関係者の素顔に迫るインタビューを競馬ラボがオリジナルで独占掲載中!

伊藤工真騎手×高橋摩衣
高橋:どんな感じでしたか?

伊藤:もうゲートが開いたら周りがバーッと出て行くんで、それに付いて行くのがやっとで(笑)。

高橋:そうですか。それからしばらくして初勝利をあげられた時は、ちょうど三浦皇成騎手が新人の最多勝記録を塗り替えたのと同じ時だったから二人でお祝いしたんですよね?

伊藤:はい、土曜日に皇成が新記録を達成して、僕が次の日に初勝利だったんですよね。

高橋:10月26日にサザンスターディで。勝てる予感はしましたか?

伊藤:いや、しませんでした。でも、良い馬だとは聞いていたんで、好位でレースを運べれば良いかなって。

高橋:じゃあ特に「これはとりこぼせないぞ」と気負った感じでもなく。

伊藤:そういうのは無かったですね。

高橋:「あ、勝てるな」って思ったのはどの辺りでした?

伊藤:前2、3頭の後ろにいて、直線向いてもまだ手応えがあって。それで、外から一頭来ていたので外には出せない状況で、前が開かなかったら詰まっちゃうなーと思っていたんですけど、開いてくれて(笑)。上手く行って、馬も手応え通りに伸びてくれて「勝つのはそんなもんなんだなあ」と思いましたね。周りからも「勝ちたくて勝てるわけじゃないし、勝つ時はそんなもんだ」って言われていたんですけど、その通りだなって(笑)。

高橋:そうですか。初勝利をあげてから変わったところってありますか?

伊藤:初勝利で自分の中で変わったこと…、それまで良い馬に乗せてもらって、チャンスもいただいていたんですけど、やっぱりそれで結果を出せていなかったっていう気持ちがありました。それで一つ勝ってからは、そこまで「勝たせなきゃいけない」っていうプレッシャーは無くなりましたね。

高橋:気持ちが楽になったというか。

伊藤:年内にひとつ勝てたし良かったなって。その後はリラックスしてレースに向かえればいいかなと。

高橋:今年は最初から凄いですよね。「メッチャ、リーディングの上の方にいるー!」って興奮してます(笑)。

--:初勝利をあげる前に何度も2着になっていましたよね。

伊藤:そうですね、5、6回あったかもしれないですね。

--:中山競馬場で見ていた時に「あ、工真騎手が勝つぞ」と思って見ていたら、千葉直人騎手が乗った馬が飛んで来て差されてしまって。

伊藤:ありましたね(笑)。

--:ああいう時に「先輩、勝たせてくださいよー」とか言わないんですか?

伊藤:周りの人たちが千葉先輩に言っていたみたいですね。「そこ、負けといてやれよ」って(笑)。でも、千葉先輩は話しやすくて良い先輩です。

高橋:千葉騎手ってみんなにそうやって言われてますね。愛されキャラで。

伊藤:いじられキャラなのかも知れませんね(笑)。僕はあまりいじらないですけど。

高橋:先輩をいじったりします?

伊藤:そうですね…、そんなにひどくは。その場の空気があるんで。いじっても大丈夫そうな時は流れに乗りますけど。仕事している時は無いですね。

高橋:後輩が入って来て変わった事ってありますか?

伊藤:競馬の事を聞かれたりするくらいですね。今、みんな北海道に行っちゃってるんで最近はそういう事も無いですけど、東京なんかで一緒になった時は。僕の知っている範囲だったら答えます。

高橋:後輩からも「大人しいですね」って言われたりします?丸山元気騎手なんて明るいし、そういうのを言ってきそうな感じもするんですけど。

伊藤:元気は明るいですね。逆に僕がいじられちゃうかも…(笑)。

高橋:あんまりなれなれしかったらどうします?

伊藤:それはちょっと考えますね(笑)。そこは厳しさを教えないと(笑)。

高橋:工真騎手が人に教えてもらう時には、どんな方にアドバイスをもらっているんですか?

伊藤:ノリ(横山典弘騎手)さんとか後藤(浩輝騎手)さんに聞きますね。ノリさんはウチの厩舎の馬にも乗ってくださっているんで聞きやすいですね。

高橋:尊敬しているジョッキーに横山騎手の名前をあげていますもんね。

伊藤:そうですね、馬の気持ちを理解して乗る方なんで。それが理想ですから、少しでも近づけるようにしたいです。

高橋:横山騎手の同じ力があれば、2000勝も、ダービーを勝つことも出来ちゃいますよ(笑)。

伊藤:もう、その力を手に入れるしかないですよね(笑)。

高橋:ご自身の成績で気にしている数字ってありますか?

伊藤:いや、僕は全く無いですね。頼まれた馬1頭1頭で良い結果を出すために乗るだけなんで、あまり結果は見ていないですね。今、いくつ勝ってるのかなっていうくらいを見るくらいで、2着の回数も気にしないです。

高橋:具体的に何勝したい、という目標はありますか?

伊藤:いや、無いですね。早く通算で31勝をして、G1に乗れるようにはなりたいですけど。

高橋:G1はまだ騎乗されていないですけど、重賞には何度か騎乗されていますよね。

伊藤:重賞は2回乗せていただきました。ゴーウィズウインドのダイヤモンドステークスとステキシンスケクンの京王杯スプリングカップですね。ゴーウィズウインドはハンデが49キロだったので声を掛けていただけたと思います。

高橋:重賞の雰囲気は他のレースとは違いました?

伊藤:そこまでは感じませんでしたね。それほど人気が無かったからかもしれないですけど。重賞で人気だったらまた違った気持ちになるのかもしれないですね。

高橋:重賞以外のレースでも、人気は気にされますか?

伊藤:まあ、新聞を見たときに印が付いているんで、ある程度は把握しますけど。

高橋:人気が無さそうだから一発狙っちゃおうかな、とか。

伊藤:そういうのもありますね(笑)。

高橋:馬券の配当って気になります?

伊藤:あー、人気が無かった時に絡んだら確認します。それで「あ、意外とついてないないな…」とか(笑)。先週、札幌で田中博康さんが単勝6千いくらかつけていましたから、それ位やってみたいですね。


←前のページへ 次のページへ→

1 | 2 | 3





伊藤 工真

1990年福島県出身。
2008年に美浦・古賀史生厩舎からデビュー。
JRA通算成績は14勝(09/7/22現在)
初騎乗:2008年3月1日 2回中山1日1R トウショウブリーズ(9着/16頭)
初勝利:2008年10月26日 4回東京6日1R サザンスターディ

デビュー年は1勝をあげるにとどまったが、2年目の09年は既に13勝をあげ、自己最高記録を更新中。競馬ラボでは昨年トークダイナマイトにゲスト出演し、谷中公一氏と対談。「俺と同じ左利きだし、これから伸びる」と谷中氏からお墨付きをもらう。





高橋 摩衣

生年月日・1982年5月28日
星座・ふたご座 出身地・東京 血液型・O型
趣味・ダンス ぬいぐるみ集め 貯金
特技・ダンス 料理 書道(二段)
好きな馬券の種類・応援馬券(単勝+複勝)

出演番組
「Hometown 板橋」「四季食彩」(ジェイコム東京・テレビ) レギュラー
「オフ娘!」(ジェイコム千葉)レギュラー
「金曜かわら版」(千葉テレビ)レギュラー
「BOOMER Do!」(J SPORTS)レギュラー
「さんまのスーパーからくりTV」レギュラーアシスタント


2006年から2008年までの2年間、JRA「ターフトピックス」美浦担当リポーターを務める。 明るい笑顔と元気なキャラクターでトレセン関係者の人気も高い。 2009年より、競馬ラボでインタビュアーとして活動をスタート。 いじられやすいキャラを生かして、関係者の本音を引き出す。