斎藤誠調教師×高橋摩衣
引っ越す前の厩舎は20揃っていなかったので離れに馬を入れていたんですよ。馬を見に行った時は、車をぶつけたりロクな事が起きませんでしたから…。
2009/10/8(木)
斎藤誠調教師×高橋摩衣
高橋:先日はケイジージュニアーの勝利、おめでとうございました。
斎藤:ありがとうございます。
高橋:もしかして、厩舎をお引越しされてから初めての勝利でしたか?
斎藤:そうです。引越し後初勝利ですね。
高橋:引越しして早々に勝ち星に恵まれるのは嬉しいですね。
斎藤:そうですね、環境の変化でいろいろ大変な中、苦にしないで勝ってくれて。
高橋:厩舎の引越しによって、管理馬に何か明確な変化はありましたか?
斎藤:いや、そういうのは特には無かったですよ。基本的に馬は環境の変化には弱い動物ですけど、ほとんど問題は無いですね。
高橋:トレセンの正門が近いのはどうですか?
斎藤:あ、それは大通りに面していると、多分うるさいと思うんですけど、大通りから一つ厩舎を挟んでいるので、そんなに気にする程でもないです。
高橋:へー。交通量の多い正門の近くだと大変じゃないかな、と思って。
斎藤:大通りに面した厩舎ではカイバを食べなくなったりする事がありました。
高橋:えー!
斎藤:馬房にいる時もメンコ着用だったり。
高橋:普段の生活からそういうケアが必要になるケースもあって。
斎藤:はい。だからこの場所に入ると決まった時は、ちょっと不安だったんですけども、厩舎を一つ挟めば大丈夫です。
高橋:特にうるさくなった子がいるでもなく。
斎藤:相変わらずみんな大人しい馬が多いです。人には従順です。元気は良いですけどね(笑)。今のところ問題は無いです。
高橋:場所が極端に変わりましたね。トレセンの端から端へ。
斎藤:そうですね。
高橋:相田助手、通勤がラクになったという事はありますか?
相:ラクですよ(笑)。社宅出てから3分ですから。
斎藤:みんな通勤手段がバイクとか自転車になりました。
高橋:車いらずで。
相:原付の方がラクです。
斎藤:今度は今までいた厩舎の方の状況が分からなくなりますね。もう行かないですから。
高橋:あー、用事無いですもんね。
相:坂路に行く時に近くを通るくらいですかね。
高橋:引っ越した事によって、普段の調教を行う場所が変わる事ってありますか?
斎藤:引越しによって、という理由では特に変えないようにはしています。ただ、今はまだ開業して4年目ですから、まだ試行錯誤をしているんですよね。それによる変化は多少あります。今はポリトラックなど、下を多くしているとかいろいろ変化はあるんですけど、基本的には変わっていないです。
高橋:引越しうんぬんというよりは、先生が開業されてまだ年数も経っていないのでいろいろ試されている、と。
斎藤:そうです。馬を歩かせる運動の時は、相変わらず今までどおり逍遥馬道に行ったりしています。ここの周りは厩舎が多くて馬も多いのでゴミゴミしていますし、車の往来も多いので危ないですから。
高橋:先生の厩舎から逍遥馬道までは結構遠いですよね。
斎藤:でも、引っ越す前から逍遥馬道には行っていましたから。馬を動かしている時間は一緒なので、全体的な時間は変わらないですよ。
高橋:そうなんですか。でも、新しい環境って良いですよね。
斎藤:良いと思いますよ。厩舎もキレイになっているし、何しろ20馬房が揃っていて、全部の馬がいるのが良いですね。引っ越す前の厩舎は20揃っていなかったので離れに馬を入れていたんですよ。離れにいる馬を見に行った時は、車をぶつけたりロクな事が起きませんでしたから(笑)。
高橋:そういう余計なストレスはこれからはもう無くなって(笑)。
斎藤:そうですね。やっとウチも体制が整ってきました。本来は開業したての頃こそ、離れとか使わないで一つの厩舎にいて仕事をしなければいけないと思いますけど。やっぱり最初のうちは馬も人も寄せ集めですから。
高橋:それが今では凄く良い雰囲気になって。
斎藤:人に恵まれているのがウチの厩舎の強味ですから!ウチは助手をはじめとして、みんな個々がしっかりやってくれるんでね。僕は馬の仕入れ担当ですから(笑)。
高橋:先生があれこれと指示を出すわけでもなく。
斎藤:ウチはみんなで協力してやっていこう、というスタンスですから。僕、あまり上からモノを言わないですし。もちろん「こうしたらいいんじゃないかな?」と思う時もありますから、そういう事は話し合いで決めます。
高橋:チームワークを重視されて。
斎藤:だって僕一人じゃ何も出来ないですからね。上からモノを言うのは簡単なんですけど、そうすると反発しか生まれないんで。それよりみんなで話し合いながらやって、納得しながら仕事を進めていく方が話が早いんじゃないかって。
高橋:なるほど。
斎藤:ガツッと言う事も必要かもしれないですけど。まあ、僕の課題はそこですね。言う時に言わないというのが課題なんです。でも、ケンカになっちゃうかもしれないからなあ。僕、カーッとなりやすいんで(笑)。
高橋:今、相田さんがプーッて笑ってました(笑)。
相:いや(笑)。あのー、先生の言い方は優し過ぎるんですよね。「その言い方だと、相手に伝わっていないんじゃないかな?」と思う事もあります。「先生、優しいなあ」って。
斎藤:その優しい線を越えちゃうと、もうとんでもない事になっちゃうんで(笑)。
高橋:あまり人にキツく注意するっていう習慣が無いと、どう言っていいのか分からないっていう事はありませんか?
斎藤:あ、それはありますよね。「ああ、こんな事まで言わなきゃいけないのかな?」って思う事を相手に言うとなると、もうガーッと言っちゃうんで(笑)。
高橋:ムキーッ!と(笑)。
斎藤:そう(笑)。その辺を察してくれて、みんなサッササッサと動いてくれるので助かっています。ウチの助手たち、(伊藤)直人も含めて、みんなそれぞれ役割りを持っていますね。必要な事を分担して出来るように。
高橋:その役割り分担は会議みたいに集まって話し合いで決めたんですか?
斎藤:いえ、自然にそういう役割りが出来ていった感じですよ。それぞれがやるべき事をやりながら自然と。
高橋:良いですね。
斎藤:さっきも言いましたけど、人に恵まれていますから。あとは仕入れで頑張るだけですよ(笑)。
高橋:(笑)良い馬を仕入れられましたか?
斎藤:今年の2歳には期待しているんですよ。今までのウチの厩舎の2歳とは質がちょっと違いますから。早熟でもなくて奥のありそうな馬もいて。
高橋:そうなんですか、質がアップされたんですね。
斎藤:そう思います。ちょうどウチの厩舎が注目してもらえている時に話が決まった馬たちが、今年の2歳なんですよ。ウチの厩舎が開業してすぐにサンツェッペリンが出てメディアに露出させてもらって。僕なんか調教助手から調教師になって、知名度が全然でしたけど、サンツェッペリンで名前がボンと出てくれたんで。
高橋:名刺代わりというか。
斎藤:そうですね。それで次にゴスホークケンが上手く続いてくれたので、今やっていられるようなものなんで。
高橋:現在、先生の厩舎は13勝をあげられていますが、目標とする勝ち星はありますか?よく馬房数だけは勝ちたい、というお話を聞く事はありますけど。
斎藤:そうするとウチは20勝が目標になりますね。あと7つか…。7つくらいは勝てそうですよ。
高橋:ちなみに今週のお馬さんたちはいかがですか?
斎藤:今週は開幕週から攻勢をかけますよ。前走で着に来ている馬ばかりですから、流れ次第で勝ち負けか善戦かという感じだと思います。
高橋:特に楽しみにしている馬はどの子ですか?
斎藤:うーん、それぞれ本当に楽しみなんですけど、しいて言えば日曜日のアルビダかな。まだ走り方が分かっていない感じもあるので、初戦からどうかは分かりませんけども、先行き奥がありそうな馬です。直人も同じように「奥がありそう」と言っていましたし、馬格もある馬なので楽しみですね。
高橋:レースでは藤岡佑介騎手が騎乗されますね。
斎藤:まだ馬が走りを分かっていないので、ちゃんと「競馬だよ」って教えてくれるジョッキーに頼みたかったんです。ウチの主戦二人(松岡正海騎手・内田博幸騎手)が日曜日は関西に行っちゃいますし、オーナーも若いジョッキーがいいとおっしゃっていたので藤岡君に頼みました。
高橋:そうですか。アルビダ、人気になるでしょうね。
斎藤:どうですかね?でも、いろんな人に「良い、良い」って言っちゃったからなあ(笑)。
高橋:アハハ(笑)!リップサービスをバッチリと。
斎藤:そのトークがウチの真骨頂ですから(笑)。
高橋:でも、そうやってマスコミに取り上げてもらえるようなコメントを出したり、アピールって大切ですよね。
斎藤:やっぱり厩舎のみんなのモチベーションも上がりますしね。
高橋:馬主さんも記事を読んだら嬉しいですよね。
斎藤:喜んでもらえますよ。また「これだけの思いを込めてやっていますよ」という事が馬主さんに伝わるかなって。
高橋:なるほど。
斎藤:やっぱり、サンツェッペリンが注目されていた頃は、マスコミも厩舎に来てくれて、話題を取り上げてくれて一番盛り上がっていましたけど、今はああいう看板馬がいないんですよ。だからそれを作っている段階なんです。マスコミにも上手く協力してもらって、露出をしながら。
高橋:確かに美浦だけでも100以上の厩舎がありますから…。
斎藤:なかなか取り上げてもらえないですからね。
高橋:じゃあ私たちの競馬ラボで今回のお話を掲載させていただいて、先生の厩舎を援護射撃させてもらいますね(笑)。
斎藤:期待しています(笑)。
高橋:こちらも期待しています!今日はありがとうございました!
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■出演番組
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2006年から2008年までの2年間、JRA「ターフトピックス」美浦担当リポーターを務める。明るい笑顔と元気なキャラクターでトレセン関係者の人気も高い。2009年より、競馬ラボでインタビュアーとして活動をスタート。いじられやすいキャラを生かして、関係者の本音を引き出す。 |








