夏のローカル開催も2週を残すのみ。2歳馬は阪神、中山に照準を置く時期でもあり、ローカル3場の新馬戦のメンバーも落ちてきている。そのためPOGで上位人気になるような馬のデビューは見当たらないが、逆に手薄なメンバーになった新馬戦を確実に勝とうと、リーディング上位厩舎が狙いを定めてきている感もある。そのひとつが友道厩舎。札幌のダート1700m戦にはブレイキングザロウ(牡2、栗東・友道厩舎)を出走させる。
「ゴールドアリュールの産駒で、血統やフットワークからもダートは走りそう。初戦から期待を抱かせるくらい稽古の動きはいい」と友道師。鞍上はMデムーロ騎手を予定。馬力型だけに活躍の場はおそらくダートだが、この路線での出世は期待していいだろう。

札幌からずっと飛んで小倉の芝1800m戦にはリッチーリッチー(牡2、栗東・友道厩舎)を投入。「走りに対して前向き。馬格があってフットワークも大きいので、小回りコースがどうかだが、いい動きを見せている」と師。父はガリレオの直仔で、母はアイルランドのG3ウィナー。父母ともにかなり重厚なヨーロピアン血統で、中長距離で活躍を見込みたい。

このレースには、池江寿厩舎のストロングタイタン(牡2、栗東・池江寿厩舎)も出走を予定している。「稽古は動くし、いいモノを持っている。ダートも走ると思うけど、芝でどれだけやれるのかも見てみたいね」と池江寿師。父はフォーティナイナー系のアメリカ血統で、500キロを優に超える大型馬。母系を含めてダートの血筋だが、芝でデビューさせるのは期待の表れだろう。鞍上は浜中騎手。

ブレイキングザロウ
牡、栗東・友道、ゴールドアリュール×シーザバッドガール
POGシメイ

リッチーリッチー
牡、栗東・友道、Teofilo×Nick’s Nikita
POGシメイ

ストロングタイタン
牡、栗東・池江寿、Regal Ransom×Titan Queen
POGシメイ

 新潟ではマイル戦が好メンバーになりそうな雰囲気。エディクト(牡2、美浦・二ノ宮厩舎)は、京王杯SCを勝った母の初仔。8月12日にはウッドで5F65秒台をマークしたように調教も動いている。「馬っぷりがよく、スピードもある。初戦から」と陣営からも強気なコメントが聞こえており、母譲りのスピードに期待したい。
クリスタルスカル(牡2、美浦・高柳、父ファルブラヴ、母ナスカ)も、1週前にウッド4F52秒台なら合格点。半姉にオープン馬アロマティコ、母の兄にインティライミオーバーザウォールサンバレンティンと重賞勝ち馬が並ぶ良血で、先々まで楽しみな一頭だ。

 新潟芝1200m戦はアンナトルテ(牝2、美浦・奥村武、父エンパイアメーカー、母クーヴェルチュール)が予定。1週前のウッドでは4F52秒0を馬ナリでマークとスピードを見せている。母はオープン特別を3勝。2歳時には、1着失格を含めれば4度1位入線をしている馬で、早くからの活躍が見込める。

エディクト
牡、美浦・二ノ宮、キングカメハメハ×サンクスノート
POGシメイ

先読み

▲POGファン必見!活躍馬を多数輩出している牝系出身のクリスタルスカル


 次は新規入厩馬。待望のPOG人気馬が栗東に到着。サトノダイヤモンド(牡2、池江寿厩舎)が厩舎に入って来た。
ノーザンF空港牧場組では、リライアブルエース(牡2、栗東・矢作、父ディープインパクト、母ゴールデンドックエー)と並ぶ期待馬と噂もあった馬。馬っぷりならばノーザンF全体でも1、2という声もあり、期待は益々高まっている。ただ期待は高いものの、POGには向かないタイプという声も一部あったので、夏のうちに栗東に入るのは意外だった。順調に進めば京都でデビューか。母系は南半球の一族で、高速決着の多い京都でいきなり真価発揮となりそうだ。
坂路で一緒に運動しているのが同厩のダノングランツ(牡2、栗東・池江寿、父ディープインパクト、母マーキーアトラクション)。ラキシス、アユサン、リアルスティールでお馴染み、相性のいいディープインパクト×ストームキャットの配合で、サトノダイヤモンド同様に注目せねばなるまい。

未デビューの再入厩組ではカイザーバル(牝2、栗東・角居、父エンパイアメーカー、母ダンスインザムード)。こちらは6月に入厩してゲート試験に合格しており、今回はデビューに向けての入厩。POGではお馴染みの一族で、初戦から期待がかかる。早ければ阪神でお披露目となろう。

サトノダイヤモンド
牡、栗東・池江寿、ディープインパクト×マルペンサ
POGシメイ

先読み

▲G1・2勝のダンスインザムードの仔であるカイザーバルも再入厩