今週のPOG的注目は、土曜日の東京となりそうだ。

まずは東京芝2000m。注目されるのは藤沢和厩舎のディープインパクト産駒、オブセッション(牡2、美浦・藤沢和厩舎)だ。「乗り込むにつれて動きが良くなってきた。素質を感じるし、長い条件で良さが出そう」と津曲助手。鞍上はルメール騎手を予定。春の段階で高い評判になっていたが、その後も順調に調整が進み、美浦トレセンに入厩。1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)は、美浦ウッドで5F68秒前半の時計を楽にマークし、2歳500万のゴーフォザサミットに先着した。藤沢厩舎の新馬にしては時計が出ている。

全兄は、セレクトセールで1億円の値がついたトーセンゲイル。池江厩舎&島川氏のラインで、POGでも上位人気になったが、一度も5着以内にすら入れず期待を裏切った。兄に続いて弟もPOGで指名した人は、兄のぶんも頑張って欲しいところだろう。調教時点で不安だらけだった兄に比べ、こちらは順調。初戦からいいレースをしてくれると見る。

ここは2000m戦らしく、他にも血統、調教のバランスがいい馬が目立つ。エイムアンドエンド(牡2、美浦・二ノ宮厩舎)は、母がロフティーエイム(福島牝馬S)。2週前までは平凡だったが、1週前は美浦ウッドで5F68秒、1F12秒後半でまとめており、変わり身を見せてきている。1週延ばす可能性もあるダークナイトムーン(牡2、美浦・尾関厩舎)だが、美浦ウッド5F67秒台を出しており、今週出ても大丈夫な仕上がりにある。半兄はサダムパテック(マイルCS)、全姉はジュールポレール(ヴィクトリアマイル3着)と、血統的にも期待は高まる。

同日の東京芝1600m戦に出走のマルケッサ(牝2、栗東・池江寿厩舎)は、半兄が菊花賞馬サトノダイヤモンドで、POGでも人気になった一頭だ。2週前はCWで5F69秒、上がり12秒半ばと、この厩舎にしては平凡。変則開催の影響なのか1週前は強いところをやっていないので、直前でどれだけの時計を出してくるか。鞍上はルメール騎手を予定。

ローザフェリーチェ(牝2、美浦・木村厩舎)は、母がローズバド(GⅠ2着3回)、半兄がローズキングダム(ジャパンC)。かつてはPOGでも人気の一族だったが、最近は目立った活躍馬も少なく、人気も落ち来てしまった。美浦ウッドで5F69秒台も、上がり12秒後半を馬ナリなら悪くはない。鞍上はデムーロ騎手を予定。

京都では芝1600m戦。調教が目立つのはカツジ(牡2、栗東・池添兼厩舎)だ。2週前にCWで6F81秒、5F65秒半ばの速い時計をマークした。少しやり過ぎたと考えたのか、1週前は軽めに終始している。「ディープ産駒らしく、いい切れ味がありそう。初戦から楽しみ」と陣営も力が入る。鞍上は松山騎手。母はメリッサ(北九州記念)で、全兄は現在2勝も素質を感じさせるミッキーグローリー。マイル戦も合いそうだ。

ブレイニーラン(牡2、栗東・須貝尚厩舎)は、半姉がGⅠウイナーのローブティサージュ(阪神JF)。CW5F67秒前半で、上がりは12秒後半。最終調教では、もう少し上がりを速くしたい。鞍上は川田騎手。シールヴィクトリー(牝2、栗東・平田厩舎)は、母がヴィクトリーマーチ(エルフィンS2着)。CW5F70秒と平凡だが、馬ナリで上がり12秒前半なら気にすることはない。

レリカリオ(牝2、栗東・矢作厩舎)は、『POG青本』で、巻頭の8頭の中に採り上げられた一頭。ノースヒルズでも、牝馬の中では一番との評価も出ていた馬である。ただ調教は坂路53秒1-13秒3と、可もなく不可もなくといった状況。直前にどれだけ詰めてくるか。

同日京都芝1400m牝馬限定戦は、まず挙げたいのがスイートレモネード(牝2、栗東・須貝尚厩舎)。半兄には、萩Sで後のダービー馬ワンアンドオンリーを破ったデリッツァリモーネがいる。「前向きな走りをする。春まではマイルくらいは保ってほしいが、スピードがあるのでこのくらいの距離は良さそう」と須貝師。鞍上は松山騎手を予定。1週前はCW5F71秒台と軽めだったが、2週前には坂路54秒0-12秒7を出しており、仕上がりは進んでいる。

グリエルマ(牝2、栗東・矢作厩舎)は、母がアズマサンダース(桜花賞2着)。馬ナリでCW68秒台後半、上がり13秒台と大人しい内容だが、まだまだ余裕は窺える。ノッテステラータ(牝2、栗東・鈴木孝厩舎)は、ダイナカール一族。母のカノーロは新馬を快勝。将来が期待されたが、2戦目のクイーンCで故障し、そのまま引退している。坂路56秒3-13秒6(いっぱい)と動きはまだまだなので、使って行って変わり身を見せたい。

日曜日は、東京で芝1400m戦。ルソンデュレーヴ(牝2、美浦・萩原厩舎)は、半兄にダービー馬ロジユニヴァースがいる。1週前調教は朝霧のため最後がギリギリ見えるような状況で全体時計は分からないが、芝コースで余裕をもって古馬1600万の馬に先着しており、動きは良かったようだ。

東京ダート1600m戦は、外国産馬のスウィングビート(牡2、美浦・加藤征厩舎)に注目が集まる。「芝でも面白そうだが、血統的にダートは間違いないと思う。しっかり乗り込んできたので、いきなりから楽しみ」と加藤征師。鞍上は内田博騎手を予定。時計は目立たないが、師のコメント通り調教本数は多く、仕上がりは進んでいる。

ベストフィックス(牡2、美浦・新開厩舎)は、半姉がロフティーエイム(福島牝馬S)、全姉にメーデイア(交流重賞6勝)がいる。美浦ウッド5F67秒をマークし、初戦から勝負になる。

最後に京都芝2000m。レイエスプランドル(牡2、栗東・吉田厩舎)は10月14日のダート戦デビューの話もあったが、芝のここへ延ばしてきた。「能力は確か。スタミナもある」と陣営の期待も高い。10月9日のCWでは6F81秒台、5F66秒の好時計を出し、初戦から行ける構えだ。

今週は目立った新規入厩が少なかったが、その中で注目はウムラオフ。半兄に4勝、皐月賞、菊花賞にも出走したウムブルフがいる。その兄同様に堀厩舎に所属。ゲート試験後に放牧の可能性もあるが、できればこのまま在厩し、ムーア騎手が来日したときにデビューさせたい。