相変わらずの除外ラッシュで、そろそろ新馬戦ではなく、未勝利戦デビューを考える陣営も増えてきている。今回紹介する馬の中にも、「除外なら未勝利戦へ」という馬が見られる。

まずは土曜日の新馬戦から。東京ではダート1600m戦。ジッピー(牡3、美浦・栗田徹厩舎)は、3代母が桜花賞馬ダイアナソロン。「稽古は力強い動きをするし、水準以上のモノがある。まだ幼くて成長途上だが、この先走ってきそう」と栗田徹師。1週前(以降も調教は主に1週前のもの)は美浦ウッドで4F53秒。既にウッドで5F68~69秒台の時計を出しており、仕上げは進んでいる。

オフザロック(牡3、美浦・矢野英厩舎)は、半兄にオールドパサデナ(5勝)、シュナウザー(現4勝)とダートの活躍馬がいる。除外された場合は、未勝利戦にまわることもある。クラシーヴァ(牝3、美浦・戸田厩舎)は、半兄がミヤジタイガ(弥生賞2着)。ウッド68秒、上がり12秒後半は、美浦ウッドを考えれば悪くない。

京都ではダート1800m戦。シルヴァーヌス(牡3、栗東・西浦厩舎)は、Bernardini産駒。父産駒の日本活躍馬は、サトノプリンシパル(5勝)、アメリカンウィナー(5勝)がいる。「パワーのある走りをするし、血統的にいかにもダート向き。マイルから中距離までこなしてくれそう」と西浦師。調教は坂路で55秒0を一杯と、まだまだ変わり身が必要だ。

ヴォーティブ(牝3、栗東・中尾秀厩舎)は、大魔神・佐々木氏の持ち馬。一族には、アンバーシャダイ、サクラバクシンオーらがおり、社台の歴史をつくってきた名族だ。坂路54秒1-13秒9(一杯)と調教は平凡だが、血統から変わり身は見込める。

日曜日は、東京で芝1800m戦。アドマイヤヒビキ(牡3、美浦・加藤征厩舎)は、母が豪州のG1勝ち馬。「稽古は既走馬と併せても互角以上に動けている。しっかり乗り込んできたし、初戦から力を出せる仕上がり」と加藤征師。2週前にはウッドで5F68秒台、1週前は4Fからウッド54秒を楽にマークし、クイーンCに出走したナラトゥリスと併入と、動きは良好だ。

ネイビークロス(牝3、美浦・菊沢厩舎)は、近親にトウショウクラウン(5勝)。坂路55秒5-12秒7を馬ナリでマークしている。先週に続き除外された場合は、未勝利戦も考えているようだ。ネイルドイット(牝3、美浦・田島俊厩舎)は、母の兄にバランスオブゲーム(重賞7勝)、母の弟にフェイムゲーム(重賞5勝)。ウッド5F69秒、1F13秒半ばと時計は地味だが、まだ変わりそうな雰囲気。

カプア(牝3、美浦・萩原厩舎)は、母がピンクカメオ(NHKマイルC)、母の兄にブラックホーク(G1を2勝)がいる。1週前はウッド5F71秒台だが、2週前は4F52秒台と時計は出ている。ロードザナドゥ(牡3、栗東・橋田厩舎)は、母がシンメイフジ(新潟2歳S)。3代母に名牝シンコウラブリイがいる。CW5F65秒台、上がりも12秒でまとめ動きは良好。初戦から好勝負だ。

京都では新馬戦が無く、小倉で芝2000m戦。レッドフィオナ(牝3、栗東・吉田厩舎)は、半兄がハーバーコマンド(菊花賞4着)。CW5F67秒を楽にマークしている。ナハストーン(牡3、栗東・小崎厩舎)は、母の兄にドリームパスポート(GⅠ2着3回)、母の弟にフロンティア(新潟2歳S)。1週前はCW5F69秒台だが、2週前には5F65秒台の速い時計を出している。仕上がりは進んでいるが、本当の目標はここで除外され、翌週の阪神2000mのようだ。

センテリュオ(牝3、栗東・高野厩舎)は、全兄がトーセンスターダム(重賞2勝)。坂路54秒5-12秒9と目立たないが、調教本数は少なく、まだまだ詰められる。デサフィアンテ(牝3、栗東・角居厩舎)は、秋華賞勝ち馬アヴェンチュラの初仔。CW67秒後半、上がり12秒前半と時計は出ているが、この馬も除外されて来週の阪神2000m戦が本来の目標のようだ。