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平井裕介調教助手

プラス10以上の大幅な馬体重増が濃厚

-:ファンが気にしているのは、疲れとか体調の変化なんですけど、この馬はそんなに体重が変わらないですね。

平井裕介調教助手:短期放牧では体重は変わらないですけど、4月はプラス10ぐらいで出ていましたよね。大きくなって帰ってきているので、今回もプラス10以上になると思います。

-:元々、ゴールドアリュール産駒は骨量が多いですよね。この馬も、筋肉量だけじゃなくて骨格が良いです。だから、大きくなっても別段不思議はないと思います。

平:今回は、今(10/23)で520㌔ぐらいありますから。春よりも背がだいぶ高くなっているんで。

-:前走時からしたら30キロ弱の増加ですか?

平:前走が493ですからね。あのレースは初めて“仕上げた”って感じで、そこそこ絞りました。輸送があるので、プラス20ぐらいかプラス10後半ぐらいで出せるかなと僕は思っているんですけど。

-:何も知らないファンは驚くと思うんですけど、この記事を見てくれた人は、それは成長分と思って良いですか?

平:秋緒戦なので、多少の余裕残しはありますよ。半分以上は成長分だと、僕は思ってますけど。

-:今年の夏がすごく暑かったじゃないですか。だから、秋緒戦を迎えるにあたって、良いコンディションで出られる馬が少ない気がしたのですが。

平:余裕を持って行けるようにレパードSを回避しました。元々、レパードSも行こうかという話になっていたのですが。それを止めて夏は完全に牧場にいたから、それはすごく良い休養になったんじゃないかなと思います。

-:夏場の休養でちゃんと英気を養って、“馬肥ゆる秋”ということですね。

平:ホンマに肥えている部分もありますけどね(笑)。

-:元々、そんなにシャープなラインの馬じゃないですからね。気にしなくて良いと思うのですが。手応えはどれぐらいありますか?

平:正直、初めて古馬と走るから分からないですけど、いつも堅実に走ってくれる馬ですから。



乗り越えれば、しばらく続く連対記録

-:今年のJBCの目玉の一つは、クリソライトが通用するかどうかというところです。金沢のコース形態はご存じですか?

平:2コーナーからのスタートですよね。地方の中ではコーナーは回りやすいという話は聞きましたけど、あんまり詳しくはわからないです。まあ、どの競馬場でも走っていますからね。初ナイターの大井でも走りましたし。

-:精神的にはある程度はタフな面もあるのですね?

平:競馬に行っちゃえば。だから、装鞍所とかパドックとかは本当に楽ですよ。

-:クリソライトはいつが大変ですか?

平:用意と、普段の馬房の中です。ちょっかいばっかり掛けてきますからね。

-:これからドンドンと活躍して行くクリソライトですが、ここでどうなるかで将来が変わってきますからね。将来の理想像はありますか?

平:もっともっと成長してくれると思います。ケガをせずに走ってくれたら良いんじゃないですかね。そうすれば、自ずと結果は付いてくると思います。あの勝ちっぷりを見たら、それを期待しちゃいます。

-:じゃあ、JCダートはどうでしょう?

平:来年は中京になって、名前がチャンピオンズカップに変わるんでしたっけ。無事に走ったら結果も伴ってくるんじゃないかなと思いますけどね。



-:いやらしい言い方かもしれないですけど、この馬に地方の馬場が合うのだったら、地方回りをしたらどうでしょう?

平:僕もそれも良いかなと思っています。ただ、キャロットさんの馬なんでね。会員さんが許さないんじゃないですか(笑)?

-:会員さんもファンも含めて、これだけ期待の高い馬はなかなかいないですからね。

平:JDDで全国の人にも分かってもらえたと思います。それまではただの2着馬でしたから、馬単で2着付けで買う馬だとみんな思っていたと思うんです(笑)。4月に勝った時に無理に仕上げなかったのが、やっぱりあの大一番に繋がったんじゃないかと思います。未勝利で勝った時点で、将来はああいうところに行けるかなという手応えはありました。そんなに無理して仕上げて成長を止めるよりかは、自然に仕上げて大一番だけ仕上げようかなというスタンスだったので。

-:そう考えたら、何と効率の良い馬なんですかね。

平:そうです。だから、昇竜Sは正直ちょっと太かったんですよね。そのデキで勝ちました。あの時はちょっと間隔も中途半端だったから、短期放牧に出したかったんですよね。あそこで負けていたら、2着のエーシンゴールドみたいに、JDD前にもう1回使わないとダメだったので。その差も、やっぱりJDDに関してはあったんじゃないかな。クリソライトは使うレースを1本に絞れたので。


「ここを乗り越えたら、しばらく(連対)は続くんじゃないですか」

-:JDDに照準を合わせて、体力的にロスなく行けた訳ですね?

平:だから、休み明けの500万が一番緊張しましたね。ここを落としたら、なかなかローテーションが厳しくなるので。

-:すごいですね。狙ってポンポンとここまで来たんですね。

平:だから、G1を勝つ馬はやっぱり無駄打ちはしないんだなと思いました。何かしら意味があって、勝つとこは決めよるんやなというのは思いますよ。

-:しかもこの馬は、少々太いとか、そういうコンディションの誤差を許容範囲で上手いことやってくれる訳ですね。

平:そうです。レースに行って頑張って走ってくれるから、ありがたいです。このまま連対記録を続けてくれたら良いですけどね。今、9まで来ているので。

-:今度は最大のヤマ場じゃないですか?

平:そうですね。ここを乗り越えたら、しばらくは続くんじゃないですか。

-:これからもっと注目される馬になると思うんで、今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

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【平井 裕介】 Yusuke Hirai

野球が好きだったことにより目を通していたスポーツ紙がきっかけで競馬に興味を持つ。高校時代は馬術部と迷った末に野球部に所属。卒業後は北海道の高村牧場に就職する。牧場の活躍馬は古くはスターマンやマイケルバローズ、現在ではガルボなど。その後はグリーンウッドで働くかたわら、水口の乗馬クラブで馬術を学びJRA厩務員過程へ進学。一昨年は最も厩舎所属が困難な時期であり、1年間はヘルプのピンク帽で8つの厩舎を転々とする。昨年5月、様々な偶然が重なって音無厩舎へと正式に所属。初めて任された担当馬がクリソライトという幸運の持ち主。


【高橋 章夫】 Akio Takahashi

1968年、兵庫県西宮市生まれ。独学でモノクロ写真を撮りはじめ、写真事務所勤務を経て、97年にフリーカメラマンに。
栗東トレセンに通い始めて17年。『競馬ラボ』『競馬最強の法則』ほか、競馬以外にも雑誌、単行本で人物や料理撮影などを行なう。これまでに取材した騎手・調教師などのトレセン関係者は数百人に及び、栗東トレセンではその名を知らぬ者がいないほどの存在。取材者としては、異色の競馬観と知識を持ち、懇意にしている秋山真一郎騎手、川島信二騎手らとは、毎週のように競馬談義に花を咲かせている。
毎週、ファインダー越しに競走馬と騎手の機微を鋭く観察。馬の感情や個性を大事に競馬に向き合うことがポリシー。競走馬の顔を撮るのも趣味の一つ。