
リスグラシュー 昨秋惜敗続きにピリオド 海外でも善戦の貫禄みせる
2019/6/19(水)
-:そんな思いがある中での1週前の追い切りで、リスグラシューにとっての1週前追い切りと言ったら、けっこうビッシリ行くぞという。
岡:ビシビシ行きたかったんですけどね。ビッシリは行ったのですけど、やっぱり僕が乗るとあんなものかな(51.6-12.4秒)。ジョッキーが乗ったら49が出たりするのですが。
-:体重も違いますからね。
岡:今日(6月12日)は馬場もちょっと重かったんですよね。気持ちとしては51前半か51切っても良いくらいで行きましたけど、時計があんなんやったので。
-:時計だけじゃなくて、背中の感触はいかがでしたか。
岡:行き気がある中で、抑えも利いていましたし、時計も悪くなくて、良かったんじゃないですかね。終いはもうちょっと…。実際は12.0くらいで上がりたかったですけど、今日は馬場が重い分、時計を要しましたね。


-:これで体のラインもちょっとシャープになって。
岡:来週はレーン騎手に乗ってもらうのですけど、出来れば併せ馬で、全体(時計)はそんなにいらないので、終いだけ伸ばすイメージでやりたいなと思いますね。
-:パートナーの先導役というのは、時計的にも内容的にもかなり重役ですね。
岡:大事ですね。重役ですけど、そこは前の日にならないと分からないですけどね。
-:やり過ぎてもダメだし、遅過ぎてもダメでしょうから、そこは我々ファンの注目ポイントですね。
岡:よく見ておいて下さい。
-:単走でレーン騎手が乗るのではなくて、ターゲットのパートナーを付けて、そこで調整してあげるということが重要ですからね。
岡:それこそペースを作る役割をしっかりと、乗っていないにしろ、今度は違う意味でそうやって、みんなで協力しあって、それこそパートナーの馬の人もそうですけど、厩舎一丸となって。
-:手に汗握る朝一番になりますね。
岡:そうでしょうね。それは緊張するやろなぁ。
-:レーン騎手には、リスグラシューのどういうところを掴んで欲しいですか。
岡:本当はゲートに心配がある馬なので…。ゲートの感覚を掴むのは無理でしょうから、折り合い面が一番ですかね。でも、追い切りのペースと競馬のペースは違いますからね。あとはトップジョッキーなので、競馬に行けば、大丈夫でしょうからね。

-:帰ってきてからの体重の変化は毛艶に関してはいかがですか。見た感じはすごく良さそうですが。
岡:帰ってきた当初は、体重的にもちょっと寂しい感じもしましたけど、今朝見た感じは、シルエットもそんなに悪くないですし、乗った感じも悪くないので、全然気にならないですね。カイバもよく食べてくれているし、体重的にもそんなに減ることはないんじゃないかなと。ましてや今回は長距離輸送がない訳ですから。
-:基準としては、金鯱賞の458くらいですか。
岡:本当は460ちょっとあっても良いかと思いますけど、なかなか…。でも、なくても走っているので、そんなにこだわりはないのですけど、普段こちらで470~80くらいある馬なので、出来れば460ちょっとで出ても良いのかなと思いますけどね。
-:これまで2歳から安定して、これだけ活躍してきて、なかなか崩れなくて、ようやく体重も増えてきたので、これからもう一花というのを、ファンも願っていると思うのですが。
岡:もう一花、二花、厩舎としても願っています。
-:特に、これまで何回2着になるんだと言うくらい、2着が多かったので、これまで積み上げてきたのを、どこかでドーンと吐き出したいですね。
岡:去年、初めてG1を1個獲ってくれて、本当に嬉しかったですし、ようやく勝ってくれたというイメージはありましたけど、能力的には1個で終わる馬ではないと思っているので、来年の春までしか時間がないので、ぜひ一つでも二つでも多く、G1と言わず、出るレースは全部勝ちたいくらいの気持ちですね。
-:それだけに、キッチリとした状態で出してあげたいという気持ちなのですね。
岡:そういう気持ちは強くありますね。頭数は少ないですけど、メンバー的に相手は揃いますけどね。

-:頭数は手頃ですけど、脚質的なことを考えると有利ですかね。
岡:レースはしやすいんじゃないですかね。ましてや、宝塚記念は内回りですからね。頭数が落ち着いて、後ろからというか、中団から行っても、捌きやすいでしょうしね。
-:内回りの2200という、ちょっとトリッキーなコース形態なのですが。
岡:心配していないです。枠は真ん中くらいで、外過ぎず…と言っても、13頭くらいの少頭数なので、別に枠はどこでも気にならないと思います。
-:ここ2週の阪神開催は時計が掛かっていたり、芝の逃げ切りが少ないなどの傾向があるのですけど、リスグラシューに合いそうな舞台ですかね。
岡:合いそうじゃないですか。多少、馬場が渋っても問題ない馬なので。あとはどこまで馬場が悪化するかですね。大雨になってドバドバになったら、厳しいでしょうけど、多少渋るくらいなら、阪神の悪い馬場でもこなしますからね。実際に、桜花賞はそんなに良くなかったですけど、末脚を伸ばしてくれていましたから。

-:ここは渋太く伸びて、1着でゴールしてもらいましょうか。
岡:それを願っています。直前まで何があるか分からないので、慎重にミスのないように、無事に競馬を使えることが一番ですけど、その中でもやっぱり良いと思うんやけどなぁ。
-:ファンにとったら、いつも上位には来てくれるんだけど、なかなか勝ち切れないというもどかしさがあるのかもしれませんが、メッセージをお願いできますか。
岡:僕らは馬券を買えないですけど、勝って欲しいという気持ちは、ファンの方以上に思っていると思うので、一緒に応援していただければと思いますね。
-:あと1週間きっちりサポートして、完璧な状態になるように祈っています。
岡:少しでも良い競馬が出来るようにしたいですね。
-:ありがとうございます。
プロフィール
【岡 勇策】Yusaku Oka
中学で競馬に興味を持ち、トレセン近くの少年団で乗馬を始める。同時期には藤岡康太騎手もいた。栗東高校の馬術部に入り、卒業後は1年半ニュージーランドに渡り競走馬の調教に携わる。19歳の終わりに帰国し、約3年間育成場で勤務してJRA厩務員課程に合格する。2010年解散前の池江泰郎厩舎に入り、2011年から持ち乗り助手として矢作厩舎の一員になった。2016年1月から矢作厩舎の若返り策で攻め馬専門の助手に起用される。モットーは「その日、騎乗する馬の課題を見つけ、目的をもった調教を心がける」