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長谷川健彦調教厩務員

秋の目標は今年もエリザベス女王杯

-:この中間、札幌記念というローテが決定しての調整方法はどのような感じでしょうか。

長:1ヶ月放牧に出して、6月の半ばに美浦に戻して、7月の終わりに移動ですね。向こうである程度はやってきて、北海道に持ってきて、調整して使うレースといったら、札幌記念ぐらいしかないんですよね。あとは斤量を背負ってしまうので。クイーンSは58キロなので、絶対に使わないですから。それにどうせ北海道で調整するんだったら、レースを使うとなると。秋はエリザベスに行くとしたら、自然と札幌記念というローテしかないというのもあるし。ここから府中牝馬に行って、エリザベス女王杯というのは、今のところの予定ですけれどね。それも馬の体調次第だから。

-:デビューから馬体重が徐々に増えてきたと思うのですけれど、走れる許容範囲の理想馬体重みたいなモノはありますか?

長:470キロ前後だと思いますね。今朝(8/8)で470キロちょうどでした。474㌔が春(ヴィクトリアマイル出走時)の体重ですよね。474だとちょっと……。でも、結果が出ていますからね。

-:日曜日に調教をやって、水曜日もやって、レースじゃないですか。大体、460台で出る感じなんですかね?

長:470キロちょうどぐらいじゃないですかね。切るか、切らないか。

-:良い頃のバロメーターがあるのかわからないですけれど、ヴィクトリアマイル前の体を見ると、昔に比べて筋肉の隆起がなかったように見えたのですが。わかる範囲で担当された時と今現在ではどれぐらい差がありますか?

長:ちょっと細いかなあ。結構、その時その時で違うので。午前中と午後でえらく変わるし、ちょっとした暑さでも変わる。少し、トモがさびしいかもしれないですけれどね。

-:最後は気力で走るタイプですか?

長:ヴィクトリアの時の体調は抜群に良かったですよ。何でしょうね、乗ったバランスですね。筋肉がどうこうじゃなくて、柔らかさだったり、フットワークの大きさだったりというのはあるんでしょう。

-:実際に跨ったりして、ようやく判断できるという感じなんですかね?

長:跨れば体調が良い、悪いはわかりますね。この馬はハッキリとしていると思います。



復活に導いた蛯名騎手に託すのみ

-:この中間は時計という面で幾分控え目に感じるんですけれど、それは先生の指示なんですか?

長:いや、たまたま遅くなっているだけです。先週は「あんまり速くならないように」といって、池添ジョッキーが乗ってくれて。今週に関しては併せ馬だったんですけれど、相手に合わせたので、少し遅くなったかなと。最後、抜けはしましたけれど、もうちょっと速くても良かったですけどね。

-:この中間に騎乗されてきたのは池添ジョッキーと蛯名ジョッキー。どのようなコメントをされていましたか?

長:池添騎手は「相変わらず物見をする」と言っていましたけれど、体調は別に何も言ってなかったですね。マサヨシさんは「良い」とは言っていましたね。まあレースで乗るのはマサヨシさんなので。池添騎手は空いていたから乗ってくれただけです。マサヨシさんは良い感触で乗ってくれたと思います。

-:これまで坂路主体だった訳で函館はコースじゃないですか。それに対する調整の難しさとか、そういうちょっと工夫をしなきゃいけないところとかありますか?

長:美浦でもチップで乗っていたので、運動量は体を見ながらですね、あとは。それに馬が元気で工夫をする余裕なんてないですよ。普通通りに乗っているだけです。

-:久々の函館の芝コースじゃないですか。印象というか、手応えみたいなモノはありますか?

長:馬場に入れていないですからね。そこやってみないと……。力があるといっても、男馬相手ですから、わからないですけれど、馬場がどうこうはないと思いますね。良馬場でやりたいには良馬場でやりたいですけれど、展開とかは僕がコントロールできる訳じゃないし、ジョッキーに任せるしかないんですよね。多分、先生からもジョッキーには何も言わないと思うので。

7日、蛯名騎手が騎乗して追い切り(古馬500万下を追いかけ函館W 5F:69.2-54.0-40.0-12.6秒)


-:今回はコーナーが4つで芝も荒れているじゃないですか、内側が。その辺はどう思われますか、送り出す立場としては?

長:外々を回って勝てるようなメンバーではありませんからね。そこも全部ひっくるめて運もあるでしょうし、通りたいところを通れるかもそうだし、そういうのは何も希望はありません。僕がコントロールできることじゃないことに関しては、何も考えていないです。

-:当日の気配やパドックでの雰囲気などについてはどうなりそうですか?

長:前回と同じ感じで良いと思いますけどね。少し落ち着いていた方が良いに決まっていますけれど、イレ込む訳でもないので、そんなに手を付けられないということも……。でも、休み明けだから、少しテンションが高いかもしれないですね、いつもよりも。毎回毎回、休み明けはいつもテンションが高いので、少し高めかもしれないです。落ち着いていた方が良いことは間違いないです。

-:長くなりましたが、レースに向けての意気込みをお願いします。

長:ようやくヴィクトリアで結果が出たので、ここでもそこそこ恰好を付けてくれれば。勝つのが一番ですけれどね。今の体調でどれだけやれるのか、というレースでもありますね。まあ、頑張ってくれると思います。

-:残り10日ぐらいですけれど、最後の調整をして、無事に競馬場に送り出せるように頑張って下さい。

長:そうですね。無事が一番ですから。春先、一緒にやっていた馬が壊れてしまったりしていますからね。そこだけは気をつけたいですね。

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【長谷川 健彦】Takehiko Hasegawa

中学3年の時にコマンダーインチーフがエプソムダービーを勝った記事を見て、競馬ブックに載った厩務員のインタビューでこの世界に興味を持つ。
高校時代はトウカイテイオー全盛期で更に競馬の世界にのめり込む。その後、競馬学校に入るまでの5年間は北海道の白井牧場で勤務。当時に乗った思い出の馬はエモシオンとウイングアローで、エモシオンのダービー出走時は東京競馬場まで応援に行ったことがある。
吉永正人厩舎の厩務員としてトレセン人生をスタートし、柴崎勇厩舎を経て現在所属する田中清隆厩舎で10年目を迎えている。