除外も困るが、こちらも困るのが権利ナシで入ってしまう5頭枠。おかげで今週の目玉だったフィエールマン(新馬勝ち)、来週の有力と見ていたクナルゲニアール(新馬ハナ差2着)がともにデビューしてしまった。

今週紹介する馬もほとんどが除外による権利持ちの馬ばかりだが、中には権利取りのために投票するアノPOG人気がいる。これまた入ってしまうのか…。

東西ともに芝の新馬戦は土曜日なので、こちらを中心に見ていく。京都では芝2000m戦。サトノゲイル(牡3、栗東・池江寿厩舎)は、半兄にナンヨーマーク(4勝)、母の妹にブロードストリートがいる。「決して大きくはないがバランスが取れている。マイルから中距離までこなしてくれるタイプでは」と池江師。1週前調教(以降、調教は主に1週前のもの)はCWで5F67秒台、上がり1F11秒後半の時計を楽にマーク。2週前のCWでも上がり11秒後半を記録しており、初戦から有力だ。

オールフォーラヴの新馬勝ちで、更に厚みが増した好調・中内田厩舎。今週はミッキーチャーム(牝3、栗東・中内田厩舎)が出陣だ。「牝馬だが動じることなく性格はドッシリしている。スピードに加えてスタミナもありそうなので距離もこなしてくれそう」と猿橋助手。1週前はポリトラックで5F64秒台で、上がりは11秒前半、2週前には芝で5F63秒台と、時計が出やすいコースとはいえ時計、動きともに良好。新馬戦から結果を出す中内田厩舎なので、この馬も初戦から上位争いを演じてくれそうだ。

イエローマリンバ(牝3、栗東・河内厩舎)は、下河辺牧場生産で、ディーインパクト×ストームキャットの配合は、アユサン(桜花賞)、ヒラボクディープ(青葉賞)と同じ。坂路53秒3-12秒5と時計は水準のものが出ている。マージェリー(牝3、栗東・西浦厩舎)は、半兄にホッコータルマエ(交流含むG1・10勝)。坂路54秒3-12秒6と時計は悪くない。芝でどんな競馬を見せてくれるか。アレグレメンテ(牝3、栗東・松永幹厩舎)は、半兄がフラガラッハ(中京記念)、フェルメッツァ(七夕賞3着)、半姉にイリュミナンス(クイーンS3着)。先週除外も、もともと狙いはここだ。坂路53秒7-12秒7。2週前も上がり12秒台を出しており、目標レースへ向けて順調に来ている。

ディエルベ(牝3、栗東・高橋亮厩舎)は、母の兄がアサクサデンエン(安田記念)、スウィフトカレント(天皇賞・秋2着)、母の弟にヴィクトワールピサ(G1を3勝)がいる。CWで1月初旬に5F66秒台、ここ2週はCW4F51秒台と、速い時計を何本もマークし、仕上がりは他馬以上に進んでいる。スズカテイオー(牡3、栗東・橋田厩舎)は、母が重賞でも活躍したスプリングサンダー。半兄にスズカメジャー(現2勝)がいる。昨年夏に入厩も体質が弱く、デビューせずに放牧。昨年11月に再入厩。その後もなかなか時計を出さず馬に合わせてじっくり調整し、年末あたりから早めの時計も出し始めた。1週前の坂路は52秒9-13秒1の時計を一杯にマークと特に目立たないが、2週前のCWでは5F67秒台、上がり12秒と上々の時計をマークしている。

サトノシリウス(牡3、栗東・藤原英厩舎)は、母がパールシャドウ(5勝)。年始あたりにデビューしても良かったほどで、調教量は他馬より豊富。更に2週連続の除外で、仕上げはかなり進んでいる。2週前にはCWで5F66秒台で、上がりは11秒後半、1週前はCW67秒、上がり12秒と時計も上々。初戦から結果を出したい。リンフォルツァンド(牝3、栗東・角居厩舎)は、全姉にタッチングスピーチ(ローズS)、全姉がムーヴザワールド(東スポ杯2歳S3着)がおり、POGではお馴染みの一族。CW5F67秒台、上がりは12秒半ばと調教時計は普通レベルだが、今回は除外を考慮しての投票で、まだまだ上積みを見込める状態だ。

東京では芝1800m戦。グロンディオーズ(牡3、美浦・田村厩舎)は、半兄にムスカテール(目黒記念)。先週の目玉と見ていたが、抽選のいたずらで今週の目玉と見ていたフィエールマンと予定が逆になってしまった。2週前は時計の出にくい美浦ウッドで5F66秒台、1週前も5F67秒台、上がりは12秒半ばと、デビュー前の馬としては結構な時計を出しており、デビュー戦が楽しみだ。

ライラックカラー(牡3、美浦・藤沢和厩舎)は、母がルルパンブルー(フェアリーS)。ウッド67秒と、藤沢和厩舎にしては速い時計をマークしており、この馬も初戦から有力。スクリプティド(牝3、美浦・栗田徹厩舎)は、一族にアサクサデンエン、スウィフトカレント、ヴィクトワールピサきょうだい、阪神JF勝ちのローブティサージュがいる。坂路53秒2-13秒3で併せた相手に遅れたが、追走したものなので心配はあるまい。

同日の東京はもう一つ、ダート1400m戦も。オフザロック(牡3、美浦・矢野英厩舎)は、半兄にオールパサデナ(5勝)、シュナウザー(現4勝)。「血統的にも奥手の感じがあるので成長を促してからのデビュー。距離はもうすこしこなせるかもしれないが、まずはこの条件から」と矢野英師。鞍上は田辺騎手を予定。ウッド69秒台、上がり13秒前半と時計は水準レベル。兄がダートで活躍しており、この馬も先が楽しみである。

日曜日は、京都ダート1800m戦から一頭。コンフェイト(牝3、栗東・佐々晶厩舎)は、全兄がG1ウイナーのベルシャザール(JCダート)。坂路55秒5と現状は時計が詰まってこないが、叩いて血統の良さが出てくるのを待ちたい。

未出走で注目は、再入厩のセンテリュオ(牝3、栗東・高野厩舎)。全兄にトーセンスターダム(重賞2勝)がいる。半兄にネオスターダム(現4勝)がいる。ここからクラシックは厳しいが、何とかオークスに間に合わせたい。