平林雅芳の目

トピックス

日曜中京11R
高松宮記念(GⅠ)
芝1200m
勝ちタイム1.08.0

勝ち馬:ローレルゲレイロ(牡5、栗東・昆厩舎)

■自分の競馬でGⅠを掴む、ローレルゲレイロ粘勝だ。

電撃の6F、スピード、先行争いが激しく予測がつかないなんてフレーズほどあてにならないものはない。
意外なほどに先行馬の折り合いがスンナリとつき、ペースもオープン級では超がつくほどの速いものではない。
ほとんど前々で決着がついた今年の高松宮記念であった・・。

ポンと出たのが⑬枠に入ったローレルゲレイロ。そのままスッと前へ出た。
その横の大外からジョイフルハートのスタートも悪くないが、ローレルの前まで行く気持ちはなさそうにだった。
徐々に内へと進路を取ったローレルゲレイロ
逃げ馬は内ラチ沿いを走るのが理想だ。
そのちょっと後ろに一番人気のスリープレスナイトが続いた。
前を行く2頭とは2馬身はないだろうが、1馬身以上はスペースを開けての追走となった。
そして前の2頭は内外離れているから競っている様子でもなかった。
後続グループは、ウエスタンダンサードラゴンファングがいい感じで、スリープレスナイトを見ながらの追走であった。
横山典Jのアーバニティは、いつの間にか内ラチ沿いを進んでいた。
コースロスを無くすのがベストの騎乗だろう。

3角を過ぎ4角手前あたりでは、ドラゴンファングの勢いがついて2番手に上がってきていた。
内ラチ沿いを進んでいたローレルゲレイロが、淡々とペースを刻んで先頭をキープ。
その後ろに、黒い帽子のスリープレスナイトが絶好の手応えで、前を見据えていた。 ファリダットも後ろから馬ごみの外をグーンと加速して上がってきていた。ビービーガルダンも好位をキープ。
鞍上の手が激しく動いている馬はいないぐらいに、各馬余力を持って直線へ向って行った。

4角を廻り、まだ最内のローレルゲレイロの脚色は落ちなかった。
直後に位置していたスリープレスナイトがこじ開けるように外へ出して、前を行くローレルゲレイロを追いかけた。
後1Fあたりでは、外を廻ってきた馬も追いつきそうな勢いではある。
しかし内の2頭の勢いの方が、追いすがる外目の馬よりも優勢だった。
内のローレルゲレイロ、外のスリープレスナイトの追い比べだが、一旦外のスリープレスナイトが交わして半馬身ぐらい出たかのように見えたが、錯覚だったのかと思える程に、瞬く間にまた内のローレルゲレイロの勢いが増した感じで、クビから半馬身と出たところがゴールであった。
2着スリープレスナイトには半馬身差をつけて、栄光のゴールインとなったローレルゲイレロだった。

激しい攻防の前2頭から少し水は開いたが、3着にはこれまた内目から追い上げてきていたコスモベルが上がったかと思った瞬間に、外からソルジャーズソングトウショウカレッジが併せ馬で突っ込んできて、コスモベルとの3頭横一線になった。
ゴール寸前で、真ん中にいたソルジャーズソングが伸び鋭く3着となった。
4着トウショウカレッジ、5着コスモベル
そして2番人気ファリダットが最後に詰め寄って6着。
ゲートを出た瞬間に少し後方に置かれた感じで、外々を廻らざるをえない競馬も響いたかも知れない。

これが近年の競馬だと言えるほどの、前々での決着となった。
馬場コンディションがすこぶるいいから、内々の前々で競馬できる馬が絶対有利なのは理論上からも判る。
最近の競馬で前が競り合って共倒れなんて結果の競馬は、あまり見ない。
行く方が絶対に有利なのであり、コースロスを防ぐのも騎手にとって当然だろう。
判りきっているのだが、差し馬に注目してしまう馬券の素人の貴方。
実は私もそうであり、毎回、先行馬や前々で競馬するジョッキーにやられている。
もういいかげんに気が付いても良さそうなものだが・・・。
競馬は展開であり、逃げ馬、先行馬を買っていれば損はしないのだ・・。


土曜阪神10R
毎日杯(GⅢ)
芝1800m
勝ちタイム1.48.0

勝ち馬:アイアンルック(牡3、栗東・橋口厩舎)

アイアンルックが堂々の重賞勝利だ!!

2戦目で重賞ゲットのチャンスがそこまであったアイアンルックが、今回も当然、圧倒的人気に支持された。
その期待に応えるように、直線で確実な伸びをみせてNHKマイルからダービーへの切符を手に入れた。

ゲート内でアプレザンレーヴがちょっとうるさくなり、突進する様な感じが収まった時にゲートが開いた。
態勢を維持できなかったのか、ダッシュがつかなかったのがそのアプレザンレーヴ。一瞬で2馬身ぐらい差が出てしまった。
外からスッと出て行ったのがゴールデンチケット、鞍上は園田から交流競馬で来ている木村健J。
前へと出て、他の馬の出方をうかがった。
内からアイアムピカイチが前へと出て、それを追うようにミッキーパンプキンが前へと上がって行った。
ゴールデンチケットが先手を取るが、そんなに行く気がないとみたのか、3角手前では先頭をミッキーパンプキンが奪った。
今日の岩田Jは、先行策をとる気持ちなのだろうか。

外から上がってきていたストロングリターンが2、3番手、注目のアイアンルックもスタートは五分以上に出てはいるが、今日もジンワリと行く様子で中団より後ろの外目につけていた。

平均ペースより遅い流れで、3角を過ぎたあたりでは先頭からアイアンルックまでは10馬身はあったのではないか。
先頭がミッキーパンプキンで、その真後ろにゴールデンチケットが内ラチ沿いの2番手。

アイアムピカイチと内ラチ沿いに続いた。

4角手前で後続馬も差を詰めてきて、かなり馬群が凝縮された。
僅かに内のミッキーパンプキンが1馬身ぐらい出た格好で横一線に並び、アイアンルックが外目の馬群の後ろ、その後ろをアプレザンレーヴがマークするような形で直線に入った。

直線に入って内の切れ込み部分が過ぎたあたりで、ミッキーパンプキンがスパート。
前半をマイペースの1.01.0で行っていただけに余力十分、勢いはまだまだ衰えない。
その直ぐ後ろを走っていたゴールデンチケットが後1Fを過ぎて外へ出し、進路を確保して前を行くミッキーを追った。
外からアイアンルックが上がってくるが、まだ横にはかなりの馬が並び前を行く2頭との差がなかなか詰まらない。
同じような進路をとったアプレザンレーヴアイアンルックに追いつきたいのだが、逆にちょっとヨレ気味になった。

前の2頭、逃げるミッキーパンプキンを交わしたゴールデンチケットがゴールを目指してまっしぐらと思えた瞬間に、アイアンルック小牧太Jのたった1度のステッキで目が覚めたように、それこそ勢いが違う脚色で迫りあっという間に抜いてしまった。
鞍上の小牧太Jがもう追う必要がないぐらいの勝利確定であった。
外からやっとエンジンがかかったアプレザンレーヴが勢いよく突っ込み、ミッキーパンプキンをどうにか交わして3着となった。
4着はミッキーパンプキン、5着には道中アイアンルックの前後に位置していたオオトリオウジャが入っていた。
道中好位で進んでいたダブルウェッジワイドサファイアは、伸びが今ひとつで入着を外してしまった。

3角手前から本来の先行策をとったミッキーパンプキン
前半千の通過が1.01.0、千二通過が1.13.5とかなりゆったりのペース。
上がり3Fが11.8~11.0~11.7であるから完璧な先行馬有利な競馬となっただけに、アイアンルックの切れ味は驚愕モノである。
3着のアプレザンレーヴとこの馬の2頭だけが33秒台の切れ味を発揮。
このことから、スタートでのハンデの差だけアプレザンは届かなかったが、この馬も素晴らしいものを持っているといえよう。
アイアンルックは前回のアーリントンCでも物凄い脚を使っていたように、長い間いい脚を使えるタイプのようで、これからの競馬が実に楽しみな馬。
次走NHKマイルはもっとも注目を浴びる黒馬となるだろうし、実に楽しみな馬の出現である。