですか?

小:そうです。人間にもSSP療法はあって、電気で強制的に筋肉を動かして、腰が悪かったりすると凄く効くんですよね。一時期は馬がSSPをやる枠場の中で、かなり危険な暴れ方をしたのでやめていたんですが、最近診療所が新しくなって、枠場の出入りするスペースも広くなったし、馬も気分がいいのか変な暴れ方はしなくなりました。一回だけ暴れようとしましたが、気をつけていれば大丈夫なので。あと、牧場では馬の整体師さんに来てもらって、整体をうけたのですが、かなり効果があったみたいです。そういう事を全てひっくるめて、今回はいい状態なんじゃないかなと思います。

-:馬の整体というのは、人間のようにバキバキとやるのではなくて、マッサージをする感じですか?

小:マッサージというか、骨の軸を整える矯正のような感じですね。そんなにバキバキにやるのではなく、優しい感じなんですが、これが牧場でやってもらった時は結構効果があったみたいでした。

-:良かれということは色々試して臨む阪急杯ですね。

小:そのおかげもあってか、今のところは違和感も見せず、いい頃の行きっぷりで毎日走っています。

最終追い切り後のコメントに要注目

-:1400mという距離はいかがですか?

小:距離はどうでしょうね。マイルより短いレースを走ったことがないので、ハイペースだったらもしかすると後ろからになるかもしれないですけど、それよりも馬が走れる状態にあるかどうかだと思うので、周りがめちゃくちゃ速くて後ろからになるようだったら、それはそれで大丈夫です。それで秋山さんが慌てるということも無いと思うし、走れる状態なら追い込んでも来られると思います。

-:必ずしも適距離ではないレースなので、どのポジションになったとしても、ゲートを五分に出るというのはキーポイントになりますね。ゲート練習などはされましたか?

小:駐立だけなんですけど、最初がゲートの危なかった馬なので、ゲートの練習は毎回しています。

-:ゲートについては大丈夫そうですか?

小:ゲートに関しては、ずっと大丈夫でしたね。フェブラリーSで出遅れたのは他馬の影響を受けたからであって、自分で変なことはしないはずです。


「色々な事を教えてもらった馬ですし、調教師になるのは何年後か分からないけど、これほどの馬をずっと自分だけが調教するというのはこれで最後でしょうからね。しみじみと乗っています」


-:あとは1400mということを考えると、枠の内外というのも考えた方がいいですか?

小:個人的には一切気にしていないですけど、外のほうが競馬はしやすいかもしれないですね。

-:ただ秋山騎手というのは、コースロスなく内を回るほうが好きだったりもしますね。

小:その辺はもう、運とジョッキーにおまかせですね。天皇賞(秋)の東京2000mの外枠に比べたら、最内だろうが大外だろうが、どこでも大丈夫です。

-:それよりも、当日ブラックヒルが走る気を起こしてくれるかですね。

小:色々な人に「どうですか?」と聞かれるのですが、その度に「今のところは大丈夫」「変な違和感はない」と言っています。後はレースの週にジョッキーが強めに追い切って、それから追い切り明けの金曜日に普通のところで違和感が無ければ、僕は自信を持ってレースへ行けるのですが。

-:ではまた来週の金曜日に、小林助手のコメントと、追い切った後の秋山騎手のコメントを聞きにきて、それを逐一ファンに報告するので、そこで「良くなった」って言ってもらえるように期待しています。

小:それは全然良いんですけど、責任重大ですね(笑)。本当に段々と僕の言うことにも説得力も無くなってきてしまいましたが、なんとかと思っています。



-:それだけ、ブラックヒルは競走馬の難しさがある馬ですね。

小:色々な事を教えてもらった馬ですし、調教師になるのは何年後か分からないけど、これほどの馬をずっと自分だけが調教するというのはこれで最後でしょうからね。しみじみと乗っています。

-:成績を出してもう一度復活させられたら、その先の小林さん自身の視野も広がるでしょうしね。

小:今のところできることは全部やっているし、牧場でも凄くしっかりとケアしてもらっています。去年の社台のパーティーで、ノーザンファームしがらきの松本獣医さんと喋った時にも、本当に苦労してやってもらっているということが分かったので、なんとか色々な人の想いに応えなきゃいけないなと思っていますね。

-:G1馬の復活を期待して、阪急杯を楽しみにしていますので、頑張ってください。ありがとうございました。

●カレンブラックヒルの小林真也調教助手インタビュー(前半)はコチラ⇒

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●マイルCS前・カレンブラックヒルについてのインタビューはコチラ⇒



【小林 真也】 Shinya Kobayashi

中学3年でテレビゲーム「ダービースタリオン」にハマったのをキッカケに、競馬に興味を持つ。早田牧場、天栄ホースパークでの勤務を経由し、トレセンへ。

大橋厩舎に所属した後、現在の平田厩舎で攻め専として勤務。一昨年のマーメイドSを勝ったブライティアパルスが思い出の一頭。「膝を骨折してから掛かるようになってしまって潜在能力の半分くらいしか出してやれなかった」と悔やむ。気難しく、普段からうるさかった同馬が輸送した時、夜明けとともに馬房から外に出してレースまで延々歩かせていたのを懐かしむ。

牧場時代から秋山騎手のフォームに憧れていた。「自分じゃあそこまでキレイに乗れないですけどね(笑)」調教後も事務作業を淡々とこなす頭脳系ホースマン。


【高橋 章夫】 Akio Takahashi

1968年、兵庫県西宮市生まれ。独学でモノクロ写真を撮りはじめ、写真事務所勤務を経て、97年にフリーカメラマンに。
栗東トレセンに通い始めて17年。『競馬ラボ』『競馬最強の法則』ほか、競馬以外にも雑誌、単行本で人物や料理撮影などを行なう。これまでに取材した騎手・調教師などのトレセン関係者は数百人に及び、栗東トレセンではその名を知らぬ者がいないほどの存在。取材者としては、異色の競馬観と知識を持ち、懇意にしている秋山真一郎騎手、川島信二騎手らとは、毎週のように競馬談義に花を咲かせている。
毎週、ファインダー越しに競走馬と騎手の機微を鋭く観察。馬の感情や個性を大事に競馬に向き合うことがポリシー。競走馬の顔を撮るのも趣味の一つ。

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