
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
復活!
2017/3/8(水)
皆様、こんにちは!栗東では季節外れの雪が降り、思わず春仕様の散歩着から冬用に着替えた松田です。今週は突然、息子からラボファミリーでもある鈴木一成君が怪我をしていたことを遅ればせながら知らされ、慌てて電話をしました。馬乗りというのは改めて怪我が怖い仕事だと思わされたと同時に、どう治すかも非常に大事だなと感じさせられた週になりました。皆様も怪我にはくれぐれも気をつけながら、競馬の応援に来てくださいね!
それでは先週の競馬の話をしましょう。まずは何と言っても、怪我から復活した福永君が復活勝利を弥生賞で決めましたね。今週土曜日の騎乗を見ていると、体自体は問題ないように見えました。しかし、気持ちの面で、少し不安を個人的には感じました。そして、復活の勝利でも私の不安は無くなりませんでした。こればかりは、福永君自身が乗り越え、再度強い気持ちで乗れるのを期待しながら見たいと思います。
レースはと言うと、天才典ちゃんと期待していたマイスタイルが逃げの手を打つと、極端なスローペースになりました。すると奇襲好きの田辺君もこのままではマズイと動き出しました。それをシメシメと分かっていたかのように福永君とカデナが続きましたね。4コーナーでは、かなり外を回ったにも関わらず、圧倒的な末脚で逃げるマイスタイルを捕まえて勝利しました。福永君の頭にあった展開で、田辺君に対してもしてやったりの運びはさすが戦略家と思わせるレースでした。それよりも目立ったのがカデナの強さでした。今回の勝利で、皐月賞では本命に選ばれることになるでしょう。混戦と謳われる牡馬クラシックの主役候補の誕生には、一ファンとして非常に楽しみになりました!

今週からは中京競馬が始まります。まず土曜日には金鯱賞が行われますね。そして、日曜日には中山と阪神でも重賞と賑やかな週になりそうです。その中でも楽しみな重賞として中山牝馬Sがあります。何と言っても、秋華賞②着だったパールコードと中内田厩舎に注目しています。中内田厩舎は今年に入り勝率がものすごく高く、馬の仕上げが非常に上手い厩舎だと思っています。そのため、ここに照準を合わせてきたパールコードの重賞初勝利もあるのではと思っています。その他ではビッシュの復活にも期待しています。そして、マジックタイムの最終戦やデニムアンドルビーの激走にも注目しています!今週のキーワードは復活か誕生か!?結果は是非、競馬場で!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。