関係者の素顔に迫るインタビューを競馬ラボがオリジナルで独占掲載中!

須貝尚介調教師

並の年であれば、恐らく昨年の年度代表馬はこの馬になっていたであろう。クラシック2冠を制し、大味な競馬で有馬記念も圧勝したゴールドシップが阪神大賞典から始動する。同馬の出走と共に須貝尚介調教師への密着取材は通例になっているが、今回も例に漏れず自然体での本音をスクープ。2013年もどこよりも詳しくグランプリホースを解説していく。

慎重かつ確実に前哨戦を制す準備

-:有馬記念以来のゴールドシップですが、世界のレーティングで7位でしたね。

須貝尚介調教師:世界レーティングが7位で、明け4歳では1位でしたね。

-:それぐらい高い評価を受けているわけですけれど、いよいよ阪神大賞典で復帰します。

尚:春の本番に向けての前哨戦になるんですけれど、前哨戦と言えども、それなりのオープン馬が体調を整えて出てくるだろうし、競馬は本当にナメられないからね。この馬の体調管理をシッカリして、成長を促して、作っていかないといけないと思ってます。

-:しかも、ここまでの期待馬になると、前哨戦と言えども、周りの期待も全然違いますから、並のオープン馬の休み明けとは同じ訳にはいきませんからね。その面で先生もご苦労されると思うのです。

尚:まあ、その緊張感があってこその仕事ですからね。

-:そんな中で、今日(3/6)の1週前追い切りですが、馬場状態として1番(坂路の追い切りの時間帯を指す)は霜が降りているような坂路だったんですけれど、ゴールドシップに内田騎手が乗って、ジャスタウェイにバルジュー騎手が乗るという豪華な併せ馬でした。

尚:今日はコレで戦闘モードに入れていこうという魂胆だったんですよ。また、思惑通りの攻め馬になったしね。ジャスタウェイにとっても今週の競馬に対して、意欲的な攻め馬になったし、ゴールドシップはゴールドシップでやっぱり、叩かれてスイッチが入ってきたと思うから。あとは普段のケアに気を使わないといけないなと。

内田騎手騎乗のゴールドシップ(右)はジャスタウェイに先着


-:追い切りが終わった後、内田ジョッキーとも話したんですけれど、相当な自信というか、それだけの手応えを掴んだのだなと。

尚:それはそれで良いと思う。ただ、やっぱり競馬だからね。自信過剰にはなってはいけない、心の持ち方は。

-:ゴールドシップが走った馬場状態というのは、若干、時計が掛かる時間帯になってきて、そういう状況で元々攻め駆けする馬ではないので。

尚:まあ、十分でしょ。動き自体を見ればね。

-:逆に良かったと思うんですよ、動きが。思った以上にジャスタウェイに食い付いてたなというか。

尚:最後、交わしたからね。

「良い筋肉が付いてきたと理解してくれれば。本番はもうちょっと春なので、今、100まで持っていくと、もうオツリがないんでね」

-:体つきなんですが、有馬記念で6キロ増えて、輸送も含めて6キロですから、実際はもっと増えていたと思うんですけれど、菊花賞が終わった時点から既に「成長している」と先生がおっしゃっていて「プラス体重は成長分だ」と。

尚:成長分というか、それだけの筋肉が付いている。成長じゃなくて、そういうパワーの付け方をしないと古馬とは戦えないから。その有馬記念の筋肉を維持しながら、今回はもっといけると思うから、プラスマイナスゼロもしくはちょっとプラスで競馬はできるんじゃないかなと思う。それは筋肉の重さとして考えてくれたら良いと思います。

-:今さっき見せていただいた体なんですけど、それは有馬記念より大分プラスですか?

尚:だから、良い筋肉が付いてきたと理解してくれれば。本番はもうちょっと春なので、100まで持っていくと、もうオツリがないんでね。前哨戦であるけれども、その手前で抑えておかないと。ギリギリまで仕上げてしまうと、春の時に逆にマイナス効果が出たりするので。今回はあくまでも前哨戦だから、その辺を考慮しながらの馬体の調整という形が馬に表れるかなと思います。

-:先ほど先生がおっしゃったようにちょっとプラスで全く問題ないと。

尚:そうそう。それでも、ダービー以外は連対を外してないので、その意地も見せて欲しいなと思いますね。

-:意地というか、多分、格が?

尚:でも、それは競馬だから、何が起こるか分からないんでね。やっぱりそのへんも慎重になって、確実にモノにできたら良いなと思ってます。



2013年は国内の競馬に専念

-:先生ももちろんご覧になっているから、知ってらっしゃると思うんですけれど、阪神競馬場の芝コース、今のコンディションというのが、ややソフトで、ゴールドシップにとったらバッチリ合いそうな馬場状態だと思うんです。

尚:それであって欲しいなと思うんですけれど、この馬の場合は重くなったとしても、前から言うように馬場形態、馬場状態に左右されることがなくて、一生懸命走るので。

-:逆に良馬場だから、ゴールドシップにマイナスになるという意味ではなく、切れる馬が軟らかい馬場を苦手にする分、ゴールドシップの強さが目立つんですよね。

尚:そういう面もありますよね。どういう馬場でも一生懸命走るから。

-:朝、内田ジョッキーにも色々、阪神の馬場状態がソフトめなんで、ゴールドシップに合いそうですねという話をしたら、「大丈夫だよ、心配いらないよ」と言っていました。

尚:よっぽどの自信がありますね。ただ、内田君にも当日には言うと思うけれど、あまり過剰にはならないでと。相手がいることだし、スタート地点までは……。返し馬もかなりの癖があるからね。その辺を注意しながらね。

須貝尚介調教師インタビュー(後半)
「ゴールドシップの勝利で弾みを!」などはコチラ→

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【須貝 尚介】 Naosuke Sugai

1966年滋賀県出身。
08年に調教師免許を取得。
09年に厩舎開業。
JRA通算成績は117勝(13/3/10現在)
初出走
09年3月8日 1回阪神4日目7R ワーキングウーマン(11着)
初勝利
09年3月14日 1回阪神5日目7R ホッコーワンマン


■重賞勝利
・12年 有馬記念/菊花賞/皐月賞/神戸新聞杯/共同通信杯
(いずれもゴールドシップ号)
・12年 阪神JF(ローブティサージュ号)
・12年 アルテミスS(コレクターアイテム号)
・12年 アーリントンC(ジャスタウェイ号)


父は定年により引退を迎えた須貝彦三 元・調教師。自身は騎手として4163戦302勝。うち重賞は01年のファンタジーS(キタサンヒボタン)など4勝。 09年から厩舎を開業し、初年度は年間10勝だったが、年々勝ち星を伸ばし、昨年はゴールドシップ、ローブティサージュ、ジャスタウェイを筆頭に勝ち星を量産。あの矢作芳人厩舎の記録を塗り替え、史上最速でJRA通算100勝を達成。一躍、トップステーブルにのし上がった。 「トレセンLIVE!」でコラムを掲載している榎本優也調教助手が在籍していることでも、競馬ラボではお馴染み。