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キャメロット三冠に王手/米三冠アイルハヴアナザー三冠なるか
2012/6/6(水)
伝統の第233回ダービーは、乾いたグッドトゥファームの馬場に1907年以来となる9頭立ての小頭数で行われた。5頭をエントリーしていた愛バリードイルはキャメロットとアストロロジーの2頭だけ、インペリアルモナークは翌日のジョッケクルブ賞(仏ダービー)に回った。
レースはアストロロジーの先行、キャメロットは後方8番手からの競馬。スタートして右にドッグレッグして丘に登り、丘の頂上から左に曲がるとなだらかに続くダウンヒル、タッテナムコーナーからソートワージーがアストロロジーにプレッシャーをかけたが、直線でアストロロジーが突き放す。そこに直線6番手に上がったキャメロットが残り2ハロンで2番手に上がり、最終ハロンで先頭に立つと最後の壁を駆けのぼり、5馬身差を付けて圧勝した。12ハロンと10ヤードの距離、タイム2分33秒90、キャメロット1頭が抜けた強さだった。
今年死亡したモンジュー産駒としては05年のモーティヴェーター、07年オーソライズド、昨年のプールモアに続く4頭目のダービー馬。エイダン・オブライエン調教師にとっては01年ガリレオ、02年ハイシャパラルに続く3度目の優勝となった。調教師の息子で先月19才になったばかりのジョセフ・オブライエン騎手は勿論初めての優勝。「今日は馬が勝たせてくれた。何にもハンドルを操作することもなく。彼は特別な馬で、彼の背中に跨げるだけでも幸運です。オーナーのマグニア夫妻、テーバー夫妻、スミス夫妻には大変感謝しているし、皆いつも私の周りにいて心強い」とコメントした。
これで1970年のニジンスキー以来の三冠馬誕生に王手をかけた。この後は、オブライエン調教師を交えたクールモアのオーナー会議で、愛ダービーに行くか、休養を与えてドンカスター(三冠最終戦のセントレジャー)、凱旋門賞への道を進むかが話し合われる。
尚、翌日の第172回ジョッケクルブ賞(芝2100m)は、前半の1100m通過が1分04秒3のハイペースとなり、後方で脚を溜めたアントワン・アムラン騎乗のソノワが、直線馬群を割って100m残して先頭に立ち混戦を制した。チチカステナンゴ産駒の優勝は08年のヴィジョンデタに続く2度目の優勝。インペリアルモナークは馬群に包まれて8着と伸びを欠いた。
さて今週は米二冠馬アイルハヴアナザーが、1978年のアファームド以来となる三冠馬に挑戦する第144回ベルモントSに注目する。ニューヨークのベルモントパーク競馬場には11頭のコンテンダーが勢揃いした。
フラワーアレー産駒のアイルハヴアナザーは25才のマリオ・ギュティエレス騎手とのコンビで、プリークネスSの翌日にニューヨーク入りしている。打倒アイルハヴアナザーの筆頭はイーヴンザスコア産駒のケンタッキーダービー3着馬ドゥラハン。ハヴィエア・カステリャーノ騎手とのコンビで、半マイル45秒97、5ハロン58秒91のドリルが目に付いた。ケンタッキーダービー7着馬のディキシーユニオン産駒ユニオンラグズはジョン・ヴェラスケス騎手とのコンビが決まった。
ケンタッキーダービー11着/プリークネスS6着のイングリッシュチャンネル産駒オプティマイザーの他、ダービーもプリークネスも間に合わなかった組からはG2タンパベイダービー5着のロイヤーロン産駒のラヴェロズボーイ、G2ピーターパンS3着のストリートセンス産駒のストリートライフが加わった。
更にダービーデーのチャーチルダウンズ競馬場でアローワンスを勝ったイスタン産駒のアティガン、4月のアケダクト競馬場のアローワンス4着から参戦するインヴァソール産駒のファイヴシックスティーン、ベルモントパーク競馬場のアローワンス2着からの参戦になるエディントン産駒のガイアナスタードウィージ、プリークネスSデーのピムリコ競馬場でアローワンスを勝って来たオーサムアゲイン産駒のペインター、4月のベルモントパーク競馬場のアローワンスを勝って来たエクスチェンジレート産駒のアンストッパブルユーがエントリーしている。
過去16年で9頭のニ冠馬が誕生、9頭全てがこのベルモントSで散って行った。それは10ハロンを超えるダートの競走が少ない米国では、三冠最終戦のベルモントSが距離12ハロンで大きな落とし穴的存在となっているからだ。果たして34年振りに三冠馬が誕生するのか、また隠れたステイヤーの出現で大きな敵となるのか、レースは日本時間の10日朝行われる。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
レースはアストロロジーの先行、キャメロットは後方8番手からの競馬。スタートして右にドッグレッグして丘に登り、丘の頂上から左に曲がるとなだらかに続くダウンヒル、タッテナムコーナーからソートワージーがアストロロジーにプレッシャーをかけたが、直線でアストロロジーが突き放す。そこに直線6番手に上がったキャメロットが残り2ハロンで2番手に上がり、最終ハロンで先頭に立つと最後の壁を駆けのぼり、5馬身差を付けて圧勝した。12ハロンと10ヤードの距離、タイム2分33秒90、キャメロット1頭が抜けた強さだった。
今年死亡したモンジュー産駒としては05年のモーティヴェーター、07年オーソライズド、昨年のプールモアに続く4頭目のダービー馬。エイダン・オブライエン調教師にとっては01年ガリレオ、02年ハイシャパラルに続く3度目の優勝となった。調教師の息子で先月19才になったばかりのジョセフ・オブライエン騎手は勿論初めての優勝。「今日は馬が勝たせてくれた。何にもハンドルを操作することもなく。彼は特別な馬で、彼の背中に跨げるだけでも幸運です。オーナーのマグニア夫妻、テーバー夫妻、スミス夫妻には大変感謝しているし、皆いつも私の周りにいて心強い」とコメントした。
これで1970年のニジンスキー以来の三冠馬誕生に王手をかけた。この後は、オブライエン調教師を交えたクールモアのオーナー会議で、愛ダービーに行くか、休養を与えてドンカスター(三冠最終戦のセントレジャー)、凱旋門賞への道を進むかが話し合われる。
尚、翌日の第172回ジョッケクルブ賞(芝2100m)は、前半の1100m通過が1分04秒3のハイペースとなり、後方で脚を溜めたアントワン・アムラン騎乗のソノワが、直線馬群を割って100m残して先頭に立ち混戦を制した。チチカステナンゴ産駒の優勝は08年のヴィジョンデタに続く2度目の優勝。インペリアルモナークは馬群に包まれて8着と伸びを欠いた。
さて今週は米二冠馬アイルハヴアナザーが、1978年のアファームド以来となる三冠馬に挑戦する第144回ベルモントSに注目する。ニューヨークのベルモントパーク競馬場には11頭のコンテンダーが勢揃いした。
フラワーアレー産駒のアイルハヴアナザーは25才のマリオ・ギュティエレス騎手とのコンビで、プリークネスSの翌日にニューヨーク入りしている。打倒アイルハヴアナザーの筆頭はイーヴンザスコア産駒のケンタッキーダービー3着馬ドゥラハン。ハヴィエア・カステリャーノ騎手とのコンビで、半マイル45秒97、5ハロン58秒91のドリルが目に付いた。ケンタッキーダービー7着馬のディキシーユニオン産駒ユニオンラグズはジョン・ヴェラスケス騎手とのコンビが決まった。
ケンタッキーダービー11着/プリークネスS6着のイングリッシュチャンネル産駒オプティマイザーの他、ダービーもプリークネスも間に合わなかった組からはG2タンパベイダービー5着のロイヤーロン産駒のラヴェロズボーイ、G2ピーターパンS3着のストリートセンス産駒のストリートライフが加わった。
更にダービーデーのチャーチルダウンズ競馬場でアローワンスを勝ったイスタン産駒のアティガン、4月のアケダクト競馬場のアローワンス4着から参戦するインヴァソール産駒のファイヴシックスティーン、ベルモントパーク競馬場のアローワンス2着からの参戦になるエディントン産駒のガイアナスタードウィージ、プリークネスSデーのピムリコ競馬場でアローワンスを勝って来たオーサムアゲイン産駒のペインター、4月のベルモントパーク競馬場のアローワンスを勝って来たエクスチェンジレート産駒のアンストッパブルユーがエントリーしている。
過去16年で9頭のニ冠馬が誕生、9頭全てがこのベルモントSで散って行った。それは10ハロンを超えるダートの競走が少ない米国では、三冠最終戦のベルモントSが距離12ハロンで大きな落とし穴的存在となっているからだ。果たして34年振りに三冠馬が誕生するのか、また隠れたステイヤーの出現で大きな敵となるのか、レースは日本時間の10日朝行われる。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
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