皆様、こんにちは!早いモノで今年最後のコラムとなりました。2020年はコロナに脅かされる日々で、心がどこか休まることがない年だったように感じます。その中で無敗の3冠馬が2頭誕生し、初めての無観客の競馬を盛り上げてくれたことは本当に救いだったなと思います。その他にもアーモンドアイの歴代最高のG1記録の達成や引退。ひとつの時代が終わりを遂げ、新世代の馬達が登場してくれました。コロナで生活が変わり、当たり前が変わってしまった中、競馬界も新たな形を見つけるために必死だったと思います。

そんな環境の中でも、競馬を心の支えや楽しみにして応援し続けてくれたファンの皆様や危ない中でも競馬にトライしてくれた関係者一同、それを報道し続けてくれたサイトや新聞社の皆様のおかげだと思います。2021年は笑いながらお客様のいる大歓声の中のレースを再度観られるよう願っております。

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それでは2020年最後の振り返り、先週行われた朝日杯フューチュリティSを回顧しましょう。勝利したのは2020年G1では苦しい思いをした川田君が騎乗したグレナディアガーズでした。川田君は勝利数や勝率、重賞と勝つべくところで勝ってはいたのですが、それでもG1には運のない年でした。しかし、ここでやっとひとつ勝てたというのはホッとした気持ちになれたのではないでしょうか。真面目な性格の彼ですから、結果を出せなかったことに対し、責任を感じながら他のレースにも挑んでいたことだと思います。それを助けたのが名コンビ中内田厩舎でした。

フランケル産ということもあり、非常に折り合いの難しい馬で、なかなか能力を発揮できずにいました。しかし、厩舎スタッフと川田君が一丸となり、なんとかマイルまでは保たせる努力をしてきた結果が、ここで本来の力を発揮させることができた要因だったと思います。レースはモントライゼとルメールのコンビが大逃げの形となりました。もともと1200mデビューの馬だけに行ってしまうのではないかと心配していましたが、まさにそのような形になってしまいました。その速いペースにも助けられたのがグレナディアガーズと川田君でした。口を割ることもなくすんなりと追走ができました。

そんな展開の中、レッドベルオーブは控える競馬を選択しましたね。負けてしまったがために選択ミスということになりますが、あのペースから緩むところができればよーいドンの競馬もありえただけに、一概に間違いしかないとは言い切れないですが、結果が全てでもありますからね。そんな人気勢が後方にいることや馬の性格を分かっている川田君は、急ぎすぎずに早めに捕まえる選択をしました。これがこの馬にはドンピシャだったのだと思います。一気に突き放すと後続の追走を振り切り、見事な勝利を挙げました。

2着に入ったステラヴェローチェも展開が向かなかった中、良馬場でも切れ味を見せられたことは収穫だったと思います。そして、典ちゃんとしてはクラシックまで考えての騎乗だったでしょうし、あれなら距離延長も大丈夫だと思います。ここでは2着でしたが、クラシックを狙うという意味では、最高のレースになったと思います。この組と今週とでいったんの順位付けができそうですし、ホープフルSも見逃せませんね。

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土曜日のホープフルSには、何と言っても今年の牡馬イチ押しでもあるダノンザキッドが出走してきます。呪縛から解放された川田君のG1連勝があるのではと思っています。この馬は前走で輸送を経験していますし、デビューは右回りと不安要素も少ないですからね。あとは中山のコース適性があるかがポイントになるでしょう。

もう一頭の注目馬オーソクレースも見逃せません。ドゥラメンテを破ったマリアライトの初仔で走りは素晴らしいものがあります。母に騎乗していた蛯名君の調教師試験合格祝いを子供が達成してくれるのを見てみたいですね。その他にもランドオブリバティタイトルホルダーなんかも面白いなと思ってしまいます。

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日曜日には有馬記念が行われます。例年と比べると少し寂しいメンバー構成となりましたが、その中でもファン投票1位に選ばれたクロノジェネシスは負けられない戦いではないでしょうか?騎乗する北村友一君にとってもここで敗戦があれば来年騎乗できる確約はないでしょうし、結果にこだわったレースにしてほしいなと思っています。ここで引退となるのは名牝ラッキーライラック。内枠が当たれば面白いなと思っています。

ルメールがチョイスしたフィエールマンもいます。こちらは中山向きではないと思いますが、ルメールマジック炸裂も十分あります。他にもカレンブーケドールの悲願を有馬謙一が成し遂げるのか、またまたバビットの逃げで2020年を沸かせた鬼滅の刃馬券になるのか、もちろん5.6.7番も気にしながら最後のG1を楽しみましょう!皆様、よいお年を!!