
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
敗戦からの成長
2025/11/12(水)
皆様、こんにちは。秋を通り越し、冬の寒さを感じる今日この頃となりました。最近、孫が剣道を始め、初試合を観戦に行ってきました。残念ながら負けてしまいましたが、始めたばかりだというのに必死に戦う姿、努力を重ねていることが伝わる戦いぶりに感動しました。敗戦後も「ここは小手にいけた」などと、次に繋がる研究をしている姿を見ると、まだまだ強くなれるぞと期待を込めて見ています。

先週行われたみやこSを振り返りましょう。年々、日本ダート馬のレベルは向上し、今やBCクラシックを制するまでになりました。そんなハイレベルな戦いを勝利したのは、ブリーダーズカップ優勝騎手である坂井瑠星君とダブルハートボンドのコンビでした。前走は初めての敗戦を喫しましたが、決して悲観する内容ではありませんでしたし、むしろその敗戦を活かし、データとして手に入れたことが今回への大きなプラスになった走りだったと思います。
レースは大変速い展開になりましたが、それを押し切るのですから、力が本物である証拠です。坂井君も教えながらも勝ち切るために大胆にレースをするようになり「大舞台で勝つべき騎手になったな」と、改めて感心する勝利でした。

今週はエリザベス女王杯が行われます。京都競馬場100周年にあたり、第1回を勝利した私の写真も飾られているらしく、非常に楽しみです。そんな私の注目は岩田望来君が騎乗するパラディレーヌです。前走の走りからもスタートが改善されていましたし、全天候に対応可能な点にも期待しています。
そこにグランプリホースのレガレイラやココナッツブラウン、極端な競馬をしてきそうなリンクスティップもいます。真の女王決定戦は是非、現地でその熱気を体感してください!
プロフィール

松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。






