スーパーフェザー

▲いよいよデビューを迎えるスーパーフェザー

秋雨前線や台風のため、ここ2週は道悪が続いており、体力がつききっていない2歳馬には厳しいレースが続く。今週末は久々に好天のもとで競馬を見たいものだ。それでは土曜日の新馬戦から見ていく。

京都芝1800m戦には、セレクトセールで2億8080万円(税込)の高額がつき、POGでも人気になったスーパーフェザー(牡2、栗東・友道厩舎)がデビューを迎える。1週前調教(以降も調教時計は主に1週前のもの)はCWで6F70秒1-12秒4(一杯)でアドマイヤキングに先着したが、これは相手が抑えていたため。もう一つ調教メニューのレベルが上がってこないが、2週前にデビューした同厩のピボットポイント同様ゆっくり作っていく方針なのかもしれない。鞍上はデムーロ騎手。

このレースのもう一頭の目玉はプリメラビスタ(牝2、栗東・池添学厩舎)。母はGⅠウイナーのビワハイジで、兄姉にはGⅠ6勝ブエナビスタを筆頭に、ジョワドヴィーブル、アドマイヤオーラなど重賞勝ち馬が6頭もいるPOGお馴染みのきょうだいだ。CW5F66秒後半、上がり1F12秒半ばと水準レベルの時計は出ており、いい感じでレースを迎えられそうだ。鞍上は池添騎手。

こちらもきょうだいが豪華なレッドヴェイロン(牡2、栗東・石坂厩舎)。兄にリディル、クラレント、レッドアリオン、サトノルパンと重賞勝ち馬が4頭いる。CW5F68秒後半、上がり12秒前半の時計を楽にマークし、調整は順調に進んでいる。ヴィオローネは、近親にストラタジェム(天皇賞・春)。CW68秒後半を馬なりでマークし、まだ時計は詰められる。

同日の京都ダート1200m戦は、外国産馬のペルペトゥオ(牝2、栗東・中内田厩舎)。ブリーズアップセールでノーザンFが購入した馬である。ダノンプレミアム、フロンティア、ベルーガ、フォックスクリークと続々期待馬が出ている好調中内田厩舎の所属。この馬も続きたい。

東京では、芝1600mの牝馬限定戦。オースオブゴールド(牝2、美浦・栗田徹厩舎)は、母がアメリカンオークスなど北米のGⅠを2勝している。「稽古はやれば動くし、コントロールは利く。いい馬で血統的にも期待の大きい1頭」と栗田徹師。鞍上はシュミノー騎手。美浦ウッド5F69秒を余裕をもってマークし、まだまだ変わり身も見込める。

カーロバンビーナ(牝2、美浦・戸田厩舎)も、母がアメリカンオークスの勝ち馬。調教は芝コースで行われ5F66秒台、上がり11秒後半を馬ナリ。2週前にはウッドで67秒台を馬ナリでマークと、仕上がりは進んでいる。鞍上はルメール騎手。レッドテオドーラ(牝2、美浦・国枝厩舎)は、東京RH期待のディープインパクト産駒。こちらも芝で5F64秒半ば、上がり11秒半ばを楽々マークし、父産駒らしい切れ味を期待できる。鞍上は北村宏騎手。メジャーマジック(牝2、栗東・橋口慎厩舎)は、母がソーマジック(桜花賞3着)。CW5F68秒前半、上がり1F12秒後半。最終調教では、もう少し終いを速くしたい。

アモーレミオ(牝2、美浦・勢司厩舎)は、半兄にシュペルミエール(4勝)、母の妹にシャルール(4勝)がいる。ダートの南Dコースで6F81秒台、5F65秒台、1F12秒半ばとなかなかの好時計を出し、いずれはダートでも行けそうである。リリーノーブル(牝2、栗東・藤岡健厩舎)は、母の弟にデウスウルト(4勝)、バティスティーニ(ホープフルS3着)。坂路で54秒3-12秒9(一杯)の時計はもっと詰めていきたい。

日曜日は、天皇賞・秋が東京で行われるため、有力騎手の少ない京都芝1600m戦は手薄になりそうな雰囲気。その中で血統的に目立つのはネプチュナイト(牡2、栗東・友道厩舎)だ。「秋デビューを目標にして、ここまで順調にきている。センスがありそうだし、まずはマイルでどんな走りをしてくれるか見てみたい」と友道師。鞍上は藤岡康騎手。

全兄にダンビュライト(皐月賞3着)、母の弟にアロンダイト(ジャパンCダート)、いとこにマリアライト(GⅠ2勝)、クリソライト(ジャパンダートダービー)、リアファル(菊花賞3着)きょうだいがおり、現在勢いのある一族だ。調教は芝で6F80秒台、5F65秒台を出したが、上がりは13秒台とかかってしまった。ただ2週前にはCWで5F67秒後半、1F12秒半ばの時計を出しており悪くはない。

東京では芝1800m戦。秋の東京で期待馬を大量に出してくる堀厩舎は、1週前の新馬でデルタバローズが大楽勝。これに劣らぬ高い評判となっているのがサトノソルタス(牡2、美浦・堀厩舎)だ。「ゲート試験に合格後は成長を促す意味で放牧へ。良くなるのはこれからだが、いいフットワークで走る」と森助手。ウッド調教ではGⅠ馬ネオリアリズムの胸を借りてさすがに遅れたが、いっぱいに追われたわけではなく、まだまだ余力があった。ウッド5F68秒台も、この厩舎の新馬としては上々で、初戦はもちろん先々まで楽しみだ。

先週を予定していたダークナイトムーン(牡2、美浦・尾関厩舎)は、調教内容や馬場を考慮し、1週延ばしての出走。半兄サダムパテック(マイルCS)、全姉ジュールポレール(ヴィクトリアマイル3着)の血統背景からも楽しみな一頭だ。カイザーヴェッター(牡2、美浦・黒岩厩舎)は、近親に新馬、オープン2連勝で売り出し中の2歳馬ワグネリアンがいる。調教は目立たず、最終調教で変わり身を見せたい。鞍上はシュミノー騎手。

ギャラッド(牡2、美浦・田村厩舎)は、母がアメリカのGⅠ勝ち馬。この馬も調教時計は平凡だが、ルメール騎手騎乗から期待は高いはず。タイセイグランツ(牡2、栗東・矢作厩舎)は、セレクトセールで1億円を超えた期待馬。CW5F70秒台と全体時計は遅いが、終いは1F12秒前半を出し、併せた相手に先着している。

東京では芝1400m戦も。ムールヴェードル(牝2、美浦・手塚厩舎)は半兄にブラックエンブレム(秋華賞)がいる。ウッド70秒台とおとなしいが、余力十分で上積みはまだまだ見込める。

同日は新潟で芝1600m戦。スパイスマジック(牡2、美浦・杉浦厩舎)は、祖母がレッドチリペッパー(重賞2勝)。ウッド5F66秒は、内目を回ったとはいえなかなか速い。相手関係からも、初戦から勝負になりそうだ。

新規入厩の目玉はリンフォルツァンド。全姉にタッチングスピーチ(ローズS)、ムーヴザワールド(東スポ杯、共同通信杯ともに3着)がおり、POG人気血統である。これからゲート試験なので、もしかしたら再放牧もあるかもしれないが、遅咲きのイメージも強いので焦ることも無かろう。

再入厩ではシーリア(牝2、栗東・角居厩舎)。母は日米オークス馬シーザリオ、兄にエピファネイア(菊花賞、ジャパンC)、リオンディーズ(朝日杯FS)とGⅠ勝ち馬が並ぶ。こちらは夏の函館でゲート試験に合格しており、順調なら先の挙げた兄2頭と同様に京都でデビューとなる。