関係者の素顔に迫るインタビューを競馬ラボがオリジナルで独占掲載中!

吉原寛人騎手

羽田盃に向かうにあたっての上積み

-:ハッピースプリントは他の馬と、どういう点が違うんでしょうか?

吉:まずエンジンが違いますし、大きい馬なのにドタドタ走る感じがなく、軽く走れるところですね。長くいい脚も使えます。

-:まだ実戦では一度しか騎乗していませんが、理想のレース展開はありますか?

吉:行く馬が多かったら後ろからでもいいですし、行く馬がいなければ、全日本2歳優駿のような感じで2、3番手からでも競馬ができますよね。道営ではハナを切って勝っています。力が違うのでどのような競馬でもできますが、馬を追いかける形のほうがいいかなとは思います。

-:全日本2歳優駿ではなかなかの好メンバーの中で、力の違いを感じましたよね。

吉:その辺りが、本当のハッピースプリントの強さだと思いますね。

-:この中間も追い切りに乗りに来ていましたが、状態はいかがでしたか?

吉:前回の追い切りと比べると、パワフルさが増していましたね。全日本2歳優駿の後は、一旦楽をさせていたので、レースを使ったことによって一段とよくなっています。ちょっと気持ちが入ってきたというか、馬場入りでも行きたがる素振りを見せるようになりました。逆に馬らしくなってきたかな。19日の本追い切りも上手にまとめて、無事に羽田盃に迎えたらなと思います。


「包まれたりするのも競馬だと思うので、その中でしっかりと勝利に導くのが僕の仕事ですから。馬の力を信じて乗りたいですね。自分の進路さえ取れれば、力では負けない馬だと思いますよ」


-:まだ3歳の若駒ですが、精神面にはどうでしょうか?

吉:子供っぽい面を全く見せませんね。むしろ古馬らしくドシッとしていて、安心感を与えてくれますね。だからこそ、京浜盃ではあのような競馬ができたのではと思います。

-:最終追い切りは残っていますが、羽田盃に向かっての心境をお願いします。

吉:無事に出走できることが一番だと思うし、ハプニング、アクシデントが怖いですね。他に初めて対戦する馬も出てきますし、ドバイエキスプレス(3連勝中)のように、切れる脚を持っている馬には注意して乗りたいですね。

-:他の陣営は、間違いなくハッピースプリントだけをマークしてくると思います。どういう展開が一番怖いですか?

吉:包まれたりするのも競馬だと思うので、その中でしっかりと勝利に導くのが僕の仕事ですから。馬の力を信じて乗りたいですね。自分の進路さえ取れれば、力では負けない馬だと思いますよ。

-:どれくらいの距離だと、一番力を出せるでしょうか?

吉:意外と、マイルから2000mくらいのゆったりとした距離のほうがパフォーマンスはいいと思います。あとは右回りの方が上手だと思います。川崎は初の左回りでしたけどね。



近い将来にある東京ダービー制覇

-:金沢のトップジョッキーとして、こういう馬とコンビを組んで臨むというのは、どういう気持ちですか?

吉:僕としては、特に違和感はないんですよ。短期免許だったり、重賞にも呼んでもらったりしているので、南関東にも結構来ていますからね。

-:地方競馬では枠を超えた活躍が目立つ吉原騎手ですが、今後の目標をお願いします。

吉:ハッピースプリントを任せていただいたということで、まずは東京ダービー制覇が目標です。この馬で東京ダービーを獲れなかったら、どの馬で獲るんだという気持ちもありますね。

-:ダービーに懸ける想いは大きいですね。

吉:森下先生には、2年前にプーラヴィーダで挑戦させていただいて、その時は惜しくも2着に敗れました。その時に「絶対、吉原くんにダービーを獲らせるから」という約束をして下さったんです。そんな折に、ハッピースプリントで大舞台に挑めることになりました。

-:騎手人生最大のチャンスですね。

吉:今までやってきたことが繋がって、この馬に乗れることになりました。だからこそ「南関東で一番を獲ってやる」という気持ちを胸に、短期免許期間中はリーディングの地位を守ることができたので、次は何とかダービーを獲りたいと思います。今後も、ハッピースプリントに限らず、重賞に呼んでいただいています。遠征は自分の楽しみのひとつでもありますし、しっかりと体調を整えて頑張りたいと思います。

-:今日はお忙しい中、ありがとうございました。

吉原寛人騎手インタビュー(前半)はコチラ⇒

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【吉原 寛人】 Hiroto Yoshihara

1983年 滋賀県出身。
地方初勝利
2001年4月7日 金沢競馬5R トゥインクルサマー
JRA初騎乗・初勝利
2001年10月6日 4回京都7日 9R トゥインチアズ


■主な表彰
・2001年 NARグランプリ最優秀新人賞 / 日本プロスポーツ大賞新人賞
・2008年 NARグランプリベストフェアプレイ賞
・2005~10年 金沢競馬リーディング


デビューイヤーに95勝、JRAでも勝ち星を挙げるなど、輝かしい騎手デビューを果たすと、翌年には金沢競馬史上最速で地方通算100勝を達成。06年にはオーストラリア遠征を敢行、08年には史上最年少でNARグランプリベストフェアプレイ賞を受賞。
その活躍は金沢のみに留まらず、2011年のワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)では初日に2連勝の活躍で総合2位にランクイン。また、近年は南関東への期間限定騎乗も精力的に行っており、今年は2ヶ月で47勝を挙げる大活躍を見せた。