'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
3月25日時点1472勝
中山2週目は土日重賞騎乗&混戦リーディング争いを勝ち抜け!
2018/3/2(金)
JRA移籍以降、初の2週連続未勝利。一見、苦戦気味に映る戸崎騎手だが、相対的にみればリーディング争いは5勝差以内に8名がひしめく大混戦。たとえ2カ月が終わったばかりとはいえ、勝ち星争いは誰もが四苦八苦している現状ととれなくもない。そんな混戦模様の中で、チャンスをどれだけモノにするか、まだ3月とはいえ一戦一戦の結果が気になるところだろう。今週は土日13鞍の騎乗。重賞を含め、好結果を期待したいところだ。
●土日騎乗で今年の重賞4勝目なるか?
-:中山開催も2週目となりますが、今週は土曜がオーシャンS(G3)、日曜が弥生賞(G2)と連日の重賞ですね。まず、オーシャンSは調教も乗られていない完全なるテン乗りですが、ビップライブリー(牡5、栗東・清水久厩舎)と挑まれますね。
戸崎圭太騎手:堅実に走ってくれる印象ですね。展開もどんな流れでも問いませんし、枠もそこまで問わないのかなと。枠の並びがどうなってくるかはわかりませんが、客観的に観る分には乗せていただくのが楽しみですよ。
-:個人的な意見では、楽しみにしているレースです(笑)。弥生賞ではリビーリング(牡3、美浦・萩原厩舎)に乗られます。セントポーリア賞では勝ち馬の末脚に屈し、2着でした。追い切りにも乗られていましたね。
圭太:追い切りの感触は状態の良さを感じましたよ。他の馬に乗って、対戦したことのある相手もいて、この相手にどこまでやれるか、という思いです。メンバーを見ると、いく馬もいませんが、出来る限りは壁を作って運びたいですね。
▲2月28日、リビーリングの調教に騎乗する戸崎騎手
-:ダノンプレミアムなどはマイルでも先行してねじ伏せる脚がありますが、ハナというタイプではないと思います。それだけに逃げる形もいいのかと思いました。
圭太:というのも性格的に難しさもある馬なんですよね。素質はあるのですが、乗り難しさもあるのは事実です。それだけに上手くレースを組み立てられたらと思います。
-:土曜の潮来特別にはバラダガール(牝4、美浦・国枝厩舎)に騎乗されます。前回は1番人気ながら6着と残念な結果でした。
圭太:前回はこの馬らしからぬレースになってしまい、力を出し切れませんでした。あくまでペース次第ではありますが、この馬の持ち味を引き出すには、大味な、極端な競馬をしたいと思います。
-:珍しい「大味宣言」ですね(苦笑)。
圭太:ええ、マクっていくくらいの気で。馬場はどうなるかわかりませんが、多少時計が掛かってくれた方がいいタイプなので、週中の雨がどれだけ残ってくれるか。
-:日曜8R(4歳上1000万下)のスプリットステップ(牝4、美浦・和田郎厩舎)は前回、芝で4着。今回はダートに戻ります。
圭太:決して芝でもダメな馬ではないのですが、ダートの方が良いですね。理想をいえばパサパサのダートよりは軽い方がいいですね。ただ、距離については不安がないわけではないので、上手くもたせてあげられたら。このクラスを勝つ力はあるのでね。
▲昨秋に秋嶺Sを制して以来のコンビとなるクインザサターン
-:総武ステークスのクインズサターン(牡5、栗東・野中厩舎)は東海ステークスでも5着の実績。ただ、コーナー4つが向くとは言い難い印象です。
圭太:そうですね。ただ、福島でも走っていますし、一概にダメなわけではありません。福島と中山ではレースも違いますから、そこに対応出来たらと思います。能力は高い馬なので。
-:最終R(4歳上1000万下)のショウナンアンセム(牡5、美浦・田中剛厩舎)は500万下を勝たれて以来の騎乗です。
圭太:ええ、僕は良いイメージを持っている馬なのでね。折り合いの難しさもあるのですが、好きなタイプの馬です。
-:意味はともかくたまにでる「好きなタイプ」ですね(笑)。
圭太:そうです(笑)。
●デキは良いものの適性判断しかねたショウナンバッハ
-:先週のレースについてもよろしくお願いします。中山記念(G2)で7着のショウナンバッハ(牡7、美浦・上原厩舎)ですが、距離を短縮したところ、残念ながら成績が上がりませんでした。
圭太:まず、前走と同じように状態の良さは感じましたね。前走みたいに力むところもなく、ペースもある程度、流れていたので、リズム良くは走れていた感じですが……。結果的に、距離を詰めた方がいいように前回は僕も感じたのですが、条件的にどこが良いのかな、とハッキリ分からないのが正直な印象ですね。
前はゲートを出てからの進みも悪くて、位置取りも悪かったですけど、そう言いながらも直線の脚はスゴいものがあったので。今回も伸びては来ているし、結局、着順的には差はないのですけど、メリハリがなくなっていると言いますか、力を出し切れていない競馬が続いているかなと。
▲距離を詰めたが7着だったショウナンバッハ
-:ちょっと掴みどころがなくなっているというか……。
圭太:う~ん、そうですね。状態は良いだけにね。前はフットワークにも硬さがあったんですけど、その辺も解消されてスゴく良いですしね。
-:調教の時計も自己ベストをマークしたぐらいですからね。
圭太:だから、ブリンカーを取って、もうちょっと長めの距離の方が良いのかなという印象は受けましたね。厩舎にもそういう話はさせてもらったのですが。
-:ちなみに、先週の中山の馬場状態はいかがでしたか?
圭太:乾いている馬場で、内外もそんなに変わりはない感じで、展開次第かなと。多少硬さはありますかね。
-:黄梅賞で2着のラストプリマドンナ(牝3、美浦・和田郎厩舎)はいかがでしたでしょうか?
圭太:スゴくテンションが高く馬みとは聞いていたのですが、落ち着きもありました。フットワーク的にはもう少し距離があっても良いのかなと感じましたが、それは気性的に前向きさが強いので、1200になっているのかもしれないですね。
-:デビューはマイルでしたが、もうちょっと落ち着けば、マイルの方が、という感じですか?
圭太:そうですね。素質は感じますので、走ってきそうですね。まだ線の細さも受けるので、これからの馬という印象はありますね。
-:(4歳上500万下の)ロジブリランテ(牡4、美浦・国枝厩舎)はダートが……という結果ですか?または以前、おっしゃっていたようにデキのアップダウンの問題か。
圭太:道具を替えて随分と落ち着きというか、雰囲気は良くなっていますね。ただ、芝の方が良いなと。
-:(3歳500万下7着の)ミカリーニョ(牝3、美浦・木村厩舎)というのはどうでしたか?
圭太:レース自体は良い感じでは行けているのですが、外枠でちょっと競馬はし辛い感じでしたよね。身体的にもまだパンとしてくる余地があるというか。
-:(3歳未勝利2着の)カガスター(牡3、美浦・高市厩舎)は久々に乗られたと思いますが、ダートではどうでしたか?
圭太:安定して走りますね。どうしても巡り合わせの悪さもあるのですが、ダートの方が良いと思いますね。
-:(アクアマリンS2着の)ワンアフター(牡5、栗東・西村厩舎)はいかがだったでしょうか?
圭太:レース自体は良い感じで行けた感じですね。前を捉えられずで、惜しい競馬になりましたけど、特に注文が付く馬でもなさそうですし、乗りやすかったですね。
-:(冨里特別3着の)トータルソッカー(牡4、美浦・伊藤正厩舎)はあと一歩というか、勝ったかなと思ったのですが?
圭太:そうですね。何か最後も盛り返してくれているので、頑張ってはくれているんですけどね……。距離にも対応してくれましたし、尾形先生も最後の週でしたので、勝ちたかったです。
-:気性面で、以前と変化はありますか?
圭太:ちょっと使い込んでいるので、カリカリしたようなところはありましたけどね。
-:(水仙賞3着の)タニノフランケル(牡3、栗東・角居厩舎)はいかがだったでしょうか?
圭太:スゴく躍動感のある馬で、フットワークも大きいですね。速い脚というより長く良い脚を使えるタイプでしたね。
-:半面、瞬発力は欠ける部分も……。(4歳以上500万下2着の)ライバーバード(牡4、美浦・手塚厩舎)は勝ったのかなと思ったのですが?
圭太:そうですね。道中は外からの圧力が強かったのですが、それでもこの馬なりには落ち着いて走ってくれていたので、最後まで頑張ってくれましたけどね。
-:以前に比べると安定はしてきましたね。
圭太:そうですね。
●2018年は新生戸崎圭太が爆誕!?
-:続いて、今週も読者からの質問コーナーです!ブンブンさんより「移動中の車や新幹線でよく聞いている音楽は何ですか?」とのことですね。前にも聞いたかもしれませんが(笑)。
圭太:音楽は聴いていないな~。昔は聴いていたけど、今は聴かないです。本や雑誌を読んでいます。何を読むかはその時によります。
-:大体マネージャーさんと同行されているでしょうしね。これと言って、何か時間をつぶす方法は特にないですか?
圭太:ないですね。だから、雑誌を持っていったり、寝てたり。基本は暇ですよ(笑)。
-:渡部さんより「肌のお手入れはしていますか?」という質問です。
圭太:していないです。申し訳ないけど、しなくても良いんで(ニヤリ)。やっぱり食事が効いていますね~。
-:たけさんより「今年は、俺のここを見ろというのがあったら教えてください?」という答えづらい質問です。いや、答えなさそうな質問です。
圭太:そんなに見ろと言えるほどのアレじゃないから、言えないんだけど、直線の追い方も変えてきているというか、気を付けているので、その辺は見てくれても良いかなと。
-:それは観ていればすぐわかりますよね。ダートで差し返しが多いのは敢えて、ですか?
圭太:全然、そんな余裕はないです。たまたま(笑)。
-:たまたまだったのかとは意外でした(笑)。
圭太:ただ、リズムは崩さないようにやっていますね。結局、相手側もそこで脚を使っちゃっているから、最後バテちゃう訳で。
-:それと、フォーム的な部分の変化も。
圭太:はい。そこをちょっと見てもらえば。自慢気に言える身分でもないので。そこは、まだ技術が足りないところなので。
-:僕とすれば、すぐにわかる変化でしたが、そこもみてもらいたいですね。僕からの質問ですが、先週から鼻に何か(鼻腔拡張テープ)つけられているようですね。
圭太:トレーニングで効果があったので。ただ、競馬はひと息で終わるから、そんな変わらないですけどね(笑)。
-:花粉症じゃないか?とか一部では言われていましたが、質問コーナーは次週以降も残っていますので、引き続きよろしくお願いしますね!
圭太:ええ、よろしくお願いします!
※ここで編集部からのお知らせです。質問コーナーに続いて、今度は皆さん自慢の戸崎圭太騎手フォトを募集いたします!
応募はメールで、件名に「週刊!戸崎圭太係」と明記の上、「お名前(ペンネーム)・年齢・ご住所・お電話番号・競馬ラボ登録ID(メールアドレス)・なぜその写真を選んだのか・ご意見ご感想があれば」をお書き添えいただき、以下に送信ください。
なお、応募は1メールにつき3枚までとさせていただきますが、写真のサイズは横(もしくはタテ)700px以内に縮小ください。締め切りは3月23日(金)まで。採用いただいた方の中から、5名様に抽選で何か戸崎圭太グッズが当たるかもしれません(笑)。たくさんのご応募をお待ちしております!
※優秀な写真はコラム内でお借りいたします。
※いただいた個人情報はプレゼントの発送以外の目的では使用しません。
※お客様の個人情報は責任を持って厳重に管理しております。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は3月9日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成し、NARとのダブル1000勝は史上4人目の快挙を挙げた。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。