今週はジャパンC当日の東京芝1800mに、アノPOG人気馬が出走するが、まずは土曜日から見ていく。

土曜日の京都芝1600m戦は、こちらも注目のサンラモンバレー(牡2、栗東・池江寿厩舎)が出走予定。母はモンローブロンド(ファンタジーS2着)、母の弟にランフォルセ(エルムS)、ノーザンリバー(カペラS)がいる。「古馬と併せてもヒケを取らず、やれば時計も出る。能力は高く、楽しな1頭」と兼武助手。鞍上はC.デムーロ騎手。

1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)は、CWで6F80秒を切り、5F64秒、上がり1F12秒と、デビュー前の2歳馬としては秀逸の時計をマーク。2週前にも上がり1F11秒半ばの時計を出しており、かなり楽しみなデビュー戦となる。

サンラモンバレー

2016年セレクトセールで落札されたサンラモンバレー

ラプトレックス(牡2、栗東・宮本厩舎)も、CWで4F51秒半ばを余裕をもってマークし、2週前には坂路で53秒7-12秒4と、新馬戦で勝ち負けになる時計を出しているが、サンラモンバレーの調教が派手なため、どうしても目立たなくなってしまう。

京都ダート1800m戦は、スモーキングガン(牡2、栗東・吉村厩舎)がCデムーロ騎手で出走予定。母はアメリカのGⅢ勝ち馬だ。CWは70秒も、上がり1F12秒を馬ナリなら悪くない。

東京では芝1600m戦。アルーシャ(牝2、美浦・藤沢和厩舎)は、母のザズーがアメリカのGⅠ勝ち馬。調教はウッド4F44秒台とかなり軽めだが、藤沢調教師は走法、能力ともに好評価で、先々に期待したい。鞍上はルメール騎手。メープルリキュール(牝2、美浦・栗田博厩舎)は、半兄にアメリカでGⅡを勝っているストーミーロードがいる。坂路53秒ー12秒2を楽にマークし、1600万のプレシャスエースに併入と動きは良好だ。鞍上は柴山騎手。

東京ダート1600m戦は、半姉にGⅠ2勝のメジャーエンブレム(阪神JF、NHKマイルC)がいるメジャーラプソディ(牝2、美浦・田村厩舎)がデビュー。「稽古は水準以上の動き。芝でも面白そうだが、父がゴールドアリュールに替わってダートの適性は高いと思うし、まずはこの条件から」と田村師。鞍上はルメール騎手。ウッド6F82秒台、5F65秒台と水準以上の時計を出し、仕上がりは上々。陣営も初戦から高い期待をかけており、新馬戦から有力だ。

レンジストライク(牡2、美浦・武井厩舎)は、母がフィールドサンデー(シンザン記念3着)、母の姉にブライトサンディー(重賞2勝)がいる。ウッド69秒台と時計は平凡だが、調教をつけている蛯名騎手は好評価をしており、レースで変身が見込める。

日曜日は、東京芝1800m戦。先に書いたが、POGで上位人気になったブレステイキング(牡2、美浦・堀厩舎)が待望のデビュー。母のシユーマはイギリス、アメリカでGⅠ勝ちしているほか、一族には複数のGⅠ勝ち馬がいる。半兄のヘリファルテも現在4戦3勝で、将来を嘱望されている。「兄よりも体つきはひと回り大きい。カッとしてテンションの上がりやすいところがあるので、そのあたりのコントロールが今後の課題」と森助手。鞍上はムーア騎手。2週前までは軽い調教ばかりで、予定されている新馬戦に間に合うのか心配したが、1週前にウッドで6F81秒台、上がり1F12秒台を一杯にマーク。堀厩舎の新馬にしては珍しく長めから速い時計を出し、新馬勝ちへ向けて強い意欲を感じる。

ブレステイキングはサンデーRで1億2000万円の募集価格だが、同じレースに出走予定のアルビオリクス(牡2、美浦・木村厩舎)も同じくサンデーR所属のディープ産駒で、募集価格も1億円。使い分けの多い現状で、同クラブの高馬が同じレースでデビューは異例だ。当然こちらも血統は良く、母はアメリカのGⅠ勝ち馬で、全兄サトノシュプリームはセレクトセールで2億6250万円(税込)の高額がついた。調教はウッド5F70秒台で併せた2歳新馬に煽られ、動きのほうはまだまだ。使いながら良くなっていくタイプか。

ピラータ(牡2、美浦・国枝厩舎)は、セレクトセールで1億800万円(税込)の高馬。母はセレクトセール史上最高価格(6億円)がついて話題になったディナシーである。ウッド4F55秒と1週前は軽めだったが、2週前には4F51秒台の時計が出ており、仕上がりは進んでいる。鞍上は戸崎騎手。ヒーロークライシス(牡2、美浦・鹿戸雄厩舎)は、母の兄がアサクサキングス(菊花賞)。ウッド4F55秒台とこの馬も軽めだが、520キロ台の大型馬で、もっと動けそうな雰囲気だ。鞍上は蛯名騎手を予定。リビーリング(牡2、美浦・萩原厩舎)は、母の弟がシックスセンス(皐月賞2着、ダービー3着)。ウッド5F70秒台も、上がりは12秒台でまとめ、古馬1600万の馬に先着している。ただ、「初戦向きではなさそう」という話もあり、叩いてからか。鞍上はM.デムーロ騎手。

京都では芝1800m戦。ミッキーガーデン(牡2、栗東・大久龍厩舎)は、セレクトセールで4968万円(税込)の値がついた馬。祖母には有馬記念などGⅠ4勝のダイワスカーレットがいる。CW6F81秒台、5F66秒、上がりは12秒を切るレベルの時計を出しており、初戦から好勝負を期待。

パワフルヴォイス(牡2、栗東・吉田厩舎)は、母が未勝利から1000万まで3連勝したソウルフルヴォイス、3代母に名牝ダイナアクトレスがいる。CW5F71秒と軽めだが、11月11日には坂路55秒9-12秒6を楽にマークし、デビューへ向けて整いつつある。鞍上はアッゼニ騎手。ドレーク(牡2、栗東・藤岡健厩舎)は、半姉がオープン特別2勝のワイルドラズベリー。坂路55秒0-12秒9で併せたリリーノーブルに少差遅れたが、相手は新馬楽勝の馬では仕方ないか。ただ時計は、もう少し詰めたい。

新規入厩で目を引くのはイベルラーニオ。半兄にウインマーレライ(ラジオNIKKEI賞)がいる。この馬は岡田繁幸氏と関係の深いコスモヴューFで生産され、セレクトセールに上場し、吉田勝己氏のノーザンFが購入して話題になった馬。日本を代表するホースマン2人に関わる馬だけに興味深い。