連覇で最強を証明へ。昨年は8番人気にまで評価を落としてしまったほど、一時は不振に陥ったゴールドドリーム。しかし、そのチャンピオンズCでの勝利を皮切りに完全復活の道を歩んできた。しかし、前走の南部杯では3歳の新鋭ルヴァンスレーヴに敗戦。直接対決の第2ラウンドとなる今回、ダート最強馬の座を手にすることができるのか。陣営にたっぷりと語っていただいた。

逆転へ上昇 「これなら」と思える状態に

-:チャンピオンズC(G1)に挑むゴールドドリーム(牡5、栗東・平田厩舎)についてよろしくお願いします。まずは攻め専の堀部助手から伺いたいのですが、今週の追い切りはどうでしたか?

堀部光弘調教助手:見た感じ具合は良さそうでしたね。乗ったのは(厩舎所属の)彼ですが。

藤懸貴志騎手:地面が割れました。本当にすごく良い動きでしたね。本当にそれしか言いようがないというか。下(コース)でやりましたが、掻き込みも良くて、脚も速いから、ああいう馬はいないですよね…。1週前で長めからやって、動きは良かったです。指示通りの追い切りが出来たと思います。

-:先週は(クリストフ)ルメールさんが乗られたのですね。今まで見ていると、下で追い続けるということはないですよね。

藤:下で2週続けて追い切るというのは、なかなかないですよね。

-:ちょうど1年前のレースを見ていると、大体坂路で1週間に1本くらいとプールという感じでしたからね。テンションとかはいかがですか。

堀:段々と大人しくなってきて、そういうところは心配していないですね。来週整えて、(レース)行くだけですね。

ゴールドドリーム

▲チャンピオンズCの表彰式 (右)堀部助手 (左から2人目)担当の木下厩務員

-:この秋に木下厩務員にも伺いましたが「(デビュー前に)堀部さんが乗った時もかなり良いところに来るという良い感触があった」とおっしゃっていましたけど、その通りでしたね。

堀:その通りでしたね。「○○○が買えるくらい活躍する馬になる」と言っていたほどです(笑)。走りに硬さはあるのも事実で、来たばっかりの頃は硬くて、緩くて…。でも、体幹だけはしっかりしているから、順調に競馬を使えて、育っていけばというところでしたね。若い頃は順調に育っていけばというのは、2歳の頃はどの馬もそうなんですけどね。それで結果が出て、順調にちゃんと思惑通り育っていってくれたのがゴールドドリームですよね。

-:やっぱり良いと感じる馬はごまんといても。

堀:一杯いるけど、それが順調にそのまま行かないのが、生き物なのでね。それは肉体的にもそうですし、精神的にもちょっとテンションがおかしくなってしまることもありますから。

-:精神的な面でいえば、ちょうど1年前から南部杯までを踏まえての過程を考えると、よくぞここまで立て直せましたね。

堀:それまでは素質だけで走っていたのもあるのでしょうね。昨年の南部杯の後にゲート練習もして、それが良い方に行った感じですね。

-:改めて前回(南部杯2着)のレースを振り返っていただけますか。

堀:あの時はいつもと同じように、牧場から大きくなって帰ってきて、調整も順調にいっていました。目一杯に仕上げていっていないけど、その時から比べると、体の硬さもさらに柔らかくなって、脚元も落ち着いているし、これで良いかなとはみていましたね。

ゴールドドリーム

藤懸騎手が騎乗した1週前追い切り

-:今でも午後にプールに入られていますか。

堀:やっていますね。

-:昨年からその調整がハマってきたわけで、南部杯のレース前に木下さんに取材させてもらって、まさかああいう負け方をするとは思いませんでした。

堀:僕も思っていましたよ。この状態でもいけるやろう、と思っていましたけどね。

-:ただ、仕上げ的には、もちろん今回の目標がチャンピオンズというのは、早々とレース名が挙がっていましたからね。

堀:南部杯からチャンピオンズCでしたね。中京で(チャンピオンズCを)勝っていますからね。脚を溜められている流れだったのですが、前にちょっと出していって、(ムーア)ジョッキーが本当に上手に乗ってくれましたね。一方、今年のフェブラリーは抜け出してしまって、周りに誰もいない状態。本当に具合が良かったから、すぐにトップスピードに入って、切れたというところをゴール前で甘くなってしまったけど。

-:負けて強し、でしたからね。やっている側からすると勝てないと、というところはあると思いますが、この1年間で成長出来た部分をあげてもらえますか。

堀:大人しくなりましたね。前から大人しい馬ですけど、周りが騒がしかったりしたら、多少馬が釣られて暴れたりするから、放馬で走ってきたらビックリしたりするものなのですが、そういうのがなくなりましたよね。堂々とドンとしていて、自分がチャンピオンだと分かっているような素振りがあるので。人の欲目かもしれないですけど、馬の性質上、競走馬の格が違うのかなと。一生に会えるかどうかの馬だと思いますけどね。トレセンに入って、30年くらいですか…。こんな馬に会えるとは。

ゴールドドリーム

-:前回負けてしまったことで、ルヴァンスレーヴが強いんじゃないかという人も多いかと思います。逆転に向けて、逆転と言っても、このレースにおいてのチャンピオンはゴールドドリームだと思いますが、今回の見通しを教えてください。

堀:あの馬は強いと思いますよ。(レースが終わったばかり)当初は自信がなかったくらい。あの馬は強いわ、という感じでしたけど、今回、放牧から帰ってきて、乗っていく内に上がっていく、調教する度に一つずつ良くなっていくタイプなので、僕がなくしていた自信を、段々と取り戻して、これならと思える調教になってきましたね。

-:先ほど今週の追い切りを終えた段階で、また乗った時にもう一つ上の自信になりそうですね。

堀:乗強い追い切りを終えて、無事を確認しながら、次の調教を目指すだけですから、追い切りを走ったから、ヨシッとは思わないですね。無事を確認して、明日の調教をやっていく内に、その日が終わって無事を確認してから、競馬に行く訳ですからね。

-:ましてや、今回は2週連続ウッドでやられているので、調教の変化にも注目したいです。

堀:ええ、先生はそう言わないでしょうけど(笑)、渾身の仕上げとしておきましょうか。

南部杯の敗戦を糧に 昨年は不安、今年は自信
ゴールドドリーム陣営インタビュー(2P)はコチラ⇒