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“チャレンジャー”ではあるが、脚質的には優位な存在

-:前回小倉にいた時は「調教やレースでも物見をする」とおっしゃっていましたけど、今回はその点の対策はいかがですか?

原:小倉に行った時と同じように、1日早く行って、土曜日に馬場を見せに行こうとは思っているんですよ。現時点では、スクーリングができるかどうかが分からないらしくて、土曜日の競馬の日に直接芝コースに入れるか、確認してもらっています。入れなくても、土曜日にダートコースを1回りなど、中山競馬場を見せておく調教はしようかなと。取りあえず初めての競馬場って、レース中に物見をすることがあるので、対策としてはそれくらいですね。

-:初歩的な質問で申し訳ないですけど、物見をする時というのは、馬群に囲まれている時の方が物見はしないということもあるのですか?

原:もちろん。それは周りを囲まれていれば。物見は視界の問題ですからね。だから、ローラーの地面の境目を見たりだとか、もちろんそういうのは囲まれていても見えるものは見えたりしますし、やっぱり手前から見るので、囲まれていれば視界が狭くなるから見えないですが、この馬の脚質としては前の方に行くし、そういう意味ではやっぱり開けているところが見えるので。パターンとしてはスタンドの正面に行く時に、大体4コーナー手前に垣根が外側にあったりして、そこから直線を見ると、パッと視界が開けるので、そういう面でそういうのを気にするというか、ビックリするというか、それで内にちょっと逃げたりだとかするところがちょっとあるみたいですね。

スプリンターズSに挑むダイアナヘイロー

-:なおさら直線の坂を考えると、そこでロスをするよりもそこは(負担を)軽減させたい感じがありますものね。

原:そうですね。それで、小倉でも慎重に期して、1回走っているのですが、それでも前の日に行って、小倉の芝コースを歩かせてみたいなことをしていたんですよね。今回も、出来ればそれをしたいなとは思っています。

-:馬場適性はどう見ていらっしゃいますか?

原:どうなんでしょうね。こればっかりは走ったことがないですからね。ただ、先行はしやすいコース形態だとは思いますね。最後の坂でスピードも乗りやすいし、直線も短いですし、先行には有利かと思いますね。あとは飛ばし過ぎて、最後の坂で止まるパターンが気になるかどうかだけで、そこら辺はユタカさん任せというか、全体の流れは読めないですからね。阪神でも勝っていますし、坂が極端にダメということはないので、稍重くらいで、その時もすごく馬場の悪いところで勝っているので、そこまでは心配はしていないですね。

-:宝塚記念の日の馬場でも勝っていて、小倉みたいな軽い馬場でも勝っているから、何かオールマイティなのか、どっちが良いのかなと。

原:だから、どっちが良いということはないんじゃないですか。これはペース次第じゃないですか。平坦だとけっこうなスピードが出ていても粘れたりするでしょうし、やっぱり坂があるところだと、飛ばし過ぎるとその坂で影響が出るから、あんまり飛ばし過ぎないように。当然ジョッキーもみんな分かっているでしょうから、それはお任せです。あとはどれが逃げ馬だとか、もちろん枠もありますし、この間みたいに逃げ馬が内にいてピュッと行って、その後ろにピタッと付いていけるような展開が一番良いですけどね。

-:レース後、ジョッキーと何かしゃべりましたか?

原:いや、特に。時間を取ることがないですからね。もう終わったらすぐに表彰式だし、どちらかと言うと、ジョッキーは先生や馬主さんと話すことの方が多いので、その後に捕まえて話すこともないのでね。

「やっぱりこの前のペースが一番良かったと思うんですよ。32秒8くらいで流れたじゃないですか。あれを追走するくらいが、一番ペース的には合っていると思うんです」


-:いよいよG1という舞台になりますが、意気込みとしてはいかがですか?

原:それこそさっき言いましたけど、チャレンジャーです。一流メンバーと走ってみて、どれだけ通用するか、そういうのは本当に一緒に走ってみないと分からないことなので。取りあえず勝っても負けても、馬にも人にも良い経験になると思うので、こちらとしては、仕上げてベストな状態に持っていけるようにするだけですね。あとはジョッキーにお任せするしかないですね。

-:枠順としては、前回みたいにちょっと周りを見られる方が良いのでしょうか。

原:そうですね。真ん中から外めが良いとは思いますけどね。内でも良いのですが、逃げ馬次第ですよね。だから、そうしても逃げないといけない馬がいるのだったら、やっぱりその馬よりは外が良いですしね。

-:今回はそんなに速くならないですかね。

原:そう、あんまりバリバリ行くような馬が……。行くとしたら、フィドゥーシアかシュウジくらいなのかな。(レッツゴー)ドンキも控える競馬をしているから、そんなに昔ほど行く脚質でもないですし。何回か走ると力関係が分かってくると思うんですけどね。だけど、現状ではまだクラスが上がってきたばっかりだし、何せ4カ月前はまだ500万でしたからね。それを考えたら、今の流れが出来過ぎな感じがするから、あんまりデカいことを言える立場じゃないなと思います。

-:フィリーズレビューの競馬を観ていても、この子は精神力が強い気がするのですが?

原:まあ、そうですね。ちょっと騎手に反抗するような、行きっ振りの方が良過ぎて、ちょっとね。

前半32.8秒のハイペースを押し切った北九州記念のダイアナヘイロー

▲前半32.8秒のハイペースを押し切った北九州記念

-:行けなくてもああいう競馬は出来ますかね。

原:どうなんですかねぇ。あそこまで嵌まっちゃうとキツいと思いますね。やっぱりこの前のペースが一番良かったと思うんですよ。32秒8くらいで流れたじゃないですか。あれを追走するくらいが、一番ペース的には合っていると思うんです。あれ以上遅くなると、どうしても折り合い面でちょっと厳しくなってくるかと思うのでね。当然スタミナ面のロスに繋がりますし、この間の競馬は内容的には本当に強かったと思うのですが、あれもアクティブミノルがあのペースで引っ張ってくれたから、その後を何もせずに付いていけていましたからね。押すでもなく引っ張るでもなく、だから最後の直線の伸びに繋がったと思うので、そこら辺が一つでも上手くいっていなかったら、どうだったのかなという思いもあります。冒頭に言ったように、勝つ時というのはああいう風に全てが上手くいくのかなと思うんですけどね。

-:ハイペースだけどこの馬が残れる、なおかつ相手の脚も封じられるペースだったということですね。

原:だから、ああいう感じがベストなのでしょうが、なかなか競馬はそういう決まったようにはいかないし、もしかしたら行く馬がいなかったら、逃げることになるかもしれないし、そこら辺は強みでもありますよね。行く馬がいなかったら、自分で行っても良いですからね。

-:原田さん自身は中山、東京の遠征は久し振りですか?

原:そうですね。ここで20年勤めているけど、1回しか行ったことがないですね、ハハハ(笑)。次が2回目で、それも20年振りくらいかもしれない。ウチの厩舎自体が東京や関東でなかなか使わないですから、さすがにオープン馬だと条件的に向こうに行ったりするので、行ったりすることもあるのでしょうが、まあ縁がないですね。地方の福島や新潟にはもちろん行ったことはありますけど、人もちょっと中山に慣れていないから。

強い絆で結ばれている原田秀臣厩務員とダイアナヘイロー

-:じゃあ、土曜日に2人で経験するということですね。

原:土曜日に、人も前の日からちょっと予習をしておかないと。どこから行って、どこを通ってみたいな。

-:船橋法典とかも予習をしておいた方が良いかもしれないですね?

原:競馬学校が白井だったので、その辺は行ったことがあるんですけどね。そういう時に中山競馬場に行ったことはありますけど、競馬で行ったのは1回だけですね。

-:経験の浅い中山ではありますが、そんなところでミラクルがあると良いですね。健闘を祈っています。

原:ハイ。力を出せるように頑張ります。

-:勢いで言ったら、メンバー中上位だと思います。

原:もちろん夏の上がり馬という意味では、この馬が一番当て嵌まっているかなとは思いますよね。

-:ありがとうございました。

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